むし歯予防先進国でのむし歯予防方法とは?

北欧のスウェーデンは国民のむし歯予防に成功した国のひとつです。どれくらいむし歯予防を成功させたかというと、一人当たり平均15本もあった12歳の子供たちのむし歯を、数十年後には一人当たり平均1本以下まで減らすことに成功しました。ちなみに現在の日本の12歳児では一人平均2~3本のむし歯があります。

12歳児といえば大人の歯(親知らずを除く)が28本全部だいたい生えそろってくる時期になります。昔のスウェーデンは大人の歯28本中平均15本も12歳児にはむし歯がありました。しかし、国をあげてむし歯予防に取り組んだところ一人平均1本以下のむし歯に予防することに成功しました。これだけ虫歯の数を減らせたので、むし歯が1本もない12歳児もたくさんいます。スウェーデンの12歳児の60%以上がむし歯ゼロなのです。これは3人中2人はむし歯がない子供たちということです。

そのためスウェーデンでおこなわれたむし歯の予防方法は世界各国で認められスタンダードとなってきつつあります。そのスウェーデンのなかでむし歯の予防方法発信の中心となった大学のひとつに「イエテボリ大学」というところがあります。(日本の歯科業界内でもかなり有名なスウェーデンの大学です。)そのイエテボリ大学の教授が2名来日して二日間のセミナーを開くとのことだったので、むし歯予防の本場で世界基準となりつつある予防方法を学ぶべくセミナーへ参加してきました。

とは言うものの、スウェーデンやイエテボリ大学のむし歯予防方法は世界的に有名になっているだけあって、その方法は日本でもかなり浸透してきています。大体の方法はすでに知っている内容でした。しかし、本や論文で読んだだけではうまく伝わりきれない細かな方法論や、ここ数年で研究が進みまた違った見解になっているところなどがあり、むし歯予防先進国のむし歯学(正式にはカリオロジーといいます)の教授から直接話を聞くということは今まで以上にむし歯予防方法について深く理解をすることができました。

深く理解できた内容のひとつに 「イエテボリテクニック」 というスウェーデンイエテボリ大学で行われているむし歯予防するための歯磨きのやり方があります。この歯磨きの仕方を直接指導してもらい、詳しいところまで教えていただきました。

ここで、むし歯予防に大切なことを要約して列記してみます。

1.「できる限り歯を削らない」ことであり、そのためには自宅で毎日行うその人に合った適切なホームケアと年間数回行うデンタルクリニックでの定期的なメンテナンスケアが必須になってきます。それによりむし歯の進行を止めることができ、結果的に削ることが回避できるようになります。

2.しかし、それでもむし歯で穴があいてしまった場合はそれ以上にむし歯の穴が大きくならないよう、できるだけ早期に削って詰める必要があります。詰めた後も虫歯が再発しないよう適切なホームケアとメンテナンスが必須です。

3.むし歯予防に年齢は関係ないこと。歯が生えてきた乳児から全部の歯がなくなるまでの人すべてがむし歯予防の対象になります。つまり、自分の歯がある人は全員むし歯予防が必要になります。

主にこのようなことを守ることによってスウェーデン国民のむし歯予防に成功しました。今回、学んできたイエテボリ大学の方法を患者さんへ還元することにより、患者さんのむし歯予防をより強化していきたいと考えています。

また歯周病とむし歯・矯正治療とむし歯・ブリッジやインプラントとむし歯・口臭とむし歯・高齢者とむし歯・全身疾患とむし歯・などの関係についても詳しく話をしていただきました。口のなかのことなので虫歯以外のことも十分考慮していかなければならず改めて幅広い知識と技術、そして日々進歩している歯科医療の情報を常に入手していかなければならないと強く思いました。

今回は東京都町田市にある宇藤歯科医院の宇藤院長、岐阜県岐阜市にあるノアデンタルクリニックの渡辺院長と一緒に参加してきました。この間、セミナー内容についてはもちろん普段の診療などについても意見交換をしていたので、色々なことを学べた有意義な二日間を過ごすことができました。

歯の衛生週間は6月4日~10日です

6月4日~10日までの1週間は歯の衛生週間です。

歯の衛生週間とは 「いくつまでも自分の歯を使っていけるよう正しい知識を知って歯の健康を守りましょう」 ということを推進する期間です。

2011年度・歯の衛生週間のポスターです。

難しく言えば、 「厚生労働省・文部科学省・歯科医師会が主催となり、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防処置の徹底を図り、併せてその早期発見、早期治療を励行することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進を寄与することを目的としています」 ということになります。

