小学生中学生高校生のスポーツマウスガードについて(動画あり)

スポーツマウスガード
この写真のマウスガードは小学生中学生高校生などに使用してもらうように、沼尾デンタルクリニックで実際に作られたマウスガードの写真です。
このマウスガードはすべて選手の口の中に入り、スポーツ負傷事故から口や歯を守ってくれています。

コンタクトスポーツを中心にマウスガードの義務化をしているスポーツが増えてきています。
マウスガードの完全義務化をしているスポーツはボクシング・アイスホッケー・アメリカンフットボール・ラグビーの中学高校世代などのスポーツです。バスケットボールや硬式野球などはマウスガードの使用を推奨しています。そのほかにもサッカー、ラクロス、テコンドー、格闘技などでも使用されています。

スポーツをしていて歯・口・顎を負傷して、実際に来院される患者さんも時々います。負傷したスポーツの詳細はアイスホッケー、バスケットボール・フィールドホッケーなどのプレー中に負傷した方がいました。
その負傷の種類は、「歯が折れる」、「歯がグラグラする」、「歯が抜け落ちる」、「歯が陥没している」、「歯肉が切れる」、「歯肉から血が出ている」、「唇を切った」、「口の中を切った」、「歯を支える骨が折れている」、「顎の骨が折れている」、などがあります。

ある統計では学校管理下においての部活動などでも、年間7万件以上の歯・口・顎の負傷事故が起きているそうです。スポーツには怪我が付き物ですが、やはり安全対策をして守れるものは守ったほうが多くのメリットがあります。歯は折れてしまうと骨のように自然にはくっつきませんので、折れた歯は歯科用の接着剤で付けるかプラスチックなどの代用品で歯を作るか、もしくは抜歯となってしまいます。

歯並びも歯・口・顎の負傷事故に関係があります。例えば出っ歯の人はその出ている歯ところを負傷する可能性が高くなります。また、乱杭歯(前後にデコボコしている歯並びの状態)などでは口腔粘膜や舌を負傷する可能性が高くなります。そのため学年が上がる前に早期に矯正治療を開始して歯並びを良くしておく事も予防のひとつになります。

マウスガードはやシリコン状の弾性のある素材で作られています。作成されたマウスガードと作るための歯形の模型の動画をアップします。

マウスガード使用にはいくつか注意事項がありますので列記しておきます。
・初めて使用するときはまず練習で使用してマウスガードに慣れるようにしておく。
・マウスガードをむやみにガムのように咬んでつぶしてしまわないこと。
・使用後は水でよく洗う。お湯は厳禁。歯ブラシや義歯用ブラシを使って磨いてあげることも清潔に使うためには良い。
・マウスガードの保管は保管用ケースにしまっておき、乾燥状態にしておき、高温にならないよう室温で保管しておく。
・定期的にマウスガードのチェックと歯や顎のチェックをする。成長期のお子さんは数ヶ月で顎が大きくなってしまいマウスガードが合わなくなることがしばしばあります。

このようなことに注意しながらマウスガードで歯・口・顎の負傷事故を予防して、楽しく最高のパフォーマンスができるようお手伝いしていきます。

日光市のこども医療費助成制度が平成24年4月から便利になります。

現在、日光市のこども医療費助成制度では
3歳未満のお子さんは医療機関の窓口で支払いがありません。
3歳以上中学3年生までは医療機関の窓口で支払った分は、あとで市役所へ届け出ると支払った分が返金されます。

しかし平成24年4月からは
中学3年生までのお子さんは医療機関での窓口支払いがありません。

というように変わります。

つまり、
今まで3歳か中学3年生までは医療機関にかかるときはお金を支払いましたが、4月からは支払う必要がなくなります。
同時に、助成を受けるために申請する手間もなくなります。子育てに忙しい皆さんには朗報ですね。

歯科にとって産まれてから中学3年生までの時期は非常に大切です。
・虫歯菌の母子感染のリスク
・乳歯がはえてきたころからはじまるむし歯予防とむし歯治療
・生え変わり時期にチェックが必要な歯ならび
・歯肉炎や歯周炎など歯肉のトラブル
・成長に伴う顎関節の変化
・転んだりスポーツをして顔面に外傷を受ける
このようにいろいろな変化や問題が起こります。

