歯を抜いたり削ったりする嫌なことから開放されるには?

みなさんのイメージの歯科治療は痛みが出たり歯肉が腫れたりしてから、歯を削ったり抜いたりするものではないでしょうか?

歯を抜いたり削ったりすることは誰もがやって欲しくないことだと思います。しかい、むし歯や歯周病が進行してしまうと削ったり抜いたりしなくてはいけないのが現状です。

歯を抜いたり削ったりすることから開放されるためには、むし歯や歯周病の進行を止めて症状が出ないような状態を維持していけばいいのです。

そのような歯の健康を維持して、むし歯や歯周病の進行からお口を守るための勉強会に行ってきました。

日本ヘルスケア歯科学会ステップアップ宇都宮、河野先生、衛生士の井上さん、岡本歯科医院の衛生士さん

宇都宮にて日本ヘルスケア歯科学会主催のセミナーに参加してきました。予防歯科の主役である歯科衛生士さんの発表や参加者が多数いました。

日本ヘルスケア歯科学会の設立趣旨の一部を抜粋すると

「幸いなことに、ヘルスケアの先進国では、従来の修復・補綴に重きを置いた歯科医療から、健康な歯列を守り育て生涯にわたって人々の健康のパートナーとなる歯科医療へと、その転換が始まっている。まず私たちは、これまでに蓄積された多くの研究の成果を臨床的な観点から取捨・統合し、臨床に役立つ情報として整理することから始めたい。歯科疾患を未然に防ぎ、すでに発症した疾患については、原因療法を怠ることなく効果的に治癒させ、また修復においても生物学的な因子に配慮して再発を防止し、生涯にわたって健康な歯列を維持するための歯科医療を実現することは、すでに手の届くところにある。」

ということです。難しくてわかりにくいのでザックリとした言葉にしてみると

「予防歯科の先進国では抜いたり削ったりの歯科医療からむし歯や歯周病を予防して自分の歯をずっと使っていくようになっています。そのような先進国や研究データなどを参考にして、自分の歯を守る予防歯科の医療を患者さんへ提供していきましょう。」

といった感じです。

具体的には以下のことを原則として行っていくことにより、いつまでも自分の歯を使い続けられるようにしていきます。

1.すでになってしまったむし歯や歯周病はしっかりと治療する。
2.正しい知識を覚えて、毎日のホームケアで自分でお手入れできるようになる。
3.定期的に歯科医院でチェックとプロケアを受けて、問題点があれば相談して早期解決しておく。

痛くなってからあわてる前に、日ごろからしっかりとお手入れしておけば自分の歯も長持ちします。

これを裏付けるデータがあります。

痛くなってから歯の治療をしていることを続けていると30年間のうちに平均15本以上歯を抜くことになりましたが、上記のようにメンテナンスを継続していれば30年間で抜くことになった歯は平均1本以下だったそうです。

日本ヘルスケア歯科学会ステップアップ宇都宮

セミナー終了後は懇親会も開催され、そこでもさまざまな情報交換ができました。

朝から夜まで充実した1日でした。

歯の衛生週間は6月4日~10日です

6月4日~10日までの1週間は歯の衛生週間です。

歯の衛生週間とは 「いくつまでも自分の歯を使っていけるよう正しい知識を知って歯の健康を守りましょう」 ということを推進する期間です。

2011年度・歯の衛生週間のポスターです。

難しく言えば、 「厚生労働省・文部科学省・歯科医師会が主催となり、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防処置の徹底を図り、併せてその早期発見、早期治療を励行することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進を寄与することを目的としています」 ということになります。

自分の歯を長く持たせるためには、むし歯や歯周病が進行しない様に予防していくことが大切になります。歯が痛んだり歯肉が腫れたりなどの症状が出る前にむし歯や歯周病の予防を行っておくと良いです。そしてむし歯や歯周病を予防するスタンダードな方法としては、毎日行うホームケアと定期的に歯科医院で行うメンテナンスの両方を行っていくことが大切になってきます。