自分の歯を長く持たせるためには、むし歯や歯周病が進行しない様に予防していくことが大切になります。歯が痛んだり歯肉が腫れたりなどの症状が出る前にむし歯や歯周病の予防を行っておくと良いです。そしてむし歯や歯周病を予防するスタンダードな方法としては、毎日行うホームケアと定期的に歯科医院で行うメンテナンスの両方を行っていくことが大切になってきます。

顕微鏡歯科の実習セミナーに参加してきました。

顕微鏡歯科とは歯科用の顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使って対象となる歯や歯肉を大きく拡大した視野の中で治療や処置を行うことです。
倍率は機械にもよりますが5倍から30倍まで拡大できます。小さな歯をそこまで大きくして治療することは、肉眼より正確な治療をすることが可能となります。
そのためには拡大した視野の中で治療を行うのですが、そのためにはやはりこのようなトレーニングが必要となってきます。
ここは顕微鏡歯科の治療トレーニングができる実習室です。東京にあるメーカー本社の一室にあります。
ここで神奈川歯科大学の石井教授に1日中、講義と実習を行っていただきました。
歯科用顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)がたくさんある実習室で、大学教授のレクチャーを受けます
歯科用顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)がたくさんある実習室で、大学教授のレクチャーを受けます。教授の治療が映し出されます。
石井教授にいろいろな質問をすることができ、最新の情報などを得ることができました。
マイクロスコープの実習ももちろん有意なことでしたが、
大学教授という専門医の最前線で研究や診療において日々仕事をしている人に、色々な質問をぶつけられたことは非常に勉強になりました。
今回のセミナーでも得たことはクリニックへフィードバックしていきます。

ネットでライブセミナーを受けてみました。

いつも参加している勉強会のセミナーを、勉強会メンバー限定で今回試験的にライブ配信するとのことで、早速申し込みをしてみました。

そして先日受講してみました。

いつもは東京で行われている勉強会で、診療を臨時休診にして参加していたセミナーだったので自分のクリニックにいながらライブで聴講できるメリットは非常に大きなものがあります。

今回の勉強会は補綴(ほてつ)といって歯を作ったりする学問についての講義です。

ライブセミナーの方法はUSTREAM(ユーストリーム)を使用しました。

あらかじめUSTREAMで自分のアカウントを作成しておき、指定されたチャンネルで配信されました。

もちろん非公開で行っているためパスワードでロックされて誰もが見ることはできません。登録したメンバーだけにパスワードは前もってメールで教えてもらっていました。

指定された時間に指定されたチャンネルをパソコンで開き、パスワードを入力するとすでにセミナーは始まっていました。

プロジェクターに映し出された画面と、講師の先生の音声が鮮明に聞こえます。内容を聞くことに関しては全く問題がないように思えました。

twitter(ツイッター)を使ってライブ配信者との文字でのやり取りもリアルタイムにでき、双方向性もありました。

もちろん現場に行って直接講義を聴くほうがより分かりやすいとは思いますが、都合によっては毎回出席できるとは限らないため、地方在住の私にとっては非常にいいシステムです。

ライブで受講できることにより、より新鮮な講義や情報を得ることができます。

最近はオンライン大学もあるくらいなのでネットで勉強をしていくスタイルはこれからのスタンダードになっていくのかもしれません。

この勉強会ではまた数ヵ月後のセミナーもUSTREAMでライブ配信を予定しているとのことなので、そのときもぜひ受講してみたいと思います。

顕微鏡歯科のススメ

顕微鏡歯科というものはご存知でしょうか?マイクロスコープや手術用顕微鏡などとも言われています。
その顕微鏡歯科についてセミナーを受講してきました。講師は顕微鏡歯科学会副会長で東京で開業されている三橋純先生です。
よくテレビでスーパードクターと紹介されすばらしい手術をしている映像などを見かけることはあるかと思いますが、そこで手術をしながら覗いているものが手術用顕微鏡です。血管などが細かく入り組んでいるところは顕微鏡で見ながら丁寧に手術をやって、必要最小限な部分だけを切除することができます。
それと同じように顕微鏡を見ながら細かい歯科治療を行うことが顕微鏡歯科です。顕微鏡を使用することによって肉眼では見ることのできない細かなところまでよく見ることができます。
たとえば人間の歯は約1cm四方しかない小さなものです。そこに小さなむし歯ができたり、小さな歯石がついたり、歯にヒビが入っていたりなどの状態になった場合でも、肉眼では確認することができなかったそれらが、顕微鏡だと見えて確認することができます。確認したものに対して顕微鏡を見ながら必要最小限で適切に処置を行うことによって、肉眼では不可能なレベルの早期発見早期治療が可能となります。更にレベルの高いミニマム・インタベーション(MI:最小限の治療という意味)が実現可能となっています。
顕微鏡のもう1つのメリットは、CCDカメラが装備されているので動画としてモニターに映し出すことができたり、録画することが可能となります。それによって今まではドクターしか見えなかった治療最中の状況がそこにいるスタッフや患者さんなどへ見てもらうことが可能となり、医療サイドのチームワークの向上や患者さんが治療内容を把握しやすくなるとのメリットもあります。当院ではまだモニターの設置を行っていないので今後対応していく予定です。