大人になって痛くてツライ思いをしないように、この時期を乗り切れるよう
この「こども医療費助成制度」を上手に使いながらお子さんの成長を見守ってください。

歯とあごを守るスポーツマウスガード

マウスガードとはスポーツによって歯や口の中や顎の怪我を予防したり、怪我によるダメージを軽くする目的で、口の中に装着する柔らかい樹脂でできた装置をいいます。また、脳震盪(のうしんとう)の予防や軽減、運動能力の向上などの効果も期待できます。マウスガードはマウスピースといわれることもあります。

歯の外傷とスポーツマウスガード。スポーツマウスガードの取り扱い注意。

スポーツ外傷で歯がグラグラしたり、歯が折れてしまったり、歯が抜けてしまったときの対処法。マウスガードが義務化されているスポーツ。

  私が所属している栃木県歯科医師会では上記のようなマウスガードのリーフレットを作成してあります。

現在日本国内では下記の競技においてマウスガードの装着が完全義務化または試合や対象年齢など条件付の義務化をされています。

ボクシング・キックボクシング・空手・アメリカンフットボール・ラグビー・アイスホッケー・インラインホッケー・ラクロス

マウスガードの種類には市販のものでお湯などで温めて自分で口の中で合わせるタイプのものと、歯科医院で歯型を取って作るカスタムメイド(オーダーメイド)のマウスガードがあります。カスタムメイドでは色も自由に選べます。下の写真は選べる色の一例です。競技によっては使用禁止となっているマウスガードの色がありますので、使用可能な色の中から作成します。

カスタムメイドマウスガードで使用する材料のカラーバリエーション 

シートの色の種類だけ、オリジナルのマウスガードを作ることができます。

自分の好きな色で作ってみる。チームカラーで統一してみる。などなど色でも楽しんでください。

スポーツマウスガードのカラーバリエーション。紫、ネオンオレンジ、赤、ネオングリーン、ネオンブルー、ブラック、ネオンイエローなどの色があります。このほかにも色があります。

スポーツマウスガードのカラーバリエーション。紫、ネオンオレンジ、赤、ネオングリーン、ネオンブルー、ブラック、ネオンイエローなどの色があります。このほかにも色があります。

カスタムメイドのスポーツマウスガードを動画にとってみました。

作成されたマウスガードをいろいろな方向から撮影していますので、おおよその形態や弾力性なども伝わればと思います。

それでは当院での作成例を紹介します。

まず粘土状の材料で歯型をとって、歯の模型を作成します。

その模型にピッタリと合うようにうえのシートからマウスガードを作成します。

スポーツマウスガードと作成するときの歯型の模型とをあわせてみた写真1です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

 スポーツマウスガードと作成するときの歯型の模型とをあわせてみた写真2です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

スポーツマウスガードと作成するときの歯型の模型とをあわせてみた写真3です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

下の写真は作成したマウスガードの内面です。歯の形がくっきりと浮かび上がっているのが分かりますか?

ここまで歯にピッタリと合うように作れるので、装着したときのフィット感は市販のものには比べ物にならないほどピッタリとします。

激しいスポーツでも口の中でマウスガードがずれるような事はほとんどないと思います。

スポーツマウスガードの内面から見た写真です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

下の写真は斜め前から見た写真です。奥歯より前歯のほうが長くなっています。その理由は・・・

前歯のほうがスポーツをしていてぶつけたり怪我をする確立が高いからです。

また基本的にマウスガードは上顎に装着しますが、下あごより上顎のほうが怪我をする確立が高いためです。

スポーツマウスガードの右斜め前から見た写真です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。スポーツマウスガードの左斜め前から見た写真です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

