日々これ精進!ブラッシングのコツ

 

こんにちは。院長の沼尾です。
蒸し暑い日が増えてきたように感じますが
いかがお過ごしでしょうか。

 

7月といえば七夕ですね。
現在では
「○○が欲しい」
「○○になりたい」など
幅広い願いごとが書かれる七夕の短冊ですが、
もともとは織物の上手な織姫にあやかって、
「物事が上達しますように」との願いを込めて
短冊をしたためていました。

 

みなさんはこの夏、何を上達させたいですか?
もし現在、目標としているものがあれば、
その上達をお願いしてみるのも
いいかもしれませんね。

 

 

 

さて、歯科において
上達しておいていただきたいこと
といえば、やはり
ブラッシング!

 

 

今回は、ブラッシングの基本と、
リスクとなりやすい部位ごとの
ブラッシングのコツをご紹介いたします。

 

 

◆ブラッシングの基本

 

まず大事なのは持ち方。

「えっ?そんなところから?」

と思われるかもしれませんが、
歯を傷つけないために大切なことです。

 

歯ブラシは力の入りすぎを防ぎ、
細かく丁寧に動かせるように、
えんぴつのように持ちます。

 

歯面には歯ブラシの毛先を垂直に当て、
小刻みに往復(5mm〜10mm程度を目安に)させながら、
1〜2本ずつ丁寧に磨きましょう。

 

この時、力を入れ過ぎて
ブラシの毛先が広がらないように注意してくださいね。

 

 

 

 

 

次は、少しコツが必要な部位について。

 

 

 

 

◆磨き残しが多い5か所

 

1.歯と歯の間
歯間ブラシやデンタルフロスの使用が効果的です。
歯と歯の間の歯垢(プラーク)は、
歯ブラシだけでは6割ほどしか除去できないのに対し、
歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると
9割近くのプラークを除去できる
というデータがあります。

 

 

2.歯と歯ぐきの間
歯や歯ぐきの状態によって、歯ブラシを45度
または90度になるように当て、
弱めの力でマッサージするように細かく振動させます。


 

 

 

 

 

3.前歯の裏側
歯ブラシを縦に使い上下に動かして磨きます。
下の前歯の裏側はブラシのかかと部分を使い、
汚れをかき出すように磨いてみましょう。

 

 

4.奥歯のかみ合わせ
奥歯の「かみ合わせ面」は溝が深く、
磨き残しが多い場所です。
くぼみ部分にブラシの毛先を入れ込むように当て、
小刻みに動かして磨きます。

 

 

5.奥歯の後ろ側
歯ブラシを斜めに入れるなど
奥まで届くように角度を調整しながら、
ブラシのつま先を使って磨きます。
難しい場合には
ワンタフトブラシ(毛束が1つのみのブラシ)など、
ヘッドがコンパクトなブラシを使用してみましょう。

 

 

 

 

 

ちょっとの心がけで、
ブラッシングの効果はグンと高まります。

 

全てを一度にマスターするのは難しいかもしれませんが、
「今日はここを頑張ってみよう」と、
ひとつずつチャレンジしてみてください!

 

 

上手に磨けているか不安な方や、
自分に合ったブラシが分からない…など
お悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
いつでもお待ちしております。

 

 

「むし歯になりそうな歯」と言われたら?

「むし歯になりそうな歯」は
「要観察歯」と言われたり、
「CO(シーオーと読みます)」と言われたり、
「初期むし歯」などと言われることもあります。

歯科健診や学校健診で「むし歯になりそうな歯」と言われたり、
指摘を受けたとき、どうすればよいでしょうか?

