定点カメラで歯科治療の経過をみていきました。ーインプラント編ー

歯科の治療も皆さんは自分の見えないところで行われているので、何が起こっているのはよくわからないと思います。そんな皆様へ治療の経過を同じアングルから写真を撮って見てもらうこともできます。
今回は自分の歯がだめになってしまい抜歯してからインプラントができるまでの記録を紹介します。

 歯肉腫脹,奥歯

( ↑ 写真1)
写真1は銀のかぶせものがしてある奥歯2本の歯肉部分がそれぞれ腫れてきています。青い矢印の部分です。
歯肉が腫れた原因は歯の根が割れてしまい中でばい菌に感染して膿が溜まってしまったからです。
歯を残す治療も試みては見ましたが、残念ながらこのような状態になってしまっては腫れと痛みを繰り返すため抜歯するしかありませんでした。
その旨を患者さんへご説明し、抜歯することへ同意をしていただけました。

歯の欠損,喪失 

( ↑ 写真2)
写真2は抜歯して傷口がきれいに治ったあとの写真です。しかし、歯が2本もなくなってしまったため大きなスペースができてしまいました。
また、上の歯があるにもかかわらず咬み合う下の歯がなくなってしまったので、食べ物をよく咀嚼できなくなってしまいました。
そこでご本人と相談して歯を作って入れることにしました。入れ歯かインプラントによる歯を作る方法を説明し、時間をかけて検討していただいた結果インプラントによる治療を希望されました。
インプラントとはチタン製の人工歯根を顎の骨の中に埋めて、その上に歯を作る方法です。
インプラントについて詳しくはこちらを参考にしてみてください。

インプラント,埋入

( ↑ 写真3)
写真3はインプラントの手術を行い人工歯根が顎の骨にしっかりとくっついた状態です。オレンジの矢印の部分が2本埋めた人工歯根の上に被せてあるチタン製のキャップです。
ここで注目すべき点は、インプラントの部分も自分の歯の部分も歯の汚れがほとんどついていないことです。この方の歯ブラシが非常に上手な方なので歯に汚れがほとんどついていません。そのため、歯肉も健康的なピンク色をして引き締まっています。
歯の汚れとそこに繁殖するばい菌は歯にとってもインプラントにとっても大敵です。毎日の上手な歯ブラシでセルフケアを行うことによって自分の歯もインプラントも長持ちさせることができます。

上部構造,インプラント

( ↑ 写真4)
写真4はインプラントの上に歯を作った写真です。使用感は違和感も無く、いろいろなものが食べられ非常に良いとのことでした。患者さんには満足していただきました。
しかし、歯が入って食べられるようになっても治療は終わりではありません。実はここからが本当の始まりとなります。
写真3のところでも書きましたが、この状態をできるだけ長く持たせていくことがこの治療の成功となります。そのためには毎日丁寧に歯ブラシを行って、歯にこびりつくばい菌を取り続けていきます。さらに定期的に歯科医院を受診してお口の中のチェックをして改善すべき点があれば対応していきます。日々の歯ブラシで取りきれない汚れが蓄積しているとこは歯のクリーニングを行って汚れをリフレッシュしていきます。
今回この方は奥歯を2本失ってインプラントとなりましたが、これ以上自分の歯を失いたくは無いとのことで毎日の歯ブラシを意識して丁寧に行うようになり、その結果インプラントの部分も自分の歯の部分もばい菌の無い非常にいい状態になりました。この状態をずっと継続できるようクリニックでこの方のバックアップとメンテナンスを行っていきたいと考えています。

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

今年も親子や3歳児の「よい歯のコンクール」が行われます。

栃木県,よい歯

毎年、栃木県と歯科医師会が主催している「よい歯のコンクール」が開催されます。「親と子」と「三歳児」の2部門があります。

「親と子のよい歯のコンクール」は平成23年4月1日から24年3月31日までの間に3歳児健康診査を受け、虫歯がなく健康な「幼児と父親」または「幼児と母親」のペアが対象です。
「三歳児よい歯のコンクール」は平成23年4月1日から24年3月31日までの間に3歳児健康診査を受け、虫歯がなく健康な幼児が対象です。

各市町村で行われている3歳児健康診査の結果などにより1次審査が行われますので、3歳児健康診査を受けておけば応募しやすくなります。応募の窓口は市役所または町役場なので問い合わせのうえエントリーをしてみてください。
最終審査にて最優秀組は栃木県代表として全国大会になる「第61回母と子のよい歯のコンクール」に推薦されるそうです。

虫歯さえなければ栃木県の代表となれますよ!