下顎と噛み締める方向からの写真です。咬んだ感じをチェックして口の中で咬み合わせを微調整していきます。

スポーツマウスガードの咬む面から見た写真です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

材質はシリコン樹脂でできています。弾性があってある程度やわらかく、下の写真のように指でも簡単に曲げることができます。

そのため口の中でのフィット感の向上と、強く噛み締めたときの顎の安定感は抜群です。

スポーツマウスガードの弾力を見る写真1です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

 スポーツマウスガードの弾力を見る写真2です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

 スポーツマウスガードの弾力を見る写真3です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

実際に口の中にいれフィット感や咬み合わせなどをチェックして調整していけば完成です。

スポーツマウスガードを口の中に入れた写真です。栃木県日光市の歯科医院、沼尾デンタルクリニック。

今後は実際にプレーをして気になる点が出れば調整を加えていきます。

よく聞かれる質問です。

マウスガードをすると話ができなくなるのではないかといわれますが、ほとんどの方が言葉の伝わりにくさは感じたことがなくプレー中でもコミュニケーションは問題なく取れるとのことでした。マウスガードを調整しているときにも言葉が聞き取りにくさはほとんどありません。

 

最後にマウスガードの取り扱いの注意事項を書いておきます。(栃木県歯科医師会のリーフレットより)

1.使用時に緩みやがたつきがある場合は製作した歯科医院で調整を受けてください。

2.日常の使用は避け、練習及び試合中だけ使用してください。

3.変形のおそれがあるため、高温になる場所(夏の車の中、冬の暖房の側など)には放置しないでください

4.使用後は必ず水洗(変形のおそれがあるので高温のお湯では洗わない)して清潔に保管してください。

5.長期に使用して、変形、緩み、または穴あきなどが生じたら新しいものと交換してください。(できれば1シーズンごとに作り直すことが望ましい)

 

スポーツでは怪我は避けて通れないものですが、できるだけ怪我を予防することによって練習や試合から遠ざかることなくずっとプレーを続けて欲しいものです。

 

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

外傷を受けて歯が折れたり抜けたりしたときはどうする?

転んだりぶつけたりして、不運にも歯を折ってしまったり歯が抜けてしまったときは非常に驚くと思います。

そんなときにはどうすればいいでしょう?

まずは抜けてしまった歯や折れてしまった歯の一部を見つけてください。

そして見つけたものは汚れていても水で洗ったりしないでください。

できれば牛乳の中にその見つけた歯を入れて、できるだけ早くに歯科医院を受診してください。

牛乳がないときは生理食塩水でも可能です。それもないときはサランラップに包んで持ってきてください。

そんな歯の外傷に対する対応と診断・処置方法について世界外傷歯学会の現会長でもある月星光博先生よりレクチャーを受けてきました。

歯の外傷に対する対応と診断・処置方法について世界外傷歯学会の現会長でもある月星光博先生よりレクチャーを受けてきました。

今までもそのような歯の処置を行ってきましたが、今回は歯や歯の神経を保存する方法をいくつか学んできました。

その中には私は知らなかった処置方法もあり、これからは今まで以上に歯を保存していくことができると思います。

できることなら歯が折れたり抜けたりすることは避けたいものです。

スポーツをするときにはスポーツマウスガードを装着しておけば、歯の外傷はある程度は予防してくれます。

まずは怪我をする前に予防として、自分の歯を守ってみませんか?

スポーツでの障害を予防するためにマウスガードを装着しました

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日光市の休日急患歯科診療の当番です

シルバーウイーク最終日の平成21年9月23日は午前10時から午後4時まで沼尾デンタルクリニックが休日当番医となっています。

・急に歯が痛くなってきた。

・歯肉や頬が腫れてきた。

・銀歯や差し歯が取れてしまった。

・転んで歯が折れてしまった。

・コンタクトスポーツのプレー中にぶつかり歯がずれてしまった。

・観光に来ていたら治療中の歯が痛くなった。

いままで行ってきた休日当番の時にはこのような患者さんが小さなお子様からご高齢の方まで沼尾デンタルクリニックに来院しました。

まずは電話でお問い合わせください。 0288223030

「舌側矯正装置」というものがあるそうですが、どういう装置ですか?

Q 「舌側矯正装置」というものがあるそうですが、どういう装置ですか?舌を傷つけたりしませんか?