「むし歯になりそうな歯」なので、そのままにしていると、
むし歯になってしまう状態の歯のことです。
なので、虫歯にならないように、対策を取る必要があります。

その対策には大きく分けて二つがあります。
一つは、自分や家族が行う対策で、
もう一つは、歯科医院などで行う対策です。

その両方がうまくかみ合うと、虫歯にならずに済みます。
場合によっては、むし歯になりそうな状態から、回復することもあります。

「むし歯になりそうな歯」と言われたら、
むし歯になって歯を削るようになる前に、
歯科医院で行う対策をして、
自分や家族ができる対策を、歯科医院で教わって、実践する。
それによって「むし歯になりそうな歯」を、
むし歯にしないようにすると良いのです。

宇都宮歯科衛生士専門学校オープンキャンパス

宇都宮歯科衛生士専門学校のオープンキャンパス・学校見学説明会の案内が届きました。

歯科衛生士の仕事とは
 1、歯科予防処置
 2、歯科診療補助
 3、歯科保健指導
日本歯科衛生士会HPより、詳細はこちらを参照

歯を失う原因のうち90%を占めると言われている「むし歯」と「歯周病」から予防をして、患者さんの歯を守ることが仕事になります。

歯科衛生士 6つの魅力
 1、多様な働く場があります
 2、全国どこでも働けます
 3、プライベートも充実できます
 4、結婚・出産後も続けられます
 5、たくさんの魅力のある仕事です
 6、キャリアアップを目指せます
日本歯科衛生士会より

宇都宮歯科衛生士専門学校のオープンキャンパスは、7月から9月にかけ4回ほど開催されるようです。

NHKあさイチにて、むし歯と歯周病の特集を放送していました。

2019年2月4日(月)のNHK「あさイチ」という番組にて
「歳とともに忍び寄る 歯 のトラブル」というタイトルで放送がありました。
この番組に知人の歯科医師が複数出演していましたのでご紹介します。

インプラント周囲炎の解説で出演された弘岡秀明先生です。
専門は歯周病で、海外留学をされて歯周病とインプラントを学ばれました。
現在は日比谷にてご開業されております。
私の歯周病の師匠です。

銀歯のリスクの解説で出演された櫻井善明先生と歯科衛生士の林さんです。
歯科用顕微鏡を使った精密な治療を行っている先生です。
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて肉眼では見えない小さな銀歯の縁の虫歯も発見し、その状態を動画にて患者さんに診てもらい治療説明を行っています。
現在は湯島にてご開業されております。
私に歯科用顕微鏡を用いた治療を勧めてくれた歯科医師の一人です。

むし歯と歯周病は誰にでも起こりうる可能性が非常に高い病気です。
そのためこのような特集はメディアで多数取り上げられています。

お口の健康を守る歯科衛生士さんの勉強会に参加してきました。

お口の健康を守るには歯科衛生士さんが欠かせません。
なぜなら、口腔衛生管理がお口の健康を守るには必須であり、
口腔衛生管理のスペシャリストが歯科衛生士さんだからです。

 

この口腔衛生管理とは?
お口の中には歯周病菌や虫歯菌など数百種類の細菌が住みついています。そして常に増殖し続けて行くので、その結果お口の中にいろいろな病気を発症させます。
そうならないように細菌の増殖を抑えるようにしていくことが口腔衛生管理です。

 

お口の中のいろいろな病気から守ってくれる口腔衛生管理を、ご本人と二人三脚で行っていくのが歯科衛生士です。
その歯科衛生士さんの仕事ぶりの報告会がありました。
参加された歯科衛生士さんは患者さんと真摯に向き合っており、その結果患者さんのお口の健康を守り続けている方たちばかりでした。

学ぶべきことがたくさんあった勉強会だったので、それらの内容を当クリニックでもフィードバックしていきます。

歯を温存する新たな学び 2017in栃木

日本歯内療法学会という主に歯の神経の治療を研究する学会があります。
その研究は虫歯になった歯を少しでも長く温存させるためにはどうすればいいか?ということがテーマの一つにもなっています。
そんな歯を温存するための学会が主催した研修会が栃木県で開催されたので参加してきました。
普段は日本全国各地で行われているものなので、参加するためには診療を休診にしなければならないのですが、
今回は地元開催でしかも休診日の開催だったのでとても助かりました。
虫歯によって歯の神経がダメになったり、痛くなったりすることの原因は多種多数のばい菌によるものです。
ばい菌が大量にいると虫歯は進行し、神経は腐り、歯の根の周囲に膿がたまってきます。
そのうち歯肉や顎が腫れたり、我慢できない激痛が始まったりします。
そのようにならないように、そのばい菌を撲滅することが、歯を長く温存していくためには重要なことになります 。
今回の研修会では、ばい菌撲滅するための新しい研究や新しい治療器具なの講習を受けることができました。
早速ですが診療にフィードバックをさせて、より多くの歯を温存できるようにしていきます。
ただ、もう温存できないくらい進行した手遅れの状態になってしまっては
どんなに研究や治療方法が進化しても、温存することはできません。
手遅れになるまえに早期の治療をすること。
でも、理想は虫歯にならないよう予防をしておくことが一番いいのです。