ホワイトニング院内セミナーを行いました。

本日は午前中の診療を早めに切り上げて、外来講師を招いてホワイトニングの院内勉強会を行いました。

今日の話題はホームホワイトニングです。自宅にいながら行えるホームホワイトニングは自分のペースでホワイトニングできることが特長です。

以前当院でも子育て中の母さんがホームホワイトニングによって白い歯を手に入れて満足していただいた方がいました

その他の方でも30代男性でホームホワイトニングを行ったとろ白い歯を気に入っていただき、その後もホワイトニング薬剤を追加購入して今も白さを維持するような使用方法で使っていただいています。

当院で今までに行ったホワイトニングは年齢層は20~70代、男女どちらも多くの方が行っており、そして満足していただきました。

ホワイトニングの効果は永続的ではないので時々再ホワイトニングを行うことによって白さをキープすることができます。

ホワイトニング剤はもともと歯や歯肉の消毒に使用していた薬剤に、歯を白くする効果があることを偶然発見されたことからはじまったことなので、ホワイトニング剤の使用方法を守って使っていれば害は全くありません。

クリーンでドライなラバーダム防湿法

ラバーダム防湿法というものをご紹介します。

治療をするときにゴムのシートをかけて目的とする歯だけを露出させしまう方法です。

ラバーダム防湿法を行うメリットとしては

・唇や頬、舌を保護するため、歯を削るドリルから守ることができる。

・薬品や消毒薬の漏洩を防止できる。

・唾液の混入を防ぐことができるため感染予防ができる。

・ゴムのシートで水分をブロックして乾燥した状態を作ることができる。

などで、またそのほかにもさまざまなメリットがあり、治療を行う上で必要なときが多々あります。

口を開いたときの写真です。通常この状態でしか治療を行います。by栃木県日光の歯科、沼尾デンタルクリニック 

上の写真がそのまま治療をするとき、下の写真がラバーダム防湿法を行ったときのものです。

ラバーダム防湿を行って、確実な治療を行います。by栃木県日光の歯科、沼尾デンタルクリニック

下の写真はラバーダム防湿を行った歯の部分を拡大して撮影したものです。治療をする1本の歯を隔離することにより、上記のメリットが有効に働き治療効率や予後などにいい効果をもたらします。

ラバーダム防湿をした歯の拡大写真です。唾液の混入や薬剤の漏洩も防止でき視野も確保できます。by栃木県日光の歯科、沼尾デンタルクリニック

歯科用マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)や歯科用ルーペ(歯科用拡大鏡)を使った治療のとき、また歯の神経の部分を治療する根管治療などをするときに多用しています。

facebookにも沼尾デンタルクリニックのページを作りました。

最近、話題になっているfacebookに沼尾デンタルクリニックのページを作成しました。

facebookは実名で登録されているところで、多くの方と交流することができ、有益な情報交換もできます。

先日はfacebookで知り合った京都の歯科医師の方に、東京で開催されるセミナーを紹介していただき参加してきました。とても有意義な時間をすごすことができました。

まだまだ使い初めで不慣れな点はありますが、こちらでも情報発信をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

計画停電による診療時間の変更について

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響による計画停電が行われています。

計画停電の時間帯は毎日変わりますが、それに合わせて当院での診療時間も変更させていただきます。できる限りフレキシブルに対応しながら皆様へ歯科医療を提供していきたいと考えておりますので何卒ご了承いただき、ご協力をお願いいたします。