A 表側にする装置にくらべて料金が高くなりますが装置が見えないのが利点です。

舌側矯正装置とは、通常は歯の表面に付ける装置を、歯の裏側につける方法です。25年ほど前に日本の先生が世界に先駆けて開発、米国の先生も違う形の舌側矯正装置を考案し世界中に広がりました。とくに日本、韓国、ヨーロッパで広まり、日本の歯科医の多くはトップレベルの技術でたくさんの患者さんの治療をしています。

この装置の一番の利点は見えないこと。矯正をしたいけれど装置に抵抗がある方には福音となりました。モデルさん、タレントさんなど多くの芸能人や有名スポーツ選手もこの方法で治療を受けています。

ただ、違和感が表の装置にくらべて強く、しゃべりにくい、歯みがきしにくいなどの問題点もあります。舌を前に出す癖が改善されやすいという利点があります。

技術的に難しいので誰でも治療できるわけではありませんし、下側矯正装置を得意にしている先生が近くにいない場合もあります。また料金も表の装置に比べ、1.5倍から2倍高くなるのが一般的です。治療期間は歯並びの状態によっては舌側矯正装置の方が早いときもありますが、通常は長くかかるとお考えください。装置にはそれぞれ利点欠点があります。目立ちやすさ、値段、治療期間、お手入れ、治り方など何を一番に優先させるかをよく相談してみましょう。

矯正中にスポーツをするときに気をつけるポイントを教えてください。

Question 矯正中にスポーツをするときに気をつけるポイントを教えてください。

Answer 口元にボールや打撃を受けて矯正装置が壊れないように気をつけてください。

 スポーツ選手にとっても歯ならびは重要です。世界の一流アスリートの多くは矯正治療をして歯並びを治しています。噛み合わせを治すことで、体のバランスがとれるうえ力が入るからです。テニスボールを打つときなど、力を入れるときは知らず知らず奥歯に力が入るもの。この噛み合わせが悪ければ歯に負担がかかり、歯の寿命を短くすることにもなりかねません。

陸上のカール・ルイス、ゴルフのタイガー・ウッズ、テニスの杉山愛、スケートの岡崎朋美などスポーツのジャンルを問わず矯正治療経験者はいっぱいです。矯正経験の有無は分かりませんが、テニスのシャラポワの歯ならびも取ってもきれい!「一流アスリート=歯並びがいい」という公式は世界共通のようです。残念ながら、日本においてはこの公式は当てはまらないようです。いまだ「歯並びの重要性」に気がついてくれないスポーツ関係者にがっかり。日本が「歯並び後進国」と呼ばれるゆえんでしょう。

 さて、矯正中にスポーツをしてもまったく問題ありません。でも、サッカー、バレー、野球などのボールが口元を直撃する可能性があるスポ-ツはご用心、衝撃で装置が壊れたり、まれに口の中が切れたりすることもありますのでマウスガードを装着しておくと怪我の予防には効果があります。ラグビーのように激しいスポーツにはマウスガードを必ず装着するとよいでしょう。