歯と口の健康週間2017

8020
8020

毎年、6月4日から6月10日は歯と口の健康週間です。
歯が無くなると噛むことができなくなるため、食べ物が自由に食べられなくなります。
歯が無くなると発音がしにくくなるため、会話が難しくなることがあります。
歯が無くなると歯抜けで見た目が悪くなるため、笑いにくくなる方もいらっしゃいます。
おいしく食べ物を食 べることができて、
楽しくおしゃべりができ、
気にせず笑えるような、
そんな生活がいくつになっても送れるように、健康週間では一度考えてみてはいかがでしょうか?
かかりつけの歯医者さん、近所の歯医者さんが相談に乗ってくれると思います。

他の歯科医院で「全部抜歯」と言われた方が、歯周病治療で歯を抜かずに済んだ話

日本歯周病学会という歯を温存することを目的とする事を研究発表をする場で、歯科では最大級の学会です。その学会が時々研修会を開催しています。
今年は栃木県がその対象になり開催されたので、参加してきました。

学会を代表する著名な4名の講師の講義を聴講しました。その中でも歯を温存するにあたって、非常にいいお話だったものをご紹介いたします。

臨床経験が長い講師からは40年以上経過をした長期経過の治療例の紹介がありました。
歯周病のためずっと悩んでおり受診した歯科医院では「全部の歯を抜歯しないとダメだ」と言われた方が、40歳にして初めてこの講師の方の診察を受け、そこから二人三脚で歯を温存する治療を開始しました。
そして、その方は80歳代でお亡くなりになったとのことですが、それまで1本も自分の歯を失うことがなかったそうです。
今回の講習ではその治療内容や患者さんの努力などを細かに教えていただきました。

これは歯科医院での歯を温存する治療を行ったことはもちろんですが、それと同時に大きな要素として自分の歯を失いたくないという患者さんのすさまじい熱意があったから成功したとのことでした。
その熱意は毎日の自分のお口の中のお手入れに注がれ、非常にきれいな状態を保っていたそうです。

毎日歯磨きを行っても磨きのこしをなくすることはかなり至難の業です。しかし、その方はほとんど磨きのこすことはなく、逆に毎日ピカピカに光るほどの状態を維持していたそうです。
ここまできれいにしておけばばい菌の増える機会もないため、歯周病という病気も進行することはなくなることを実践した例でした。

もちろんしっかりとした歯周病治療が必要なことは言うまでもありません。そのためにはしっかりと歯周病検査をして、今の歯周病の病態がどのような状態なのかを、医療者と患者さんで共有して治療に挑む必要があります。
そして今回の実例のように、治療が成功すればするほど医療者と患者さんとは非常に長い付き合いとなります。

患者さんとの良い関係のもとに二人三脚で治療を行っていくことの大切さを改めて実感した研修会となりました。

日本歯周病学会関東地区臨床研修会

食後の歯磨きはいつすればいいの?

食後の歯磨きをするタイミングについていろいろな情報がありますが、それについて日本小児歯科学会から提言が発表されています。

日本小児歯科学会からの提言 (食後の歯磨きについて)

手短に言えば

すばやく歯垢(プラーク)を口の中から取り除きましょう

ということになります。

歯垢(プラーク)とは細菌の塊です。
そのような最近の塊がいつまでも口の中にあると問題を起こすので早めに取り除きましょうということです。

ただ、それがなかなか難しい。本当に取り除けたのかがよくわからないと思います。
そんな時には歯垢(プラーク)を赤く染める液があります。
それを使ってプラークを赤く染めて良く見えるようにして、その赤く染まったプラークを歯ブラシやフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどを使って赤い部分が無くなるまで行えば、歯垢(プラーク)が無くなったことになります。
それでも口の中はよく見えにくいため、歯科医師や歯科衛生士に相談をするとアドバイスをもらい、より歯垢(プラーク)が取り除けるようになると思います。

歯に痛みがなくとも、自分の歯が抜けて無くなっていくときもあります

「特に口の中に痛みなど異常を感じないから、自分は問題はない」
「毎日歯磨きをがんばっているから、歯医者に行かなくても自分は大丈夫」
と、思っている方はいらっしゃいますか?