ホテルのような快適さを追求した産科クリニック

栃木県壬生町に昨年、産婦人科「クララクリニック」が開院しました。
平塚光広院長とは自治医科大学の研修医時代からの友人で医療に対する情熱はそのころからすばらしかったのです。
そこにホスピタリティ(おもてなし)の充実したクリニックを作って全ての人に感動と喜びを受け取って欲しいとの理念を元にこのようなすばらしいクリニックの開院となりました。
下記の写真は外来の受付と待合室の風景です。今までの病院の概念が覆されるような落ち着いた雰囲気です。
栃木県壬生町産科クララクリニック 栃木県壬生町産科クララクリニック栃木県壬生町産科クララクリニック
待合室は大きなガラスになっているためとても明るいです。(暗く感じるのは写真が下手なせいですね・・・スミマセン)
栃木県壬生町産科クララクリニック 栃木県壬生町産科クララクリニック
出産を迎える病室とナースステーションです。ホテルのゲストルームのようです。
栃木県壬生町産科クララクリニック 栃木県壬生町産科クララクリニック
妊婦さんを対象に妊娠前期・中期・後期の3コースに分かれて母親学級を開催しています。
写真は平塚院長がお話をしている写真です。
今回はだんなさんも同行してくれた方もいらっしゃいました。家族みんなで子どもが生まれることを待ち望んでいることはとてもすばらしいですね。
クララクリニックの母親学級には私も参加させてもらっています。この日も妊娠中の歯や口腔内についてお話をさせていただきました。
たくさん質問が出てきましたが、妊産婦の方とその家族の方々の不安材料が少しでも解消できればと思います。今後も継続的に母親学級には参加させてもらう予定ですのでよろしくお願いいたします。
栃木県壬生町産科クララクリニック母親学級20100401クララクリニック 021

テレビ東京「カンブリア宮殿」に栃木県にある手術針メーカーの社長登場

平成22年1月25日の夜10時からテレビ東京で放送されるカンブリア宮殿という番組に「マニー」という医療メーカーの社長松谷貫司氏が登場します。

地元栃木県(宇都宮市・塩谷郡高根沢町)にある会社ですが手術針で日本国内や世界のトップシェアを持っている会社です。

手術のときに縫う針のほかに歯科の器材も提供しており、歯の神経の治療をする細い針金のような器材や、歯を削るときに使う研削研磨器具ダイヤモンドバーも製作しています。私はそのどちらも研修医時代から愛用しています。

手術用の縫い針が有名だと初めて知ったのは、私が麻酔科研修時代でした。自治医科大学の麻酔科で研修していたときに外科用(手術用)の縫合針にこのマニー社の製品があることをしり、そこの現場では多くの外科医から信頼され使用されていました。

地元企業であり製品の品質がすばらしいことから開業した今でもマニー社製の手術用縫合針・ファイルという根管治療器具・歯を削るダイヤモンドバーは十数年以上愛用しています。

「針金屋」と言われているそうですがマニー社製の器具は本当に粘りがあり信頼して毎日の治療に使用することができます。安全な医療を提供するにはこのようなこだわりのメーカーがあることは非常に心強いものです。

海外留学をして学んできた歯科医師たち

先日、海外の大学院へ留学して博士や専門医となって帰国してきた歯科医師数名による講演会があったので参加してきました。

主催者は米国歯科大学院同窓会(JSAPD)という組織です。これはアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国へ2年以上の留学をして博士号や専門医の資格などを取得してきた歯科医師たちの組織です。