 もっとも注意が必要なスポーツはボクシングなどの格闘技。装置で口の中が切れてしまうのはマウスガードを装着しても避けられないかもしれません。

マウスガードの使用感

マウスガード(マウスピースと呼ばれるときもあります)は通常、コンタクトスポーツを行うときに歯を外傷から守るために使用することがおおいです。
ボクシングの中継のときにゴングがなる前にセコンドの人が口に入れる光景をよく目にすると思います。
冬場になるとラグビーの季節で、選手がアップになると口の中にさまざまな色のマウスガードを装着しているのも見ることがあると思います。
それらのスポーツは激しく殴りあったり、ぶつかり合うために、マウスガード(マウスピース)の装着が義務化されています。
怪我は皆さん避けたいところですし、特に前歯が折れてしまったりすると、見た目が非常に気になってしまうと思います。
そのためアマチュアスポーツでも使用頻度が増えてきており、いままでにさまざまなスポーツ選手にマウスガードを作って装着してきました。
実際に使用した選手に使用感を聞くようにしていますが、大体皆さん問題はないようです。
スポーツ中は必ず声を出す必要性がありますが、その発声が他の人にもしっかりと聞き取れることも確認します。マウスガードを入れたがために何をしゃべっているのか分からない状態になってしまっては、チームスポーツとしては大きなハンデになります。
食いしばった時のあごの安定感も確認します。
マウスガードは弾力性のある素材で作成するため、くいしばったときに沈み込んでかみ合わせの安定感が出ます。
この食いしばった時の安定感を好む選手が結構います。
その安定感が頸部から頭部をしっかりと安定させて、脳震盪(のうしんとう)の予防にも効果があるといわれています。
歯科医院では歯型を取ってその歯形にぴったりと合うマウスガードを作成するために装着感と適合性や機能性は、とても良いとの評価を受けます。まさにオーダーメイドで作り、世界中でもその人にしか合わないたった一つのマウスガードが出来上がるからです。

最近の医療の動向 2007

病気治療の医療から健康づくりの医療へ

国立の研究機関の方の講演に行ってきました。
そこで聞いてきた内容を分かりやすく書いていきたいと思います。
今までの病院のかかりかたは、病気になってから治療をするといった方向性でした。
みなさんも風邪を引いて熱が上がったから病院に行くとか、頭が痛いから病院に行くとか、フラフラするから病院に行くなどと何か症状があってから病院を受診していたと思います。
しかしそれでは、症状が悪化してから治療するので治るまでに費用と時間がかかってしまったり、ひどい場合は病気が進行しすぎていて手遅れな状態になってしまったりと、後手後手の処置になってしまうことが多くあります。
後手に回らないようにするために、病気になってからではなく、健康診断を定期的に行い病気の原因になりそうな因子を早めに治療しておくことが推奨されています。
例えば、
血圧が高いのを放置しておくと、脳卒中や心筋梗塞になってしまうので、そうなる前に血圧をコントロールをしておく、とか
血糖値が高いのを放置しておくと、腎臓や網膜などに障害が出てきてしまうので、そうなる前に血糖をコントロールしておく、とか
血圧や血糖をコントロールすると聞いてピンときましたか?
これはメタボリックシンドロームという名前で盛んにPRされているものです。
「病気を治療することよりも、病気にならない治療を優先する」
といった考え方に基づき、そのようなことになるのです。
もちろんこの考え方は歯科領域にも適応できる話です。

栄養と歯

健康でいるためには栄養を必要かつ十分に取らなければなりません。
(もちろん取りすぎればメタボリックなどの危険にさらされますが・・・・)
しかし歯が悪いと健康を維持するための栄養摂取に大きな影響を与えることは、既にデータとして出されています。
70歳以上の方を対象に、残っている自分の歯と栄養摂取状態の統計を取ったものがあります。
そこでは20本以上自分の歯が残っている人は、魚や野菜の摂取量が有意におおく、バランスよく食事を食べられる結果が出ています。その方たちは栄養状態も非常によい結果も出ました。しかし、その一方、自分の歯が少なくなればなるほど、栄養状態は偏っていくそうです。
最近は食育という言葉もよく聞かれますが、食べることの重要性はここで説明するまでもないと思います。健康に大切な栄養が、歯の残っている数で左右されるという結果となりました。
そしてもうひとつは、同じ70歳以上の方で咬む力を測定した結果があります。そのなかで自分の歯の数が28本ある人(永久歯は親知らずをのぞいた総数は28本です。つまり、永久歯が1本もダメになっていない方です)の咬む力は、若い人とほぼ同じ力がだせるとのデータも立証されました。もちろん咬む力が強ければ食べたいものは何でも食べられますので栄養も偏らなくなります(食べすぎには注意ですが・・・・)。
自分の歯がなくなってしまい、部分入れ歯や総入れ歯などで28本に歯の数を回復した方の場合では、咬む力はそこまで回復することはありませんでした。自分の歯には及ばないということがここでも立証されています。