日光にある当クリニックは第3グループとなっております。東京電力、メディア等の発表をご確認をお願いいたします。

なお、当クリニックは地震の影響もなく、今のところ通常の診療を行うことは可能となっております。

今後もホームページツイッターfacebook等で情報を発信していきたいと考えております。

1人でも多くの方の救出と、被災地の一日も早い復興を心より願っております。

沼尾デンタルクリニック ホームページ  http://www.e-numao.com

沼尾デンタルクリニック ツイッター  http://twitter.com/numaodental

日本顎関節学会の専門医を取得しました

課題となっている講習会の受講や学会での試験をクリアして日本顎関節学会から顎関節症専門医の認定を受け、先日、認定証が手元に届きました。

日本顎関節学会顎関節症専門医に認定されました。

顎関節症は顎の痛みや雑音、口の開きにくさなどの症状が出る疾患で、むし歯・歯周病についで口腔領域では3番目に多い疾患といわれています。

そのような顎関節症で悩んでいる方々へ少しでも治療を通じて貢献できるよう、今回の認定に甘んじることなくこれからも治療技術の向上にがんばっていきたいと思います。

顎関節症の症状とセルフチェックを日本顎関節学会ホームページから引用しました。ご参考にしてみてください。

「あごが痛い」

「口が開かない」

「カクカク音がして痛い」

こんな症状はありませんか?

あなたの顎(がく)関節の自己チェック法(合計点数が8.6以上では顎関節症の危険あり,杉崎正志、他:2007)

  1. 口を大きく開いたとき,人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入りますか?
    (1.すっと入る 2.ほぼ問題ない 3.どちらともいえない 4.やや困難 5.全く入らない)
  2. 口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?
    (1.全くない 2.たまにある 3.どちらともいえない 4.しばしばある 5.いつもある)
  3. 口を大きく開いたとき,まっすぐに開きますか?
    (1.いつもまっすぐ 2.たまに曲がる 3.どちらともいえない 4.しばしば曲がる 5.いつも曲がる)
  4. 干し肉,するめ,タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛みますか?
    (1.痛まない 2.たまに痛む 3.どちらともいえない 4.しばしば痛む 5.いつも痛む)

あるいは設問2の「口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?」に「はい」と回答した方も顎関節症である可能性がありますので,専門医を受診することをお勧めします.

院内でスタッフの勉強会をしました

先日、院内勉強会を行いました。

入れ歯洗浄剤について勉強会をしました。日光の歯科、沼尾デンタルクリニック

今回の勉強会は入れ歯洗浄剤の製品について、メーカーの方に来ていただいてもらいいろいろなお話を聞かさせてもらいました。

今までの製品は市販されているものも含め、酸性かアルカリ性のどちらかであり、それによって入れ歯の汚れや色素を落としていました。

汚れは落ちますがプラスチックにもダメージが出る可能性があるとのことです

今回説明を受けた製品は中性のものを使用しているため入れ歯へのダメージを最小限に抑えることができます。また、新しい汚れを落とす成分によって入れ歯を綺麗にしてくれます。入れ歯が綺麗になることによって、口臭の原因ともなる入れ歯の臭いも減少してくるとのことでした。

数年前から発売されていた入れ歯洗浄剤ですが、年々発売数が増えており、その理由としては使用している方々からの口コミで広がっているそうです。メーカーの方も宣伝不足だったのに売れているのでびっくりしているとのことでした。

毎日使うものですから、できるだけ綺麗な状態で使っていきたいものですね。

2010ヒット商品第6位の「ポケット ドルツ」を検証してみました。

「日経トレンディ」が選ぶ「2010ヒット商品ベスト30」でヒット商品の第6位に選ばれた「ポケットドルツ」を購入して、当院イチオシの音波歯ブラシ「プリニア」と比較検証してみました。下の写真で左がプリニア、右がポケットドルツです。

音波歯ブラシのプリニアとポケットドルツ

どちらも音波振動歯ブラシというものです。

まずはどれくらい振動するのかを確認してみました。ポケットドルツは1分間に16,000回振動するようです。プリニアは1分間に31,000回振動します。プリニアのほうが1分間に約2倍の振動するようです。清掃能力はプリニアのほうがありそうです。

振動するときの振幅はポケットドルツは約0.3mmであるのに対して、プリニアはスーパーソフトモードで0.45mm、ソフトモードで0.7mm、ノーマルモードで1.0mmの3タイプがあります。スーパーソフトモードとソフトモードは歯肉に炎症があって歯ブラシで痛みを感じるときに使用するモードです。プリニアは歯肉の状態で使い分けができそうですが、それ以上に振幅が小さいポケットドルツのほうがより歯肉の痛みが強い方にはいいかもしれませんね。