虫歯予防に使うフッ素の種類はたくさんあります。

虫歯予防にフッ素が有効なことはご存知の方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、フッ素の有効な使用方法はどうすればいいのかお悩みの方も多いのではないかと思います。フッ素の種類や使用方法は多種多様なので、悩まれて当然なことなのです。

まずはフッ素の種類について解説します。
①フッ素入り歯磨きペースト : 最も一般的なフッ素の使用方法です。毎日行うの歯磨きペーストにフッ素入りのものを使用することにより虫歯予防を行います。1回の使用量は年齢で変わります。使用回数は虫歯のなりやすさで決めていきます。
②フッ素洗口法 : フッ素入りのうがい液でブクブクうがいをして虫歯予防をします。使用濃度や回数は歯科医師や鹿衛生士などに相談してみてください。
③フッ素塗布 : 歯科医院などで高濃度のフッ素を塗る方法です。歯が汚れているとフッ素の効果が十分に発揮されないので、きれいに掃除してから塗布すると効果抜群です。
④フッ素バニッシュ : 歯科医院で初期虫歯などの部分にピンポイントで塗る超高濃度のフッ素です。

ほかにもフッソの使用方法はありますが、これらは一般的なものの紹介です。

これらのフッ素は使用回数や方法などを個人個人で決めながら、さらにそれぞれの種類を組み合わせていって虫歯予防を行っていきます。上記のうちどれかひとつだけやっておけば十分ということはありません。いろいろな方法を組み合わせて初めて予防効果が上がります。
それを行うためにはやはり患者さん自身では難しいところがありますので、自分に合ったふっ素の使用方法を歯科医師や歯科衛生士へ相談してみることが、フッソをもっとも有効に使っていくコツだと思います。

例えば使用方法としてはこんな風です。
①フッ素入り歯磨きペーストをつかって毎食後1日3回歯磨きをして、夜寝る前には②フッ素洗口法を行います。そして3ヶ月ごとに歯科医院へ行って虫歯のチェックをして初期むし歯があればその部分だけ④フッ素バニッシュをして、全部の歯には③フッ素塗布を行っていく。
こんな感じになります。

さらに悩ましいことに、むし歯予防はフッ素以外にもいろいろな方法があります。フッ素以外の方法も組み合わせていくことを考えると、歯科医師や歯科衛生士に相談して自分に合った適切なむし歯予防方法のレシピを相談しながら組んでいきましょう。

訪問看護の電話相談

栃木県看護協会では訪問看護の相談窓口となるコールセンターを開設したようです。

訪問看護や介護保険の利用について訪問看護師さんが電話で相談にのってくれるそうです。

対応日時 : 火曜日 水曜日 金曜日 (9:00~16:00)

電話 : 028-625-1173

介護について悩み事や困っていることがあればご相談されるといいのではないかと思います。

栃木県,訪問看護

介護では入れ歯に不具合が出たり、口腔ケアのやり方がよくわからないなどのお口の問題もよくあります。

速やかに専門家に相談できるところがあることは非常に心強いのではないかと思います。

初期虫歯って聞いた事がありますか?

テレビ、新聞、雑誌、ネットなどでもここ最近目にするのがこの「初期虫歯」です。

皆さんは初期虫歯ってどんな病気なんだろうって思われているのではないでしょうか?

初期虫歯とはさまざまな見解はあると思いますが、ザックリいえば

「 健康な状態ではないけど、削って詰めるほどでもない 」

という状態だと思っていいのではないかと思います。

それでは自分の歯が「 健康な状態ではないけど、削って詰めるほどでもない 」 だった場合どうしたらいいと思いますか?