運動と歯

体を動かすことも健康には大切です。そして、体が動かなくなれば健康に影響が出てきます。
そこで体を動かすことと、歯の関係について実験したデータがあるので紹介いたします。
バランス感覚をみる「片足立ち」で何秒立っていられるかという試験を行ったところ、自分の歯の数が多い人ほど長時間たっていることができたそうです。さらに、物を咬み砕く力が高い人ほど長く立っていられたそうです。
バランス感覚が鈍れば、高いパフォーマンスが出来なくなるばかりか、体勢を崩して転倒などによる怪我の可能性も高くなります。これはトップアスリートはもちろん一般の方でも起こっては欲しくないことだと思います。
同様にジャンプ力についても試験をした結果、歯の数とジャンプ力にははっきりとした傾向は出なかったそうですが、物を噛み砕く力が高い人のほうがジャンプ力の成績はよかったとの結果も出ています。
握力については、歯の数も物を噛み砕く力についても、明らかな傾向は今回の実験ではなかったそうです。
数年前のことになってしまいますが、マウスピースについてのデータもあります。通常マウスピース(マウスガードといわれています)は、コンタクトスポーツにおける口腔内の怪我防止のために装着します。
パワー系の筋肉では、マウスピースを入れたほうがパワーアップするというデータがありました。例えばウエイトリフティングなどゆっくりと力をかけることに関しては有効であるとの結果が実験で得られたそうです。しかし瞬発系の筋肉に対しては明らかな違いはなかったとのことです。スピードアップに有効とは実験的にはいえなかったそうです。
しかし、このマウスピースに関するものは数年前にデータなので、最新の研究ではどのようなデータが得られているかは、。。。。。すみません、勉強不足でまだ私は把握していません。最新データが分かったらここで書き込みをしたいと思います。
余談ですが、部分入れ歯が必要なほど自分の歯がなくなっても、マウスガードの作成は可能です。全部歯がある方も、何本か歯がなくなってしまった方も、スポーツ事故でこれ以上歯をなくさないようにするために、是非コンタクトスポーツを行うときには、歯科医院で自分の口にぴったり合ったマウスガードの作成と装着をお勧めいたします。既成のものと比べると装着感は断然違うので、いいパフォーマンスが出来ると思います。

休養と歯

先日の講演でお話をしてくださった、 国立の研究機関の方の最新の動向についてできるだけ分かりやすく書き込みをしています。今回はその第4弾です。
体を休めることは健康を維持するために必要なことです。特に毎日のことである睡眠が重要になってきます。
そこで睡眠と歯の関係について研究を進めているそうですが、なかなか難しいそうです。
まず睡眠のデータを取るためには、寝ているときのデータが欲しいので、その実験に参加してくれる方は1泊していただける方でないといけません。そして実験をするほうは深夜の仕事になります。そうやってコツコツとデータを集めるのですが、傾向が分かるほどの数がまだ集まらないそうです。そのためにはっきりとした結果がまだでていないのが現状だそうです。
これについてはもうしばらくお待ちください。それにしても研究者って大変です。頭が下がります。こうやってコツコツと積み上げていった優秀な研究者のデータを、現場の私たちが患者さんに対して有効に使わせていただけることはとてもありがたく思っています。

こころの健康と歯

こころの健康とは、いきいきと自分らしく生きるための重要な条件で、「生活の質」に大きく影響するものです。
こころの健康には、個人の資質や能力の他に、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、多くの要因が影響し、なかでも、身体の状態とこころは相互に強く関係しているといわれています。
こころの健康と歯については、あるアンケートによる結果があります。その結果には
・歯並びが悪かったり、歯の色が気になって、人の前で笑うことが出来ない 。
・口臭が気になって、他人と話すことが出来ない。
・歯の痛みや入れ歯などのために、食事が思うようにできず、ほかの人と食事ができない。
・顎の痛みがあり、うたを歌ったり食事が思うようにできない。
などの悩みが多くあり、それがストレスとなってこころの健康によくないとのことです。
上のアンケート結果でも分かるように、口の悩みは日常生活に密着していることが多く、ストレスとしてもかなり大きく負担となるようです。
海外で行われた別のアンケートでは次のような結果がでています。
人生のイベントでどれだけ苦痛があるかを点数化してもらうアンケートです。
その中でもっとも苦痛が大きいと点数が高かったものは「肉親の死」です。
「義歯を入れるようになる」ということも高得点だったそうです。やはり入れ歯は相当なストレスを感じるということであり、「義歯を入れるようになる」ことより「勃起不全になる」(このアンケート項目が海外らしいですが・・・)というイベントのほうが点数が低かったそうです。
果たしてあなたはどちらのほうがショッキングな出来事ですか?(男性限定の質問ですね)