肝心の歯ブラシのブラシ部分ですがポケットドルツは1種類ですが、プリニアは毛先が細いタイプと丸いタイプのもの、またワンタフトブラシも毛先の細いものと丸いものの4種類が用意されています。プリニアのほうが歯並びや磨きたい部位によって使い分けることができます。

大きさはポケットドルツはキャップをした状態で長さ16cm幅2cm、プリニアは長さ23cm幅は太いところで3cmです。ポケットドルツは携帯する事を前提に作られているのでコンパクトサイズで、しかも軽いです。

音波歯ブラシのプリニアとポケットドルツの毛先を比較してみました

価格帯はポケットドルツが3,000~4,000円程度、プリニアが8,000~9,500円程度のようです。製造元はポケットドルツがパナソニック株式会社、プリニアが松下電工株式会社です。同じ技術でプリニアの簡易版がポケットドルツといった感じでしょうか。

ここまで比較してみてみると、自宅ではプリニアでしっかりと口腔ケア、外出先ではポケットドルツでどこでも簡単に口腔ケアといったような使い分けをしていくことがいいみたいです。

「ランチみがき」というキャッチコピーで発売されたポケットドルツですが、外出していることが多い昼間に音波ブラシを携帯して歯を磨けるという目的を果たすにはいい商品ですね。

歯を失った場合、インプラントで歯を作ることも治療方法のひとつです。

むし歯や歯周病、外傷などで治療をしても重症な場合は歯を失ってしまうことがあります。

歯がなくなってしまったところはそのままだと咬むことができず、残っているほかの歯にも悪影響が出る場合があるため、人工的に歯を作っていきます。

その治療方法としては現在の歯科の技術では主に3種類の方法があります。

1.ブリッジ : なくなった歯の両隣の歯を削って金属またはセラミックで橋を架けるようにして歯を作っていきます。固定性ですが、両隣の歯を削ることやその歯に負担が大きいことなどがブリッジのデメリットです。

2.義歯 : いわゆる入れ歯です。バネでプラスチック製の人工の歯を支えています。ブリッジのように歯を削る必要性が無いか最小限ですむことがメリットですが、咬む力が十分でなく、異物感も大きいのがデメリットです。

3.インプラント : 歯を失ってしまったところに人工の根を埋めてその上に歯を作っていきます。周りの歯を削る必要性も無く、固定性で咬みごたえもいいです。人工の歯根を顎の骨の中に埋め込まないといけません。

当クリニックで治療した患者さんの実例です。

下の写真にあるように向かって左の奥歯が1本失ったまま悩まれていた方です。ブリッジ・義歯・インプラントについてそれぞれ説明をさせてもらい、じっくりと検討をしていただきました。それぞれの治療にメリットデメリットがあるため、それらを考慮して最終的にインプラントで歯を作ることを選択されました。

左の奥歯が1本失ったまま悩まれていた方です。ブリッジ・義歯・インプラントについてじっくりと検討してもらい、インプラントによる治療を行いました。 

インプラントを骨の中に埋入して骨とインプラントがしっかりとくっつくのを待ってから、歯を作っていきました。

まずはインプラントの上に土台を作成しました。今回は白い歯を入れるために土台から白い材質で作成しました。

インプラントの両隣の歯もむし歯があったので同時に治療をすすめました。奥のほうは咬む力が一番強いので金属で作成しました。手前の歯は見えるため白い詰物で歯を作っていきました。

インプラントの上に土台を作成しました。今回は白い歯を入れるために土台から白い材質で作成しました。

土台の上に白い歯を装着したところです。今まで歯がなかったところでも、このように治療を行えばしっかりと咬むことができるようになります。

現在は定期的にメンテナンスを行い、インプラントと自分の歯を長く使っていけるようお手入れを継続しています。

インプラントに白い歯を装着した治療後の写真です。しっかりと噛めるようになりました。今はメンテナンスをして長く使っていけるようお手入れをしています。 

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)