1.痛くないから放っておく → 初期虫歯とは健康から虫歯という病気の途中経過の状態です。放っておけば残念ながら虫歯という状態へ進行してしまい痛みが出てきます。

2.痛くなる前に削って詰めてしまう → 削って詰めるほどでもないものを削ってしまうのはもったいない。最小限の治療が歯の寿命を延ばします。

3.それならどうする? → 初期虫歯が削って詰めるところまで進行しないような対応策をとることがいいと思います。

あなたならどの方法を選択しますか?

初期虫歯の対応策は様々な方法があります。そのような方法の最新の情報収集のために定期的にセミナーに参加しています。

予防歯科,景山 

今回は景山正登先生のセミナーを受講してきました。スタッフと数年前に受講した事はありましたが、以前から進歩しているところもあり、新たな知識を身につけることができました。

初期虫歯の対応策としては、これもまたザックリ言えば

1.歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスなどで歯についている汚れをきれいに毎日落としていくこと

2.定期的に歯科医院で初期虫歯のチェックを受け、歯のメンテナンスをしてもらうこと

このふたつが絶対に必要なこととなってきます。

そのほかには個人個人の生活習慣、虫歯になりやすさの虫歯リスク、フッ素などの使用状況などが影響してくるため定期的に歯科医師や歯科衛生士と相談していくことが大切になってきます。

自分の歯の治療映像を動画でみてみたいですか?

11月26・27日はクリニックを臨時休診させていただき、日本顕微鏡歯科学会第8回学術大会へ参加してきました。
顕微鏡歯科とは歯科用顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使うことによって、大きく拡大した状態で治療や診断を行うしか治療です。(顕微鏡歯科についての詳細はこちらをドウゾ
歯科顕微鏡を使うとドクターが治療している視線と同じ視線で動画を録画することができます。そして録画された動画は患者さんご自身も見ることができます。

今回の学術大会のテーマは 「 Get Visual and Open Your Dentistry 」 というものでした。
肉眼では見えない病変でも顕微鏡を使うことによりはっきりと見ることができ、より的確な処置を施すことができます。また、顕微鏡を通して治療している過程をそのままの視点をそのまま動画として保存することができ、患者さんへその動画を提供すれば歯科医療が開かれたものとなり開示された医療ができるようになります。
今回の学会で特別講演をしてくださった医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は 「 自分の口のなかを治療されている動画を見たときは衝撃でした。 」 と言っていました。やはり、それくらい動画の説得力は、言葉や写真などより大きなものなんだと再認識しました。

もうひとつ顕微鏡歯科のメリットとしては、細かいところまでよく見えるため例えば虫歯を削るときも必要最小限のところで削ることができたり、肉眼では見えないところまでよく見えるため今まで残すことができなかった歯も残せるようにできる可能性が高いということです。
自分の歯を残せるということは抜歯を回避できることになります。抜歯を回避できればブリッジや入れ歯、インプラントも回避できることになります。
やっぱり自分の歯でいつまでも咬めるほうが誰しも望むことではないかと思いますが、その望みに少しでも近づけることができるのが顕微鏡歯科なのです。

さまざまな先生の講演や実際に治療をしている動画を閲覧などをして、今までになかった新しい知識や情報をたくさん学んできました。また、顕微鏡治療の専用器具のブースも設置されており、今まで当クリニックになかった新しい治療器具等を購入してきました。
今までよりレベルアップした歯科医療を提供していきたいと思います。

顕微鏡歯科学会、マイクロスコープ

放射線と歯科治療のX線撮影のお話

先日、歯科用CTの研修を受けてきましたが、そのときにタイトルのような話も聞いてきましたので資料をもとに少しまとめてみました。

まず

放射線とは、電磁波や各種粒子線の総称です。病院でレントゲン検査で利用されるX線は電磁波に分類されます。

ベクレル(Bq)とは、放射線をだす性質や能力のことを放射能といいますが、その能力の強さの単位がベクレルです。

シーベルト(Sv)とは、人体に与える放射線の影響の単位です。

例えば2000ベクレル/キログラムのほうれん草を1日50グラム、1ヶ月間食べ続けた場合、人体に与える影響は0.07ミリシーベルトとなります。

7.8ベクレル/リットルのお茶を1日1リットルを1年間のみ続けた場合0.02ミリシーベルトになります。

一人当たりの1年間に浴びる自然放射線は世界平均で2.4ミリシーベルトです。自然放射線とは普通に生活していても自然と浴びる放射線のことで、その内訳は宇宙からが0.4ミリシーベルト、大地からが0.5ミリシーベルト、大気からが1.2ミリシーベルト、食物から0.3ミリシーベルトといわれています。