先日受講したセミナーの時に、配布された資料の中にあったものが下のグラフです。これは日本臨床歯周病学会からの資料で「定期検診に関するグラフ」です。
このグラフの横軸は年齢を表しています。そして、縦軸の「残存歯数」とは自分の口の中に何本の歯が残っているかを表しています。永久歯は全部で32本(親知らずを含む)ありますので20才の時は皆さん全部の歯が残っているため32本からグラフが始まります。
そこから30才、40才、50才、60才と年齢を重ねていったときに残存歯数(口の中に残っている歯の本数)がどのように変化をしていくのかを表しています。

「定期検診を受けている」 人は青色の線。つまり、症状がなくても定期的に歯科医院を受診して歯周病のチェックとクリーニングを受けている人です。
「ブラッシング指導(歯ブラシのやり方の指導)を受けたが、必要な時(何か問題があった時)だけ受診する」 人は黄色の線。これは毎日歯ブラシをがんばっており、何か症状があった時に歯科医院へ行く方です。
「問題がある時だけ受診する」 人は赤色の線。これはその通り何か症状など問題があった時に歯科医院へ行く方です。

定期検診と問題がある時の受診

50才の時を見てください。
青の人は28本、黄色の人は25本とある程度の歯が残っているのに対して、赤の人は18本と一気に歯が無くなっています。
32本あった歯が18本まで減ってしまったといえば14本抜け落ちたことになります。14本も歯が抜けた状態とはイメージがわきにくいので、その様態を具体的な例を挙げてみます。
糸切り歯(犬歯)と糸切り歯の間は前歯を含め犬歯まで6本歯があります。上下で12本あります。つまり赤の人は50歳前に上下の犬歯の間の前歯12本がすべて無くなってしまい、さらに奥歯2本無くなれば、全部で14本の歯の本数がなくなったことになります。

次に70歳の時を見てください。
青の人は27本ほど残っています。上下左右4本ある親知らずは生えてこない人や抜いてしまう人もいるので、実質的には28本の歯で食事をしたり話をしたりしています。つまり、ほとんどの歯が残っているという状態です。
黄色の人は50才の頃は青の人と同じくらいだったのですが、70才では残っている歯が12本と一気に本数が減っていきます。残っている歯が12本ということは半分以上歯が無くなっています。例えば上あごの歯が全部抜け落ちてしまい総入れ歯を入れないといけない様な状態になると、残りの歯が12本くらいになった時と同じ状態になります。

 

さて、あなたは上のグラフの青・黄・赤のどの色を選びますか?

 

ここで青色の人はどうして年齢がを重ねても歯を失わずいつまでも自分の歯でかめるのでしょうか?
これには理由があります。下のグラフを見てください。
成人の80~90%の人に歯周病があるといわれています。歯周病は重症にならないと症状が出てきません。(つまり大人の10人中8,9人には、症状が出にくい病気の歯周病があります。あなたは歯周病でない自信がありますか?)
上のグラフで青い人に当たる定期検診を受けている人は、下のグラフで緑色の線のものです。まず最初に歯周病治療をして健康な状態になることが必要です。
しかし、歯周病治療をして歯肉の健康を手に入れたとしても、毎日の歯ブラシやフロスだけでは歯周病を制御することは難しく、定期検診を行わないと下のグラフの赤線のように、また歯周病の状態になっていきます。そのため定期健診を受けてクリーニングを行うことによって、また健康な状態に戻ります。このため定期健診を受け続けてクリーニングを継続することによって健康な状態を維持していきます。この結果、定期健診を繰り返すことによって上のグラフの青の人のように80才になっても自分の歯がずっと残っています。

定期健診とクリーニングと歯周病

定期検診とクリーニングを受けていつまでも自分の歯で食事をしていくのと
何か症状があった時だけ歯科医院へ受診して、入れ歯で食事をするようになるのと
あなたはどちらを選びますか?