たばこと歯

たばこに関しては現在、禁煙運動も盛んですね。確かに肉体的には悪いことばかりです。
たばこは、肺がんをはじめとして喉頭がん、口腔・咽頭がん、食道がん、胃がん、膀胱がん、腎盂・尿管がん、膵がんなど多くのがんや、虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周疾患など多くの疾患、低出生体重児や流・早産など妊娠に関連した異常の危険因子であります。
恐ろしい病気がずらずらと並んできます。その中に歯周疾患も含まれています。
確かにたばこを吸っていると歯肉の健康を保つことは難しくなり、歯周病が悪化していくリスクがぐんと上がります
愛煙家の方も「散々吸っているのだからいまさらやめても・・・」と思っている方も多いかもしれませんが、禁煙に成功すれば、喫煙を継続した場合に比べて、上に書いてある疾患の危険性は減少するとの報告があります。
さらに、たばこによる疾病や死亡のために、1993年には年間1兆2000億円(国民医療費の5%)が超過医療費としてかかっていることが試算されており、社会全体では少なくとも4兆円以上の損失があるとされているとのデータもあります。
私も昔はたばこを吸っていたので、愛煙家の気持ちはよく分かりますが、残念ながら愛煙家に対しては厳しいデータしかないのが現状です。

アルコールと歯

アルコールも皆さんの生活の中にいろんな形で密接に関係していることと思います。最近は飲酒運転による事故でいろいろ問題となっていますが・・・・・・
アルコールを飲むことによってその慢性影響による肝疾患、脳卒中、癌などの臓器障害があります。
口腔内に関しては大量にアルコールを摂取していると歯周病のリスクが2倍になるとの報告があるそうです。
よく勘違いしている方もいますが、「お酒でアルコール消毒してバイ菌をやっつける」ことは決してできません。お酒を飲んで、つまみを食べて、歯に汚れをたっぷりつけて、酔ったまま寝てしまうことは、やっぱり歯周病にも虫歯にもなってしまいます。
できることなら、そういうときも歯を磨いてもらったほうがいいです。酔ったときに歯を磨くことが難しいことは重々承知ですが・・・・・・

口の中にもピロリ菌

ピロリ菌はヘリコバクターピロリと呼ばれる、人間の胃の中に住んでいる細菌です。この細菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になっていることが最近の研究で分かってきています。そのため潰瘍を再発する方に対してピロリ菌をやっつける除菌療法も行われるようになっているそうです。
胃の中にいるピロリ菌ですが、実は口の中にも存在しているそうなんです。
歯垢(デンタルプラーク)と 呼ばれている歯の汚れの中に、34.1%の割合でピロリ菌が存在するとの研究データがありました。
またピロリ菌をなくす除菌療法を行うと、90%の方の胃の中からピロリ菌がなくなるそうですが、口の中のプラークの中には除菌療法を行っても60%が生き残っているそうです。
プラークとは細菌が出したネバネバするものと、その中に含まれる大量の細菌とで出来ています。分かりやすく言えば細菌のすみかです。
細菌はそのプラークの中で増殖をしてさらにすみかを大きくしていきます。細菌にとってプラークは居心地がとてもいい場所になるのです。その中には虫歯のバイ菌や歯周病菌などが大量にあります。
ピロリ菌もその細菌がすみやすい環境に守られて、除菌療法を行っても生き残ってしまうようです。
細菌が大量発生するプラークをしっかりと取り除くことが出来れば、虫歯や歯周病の予防歯もちろんのこと、そのほかに胃潰瘍の予防にもなるのかもしれませんね。