 

こんな難しい話が続きましたが、これを踏まえて放射線やエックス線(X線)は有害なのかどうかが知りたいところでしょう。

放射線によって人体に影響が出るといえばがんの発生率が増加することが挙げられますが、100ミリシーベルト以下ではがんの過剰発生はみられないそうです。100ミリシーベルト以上被ばくして初めてがんの発生率が上昇します。これは100ミリシーベルト以上被ばくした場合、ガンになりやすくなるとのことで必ずガンになるわけではないということです。

ちなみに、不妊、造血系への影響、眼への影響、脱毛などは100ミリシーベルト以上にさらに大量のシーベルトを被ばくしないとこれらの影響が出てきません。

 

ここで歯科のエックス線検査ではどれくらいの放射線を使用しているかを紹介します。

口の中にフィルムを入れて撮影する口内法は1回で0.01ミリシーベルト

顎全体を撮影するパノラマ撮影は1回で0.03ミリシーベルト

最近普及してきた歯科用CTでは1回で0.1ミリシーベルト

比較の参考例として東京-ニューヨーク間を飛行機で往復すると宇宙からの放射線の影響で0.2ミリシーベルトになるようです。

当クリニックでは口内法とパノラマ撮影を院内で行っておりますが、歯科用CTは患者さんの同意を得て他の医療機関に依頼しています。

放射線は浴びないに越したことはありませんが、エックス線検査によって肉眼では見る事のできない人体の内部を観察することによって、治療を成功に導いてくれるメリットは計り知れません。

人体への影響がないレベルで必要最小限のエックス線検査をこれからも心がけていこうと思いますので、ご理解をお願いいたします。

今まで記載した内容が分かりやすく図になっているポスターを待合室に貼ってありますので、来院された方はよろしかったらご参考にしてみてください。

初期虫歯の新しい診断方法で削らない虫歯が増やせるかも?

虫歯とひと言でいっても、進行具合によって分類されています。一般的なものとしてはCO、C1、C2、C3、C4と分類されています。今まで使われていた分類方法なので非常に使いやすいものなのですが、初期虫歯の診断については少し悩むところもあることは実際の診療でもあるところでした。

初期虫歯とはザックリ言えば予防を徹底して経過観察をしていくか、削って詰め物をするかのギリギリの状態の虫歯のことを言います。歯はできるだけ削らないほうがいいのですが、やはり虫歯が進行してしまった場合は削って詰めたり、歯の神経をとったり、最悪の場合抜歯をしたりなどの処置が必要になってきます。削らずにいたために虫歯が大きく進行してしまうとかえって歯に対するダメージが大きくなってしまいます。このあたりが世界中の歯科医師の大きな悩みとなっていました。

そこで、欧米の虫歯研究グループが初期虫歯の新しい診断方法を考案しました。「ICDAS」という診断基準です。これは初期虫歯を新しい基準の7段階のコード分類にしています。これによって診断することにより削らないですむ虫歯を増やすことができるかもしれません。そんな可能性を秘めた新しい診断方法なのです。

ここで一番重要なことは初期虫歯で削らなくてもいいと診断をしても、そのまま放置していては必ず虫歯は進行していきます。初期虫歯のまま維持していくためには、毎日自宅で行う適切なホームケアをして予防することと、定期的に歯科医院を受診して初期虫歯が進行していないかどうかのチェックの2つは必須となります。自分自身の歯を守るために是非実践して欲しいものです。

このICDASの同じ研修を受けた歯科医師のブログがありますのでご参考に閲覧してみてください。

無料Wi-Fiスポットの「FON」を設置しました。

試験的にですが無料でWi-Fiが使えるFONを院内に設置してみました。

Wi-Fiを使ってインターネットへアクセスすることができます。

利用可能エリアはそれほど広くはないですが、Wi-Fi対応機種をお持ちの方はご利用ください。

むし歯予防先進国でのむし歯予防方法とは?