今回のセミナーでは歯周病の専門医・インプラントの専門医・補綴(入れ歯など)の専門医・矯正の専門医など5名の専門医の先生たちの講演を聞いてきました。

2010米国大学院 002

写真は休憩時間の会場内の様子です。

日本の歯科とはまた違った教育を受けてきた先生方ばかりの講演だったので、普段目にするしか情報とはまた別のグローバルな視点からの考え方を学ぶことができました。日本だけの情報に偏らずに、世界中の歯科の情報からこれからも勉強していかなければならないと今まで以上に思いました。

今回はお世話になっている先生が講演者の1人だったので、たまたまこのような機会にめぐり合えたことはとてもラッキーだったと思います。

しかし、ずっと昔から数多くの日本人が海外へ留学し勉強をしにいっていたことは私の想像をはるかに超えていました。まだまだ見聞を広めないといけないことはたくさんあるなと実感して帰ってきました。

これからも米国歯科大学院同窓会(JSAPD)の公開セミナーは積極的に参加していきたいと思います。

3時間の講義と実技の研修会を院内で行いました

平成21年9月に行った研修会の第2回目を11月に開催しました。

前回の研修会の内容はこちら

前回の研修会では患者さんのお口の中の写真を撮影する手技をスタッフ全員で学びました。

今回の研修会では前回の研修会のときに来ていただいた井上さんから、口の中を撮影した写真をどのように患者さんへ分かりやすく説明をするかなどの内容をスライドを使って講義を行っていただきました。約3時間の講義の内容はとても充実したものでした。

自分の口の中がどのようになっているかは直接自分の目ではなかなか見にくいところであります。その口の中をデジタル一眼レフカメラで撮影してパソコン上で拡大してみると非常に細かなところまで実際に自分の目で良く見ることができます。

むし歯のない綺麗な歯であったり、虫歯におかされて穴があいている歯であったり、健康な歯肉であったり、赤く腫れている歯肉であったり・・・・・・・

口の中の写真を撮影することによって、ありのままの口の中の状態が自分の目で確認することができます。

むし歯があったり、歯肉が腫れていたりなどの状態はみなさん自分の口の中にはあってほしくないと思いますが、もしそのような状態があれば早期に処置をしたほうが進行することなく快適なお口の中を維持することができることでしょう。

日本ヘルスケア歯科研究会の発表を直前に控えた井上さんに時間を割いて講義をお願いしました。

口の中の写真の講義はスタッフ全員で聴講し3時間にも及びました。

数名ではありますが患者さんの口の中の写真撮影をして説明をさせてもらっています。

できるだけ分かりやすい医療を提供しようとスタッフ全員で考えていますので、お口の中の写真を取らさせていただくときはご協力のほどよろしくお願いいたします。

インフルエンザ予防対策を強化しました。

当クリニックでは9月にもここで紹介いたしましたが、インフルエンザの流行の予防対策を院内でも行っています。

院内でも手洗いやうがいができるよう用意してあります。入り口には速乾性アルコール消毒剤を準備してあります。待合室や委員内には空気清浄器を用意してありました。

手洗いやうがいができるよう準備してあります。 速乾性アルコール消毒剤です。

さらに対策としてスタッフ全員、季節性のインフルエンザワクチンの接種を済ませました。残念ながら歯科医療従事者はインフルエンザ治療を直接行わないために、新型インフルエンザのワクチン接種の優先はありません。妊婦さんや基礎疾患を有する方、小児(1歳~小学3年生)、小児(1歳未満)を持つ保護者、10代の若年層(小学4年生~高校生)、高齢者(65歳以上)などインフルエンザに罹患すると危険度の高い方々が優先となっていますので早めの予防接種を受けていただければと思います。ここでいう基礎疾患を有するという基礎疾患とは、慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、神経疾患、神経筋疾患、血液疾患、糖尿病、疾患や治療に伴う免疫抑制状態、小児科領域の慢性疾患をいいます。

新型インフルエンザウイルスワクチンは残念ながらまだ接種できませんが、普段はたくさんの方々の口の近くで仕事をしているためにまずはスタッフの予防のために季節性のワクチンはスタッフ全員に接種いたしました。

また、新しい空気清浄器も導入いたしました。シャープ社製の業務用プラズマクラスターイオン発生機です。カビ菌やウイルスの除去分解をするプラズマクラスターイオンを高濃度に発生するようです。さまざまな会社などで採用されていることも考慮して導入することとしました。

業務用高濃度プラズマクラスター発生機です。 浮遊するウイルス・カビ菌・臭いなどを分解除去するそうです。