北欧のスウェーデンは国民のむし歯予防に成功した国のひとつです。どれくらいむし歯予防を成功させたかというと、一人当たり平均15本もあった12歳の子供たちのむし歯を、数十年後には一人当たり平均1本以下まで減らすことに成功しました。ちなみに現在の日本の12歳児では一人平均2~3本のむし歯があります。

12歳児といえば大人の歯(親知らずを除く)が28本全部だいたい生えそろってくる時期になります。昔のスウェーデンは大人の歯28本中平均15本も12歳児にはむし歯がありました。しかし、国をあげてむし歯予防に取り組んだところ一人平均1本以下のむし歯に予防することに成功しました。これだけ虫歯の数を減らせたので、むし歯が1本もない12歳児もたくさんいます。スウェーデンの12歳児の60%以上がむし歯ゼロなのです。これは3人中2人はむし歯がない子供たちということです。

そのためスウェーデンでおこなわれたむし歯の予防方法は世界各国で認められスタンダードとなってきつつあります。そのスウェーデンのなかでむし歯の予防方法発信の中心となった大学のひとつに「イエテボリ大学」というところがあります。(日本の歯科業界内でもかなり有名なスウェーデンの大学です。)そのイエテボリ大学の教授が2名来日して二日間のセミナーを開くとのことだったので、むし歯予防の本場で世界基準となりつつある予防方法を学ぶべくセミナーへ参加してきました。

とは言うものの、スウェーデンやイエテボリ大学のむし歯予防方法は世界的に有名になっているだけあって、その方法は日本でもかなり浸透してきています。大体の方法はすでに知っている内容でした。しかし、本や論文で読んだだけではうまく伝わりきれない細かな方法論や、ここ数年で研究が進みまた違った見解になっているところなどがあり、むし歯予防先進国のむし歯学(正式にはカリオロジーといいます)の教授から直接話を聞くということは今まで以上にむし歯予防方法について深く理解をすることができました。

深く理解できた内容のひとつに 「イエテボリテクニック」 というスウェーデンイエテボリ大学で行われているむし歯予防するための歯磨きのやり方があります。この歯磨きの仕方を直接指導してもらい、詳しいところまで教えていただきました。

ここで、むし歯予防に大切なことを要約して列記してみます。

1.「できる限り歯を削らない」ことであり、そのためには自宅で毎日行うその人に合った適切なホームケアと年間数回行うデンタルクリニックでの定期的なメンテナンスケアが必須になってきます。それによりむし歯の進行を止めることができ、結果的に削ることが回避できるようになります。

2.しかし、それでもむし歯で穴があいてしまった場合はそれ以上にむし歯の穴が大きくならないよう、できるだけ早期に削って詰める必要があります。詰めた後も虫歯が再発しないよう適切なホームケアとメンテナンスが必須です。

3.むし歯予防に年齢は関係ないこと。歯が生えてきた乳児から全部の歯がなくなるまでの人すべてがむし歯予防の対象になります。つまり、自分の歯がある人は全員むし歯予防が必要になります。

主にこのようなことを守ることによってスウェーデン国民のむし歯予防に成功しました。今回、学んできたイエテボリ大学の方法を患者さんへ還元することにより、患者さんのむし歯予防をより強化していきたいと考えています。

また歯周病とむし歯・矯正治療とむし歯・ブリッジやインプラントとむし歯・口臭とむし歯・高齢者とむし歯・全身疾患とむし歯・などの関係についても詳しく話をしていただきました。口のなかのことなので虫歯以外のことも十分考慮していかなければならず改めて幅広い知識と技術、そして日々進歩している歯科医療の情報を常に入手していかなければならないと強く思いました。

今回は東京都町田市にある宇藤歯科医院の宇藤院長、岐阜県岐阜市にあるノアデンタルクリニックの渡辺院長と一緒に参加してきました。この間、セミナー内容についてはもちろん普段の診療などについても意見交換をしていたので、色々なことを学べた有意義な二日間を過ごすことができました。