歯に痛みがなくとも、自分の歯が抜けて無くなっていくときもあります

「特に口の中に痛みなど異常を感じないから、自分は問題はない」
「毎日歯磨きをがんばっているから、歯医者に行かなくても自分は大丈夫」
と、思っている方はいらっしゃいますか?

先日受講したセミナーの時に、配布された資料の中にあったものが下のグラフです。これは日本臨床歯周病学会からの資料で「定期検診に関するグラフ」です。
このグラフの横軸は年齢を表しています。そして、縦軸の「残存歯数」とは自分の口の中に何本の歯が残っているかを表しています。永久歯は全部で32本(親知らずを含む)ありますので20才の時は皆さん全部の歯が残っているため32本からグラフが始まります。
そこから30才、40才、50才、60才と年齢を重ねていったときに残存歯数(口の中に残っている歯の本数)がどのように変化をしていくのかを表しています。

「定期検診を受けている」 人は青色の線。つまり、症状がなくても定期的に歯科医院を受診して歯周病のチェックとクリーニングを受けている人です。
「ブラッシング指導(歯ブラシのやり方の指導)を受けたが、必要な時(何か問題があった時)だけ受診する」 人は黄色の線。これは毎日歯ブラシをがんばっており、何か症状があった時に歯科医院へ行く方です。
「問題がある時だけ受診する」 人は赤色の線。これはその通り何か症状など問題があった時に歯科医院へ行く方です。

定期検診と問題がある時の受診

50才の時を見てください。
青の人は28本、黄色の人は25本とある程度の歯が残っているのに対して、赤の人は18本と一気に歯が無くなっています。
32本あった歯が18本まで減ってしまったといえば14本抜け落ちたことになります。14本も歯が抜けた状態とはイメージがわきにくいので、その様態を具体的な例を挙げてみます。
糸切り歯(犬歯)と糸切り歯の間は前歯を含め犬歯まで6本歯があります。上下で12本あります。つまり赤の人は50歳前に上下の犬歯の間の前歯12本がすべて無くなってしまい、さらに奥歯2本無くなれば、全部で14本の歯の本数がなくなったことになります。

次に70歳の時を見てください。
青の人は27本ほど残っています。上下左右4本ある親知らずは生えてこない人や抜いてしまう人もいるので、実質的には28本の歯で食事をしたり話をしたりしています。つまり、ほとんどの歯が残っているという状態です。
黄色の人は50才の頃は青の人と同じくらいだったのですが、70才では残っている歯が12本と一気に本数が減っていきます。残っている歯が12本ということは半分以上歯が無くなっています。例えば上あごの歯が全部抜け落ちてしまい総入れ歯を入れないといけない様な状態になると、残りの歯が12本くらいになった時と同じ状態になります。

 

さて、あなたは上のグラフの青・黄・赤のどの色を選びますか?

 

ここで青色の人はどうして年齢がを重ねても歯を失わずいつまでも自分の歯でかめるのでしょうか?
これには理由があります。下のグラフを見てください。
成人の80~90%の人に歯周病があるといわれています。歯周病は重症にならないと症状が出てきません。(つまり大人の10人中8,9人には、症状が出にくい病気の歯周病があります。あなたは歯周病でない自信がありますか?)
上のグラフで青い人に当たる定期検診を受けている人は、下のグラフで緑色の線のものです。まず最初に歯周病治療をして健康な状態になることが必要です。
しかし、歯周病治療をして歯肉の健康を手に入れたとしても、毎日の歯ブラシやフロスだけでは歯周病を制御することは難しく、定期検診を行わないと下のグラフの赤線のように、また歯周病の状態になっていきます。そのため定期健診を受けてクリーニングを行うことによって、また健康な状態に戻ります。このため定期健診を受け続けてクリーニングを継続することによって健康な状態を維持していきます。この結果、定期健診を繰り返すことによって上のグラフの青の人のように80才になっても自分の歯がずっと残っています。

定期健診とクリーニングと歯周病

定期検診とクリーニングを受けていつまでも自分の歯で食事をしていくのと
何か症状があった時だけ歯科医院へ受診して、入れ歯で食事をするようになるのと
あなたはどちらを選びますか?

音波歯ブラシについて

沼尾デンタルクリニック勉強会

音波歯ブラシの最大のメリットは普通のハブラシや電動歯ブラシよりスピーディに汚れを落とすことができることです。さらに、歯と歯の隙間や細かい溝の部分の汚れも簡単に落とすことができます。普通のハブラシでも細かいところの汚れは落とすことはできますが、そのためには細やかに歯ブラシを動かさないと落とすことができません。この細やかな動きを音波歯ブラシはやってくれるので磨くほうは非常に楽に汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシだとあとは汚れているところに毛先を当てることだけを考えていれば簡単に汚れが落ちていきます。歯の裏側や奥歯や上顎など磨きにくい場所でも、ちゃんと汚れているところに毛先が当てられるようには当院スタッフが丁寧に説明させてもらうとみなさん上手にしかも簡単に歯の汚れを落とすことができるようになります。

今回の音波歯ブラシには「ノーマル」「ソフト」「スーパーソフト」の3段階の強さが設定できます。初めて使う場合や、歯肉が痛む場合などはスーパーソフトモードで行えば痛みなく使用することができます。慣れてきたらソフトモード、ノーマルモードとパワーをあげていけば、よりスピーディに汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシをオススメな方は

・毎日が忙しい方で効率的に歯垢(歯の汚れ、プラークとも言います)を除去したい方。

・面倒くさがりの方

・もっと口の中をキレイにしたい方

・ツルツル感・さっぱり感をもっと実感したい方

・歯周病で届きにくい場所に集中的に歯ブラシを当てたい方

・ブリッジやインプラントなどがはいっており、ホームケアを十分に行いたい方

・歯並びが凸凹している方

・矯正治療中で装置が口の中にある方

・子供の仕上げ磨き

・高齢者や手が不自由な方

これらが思い当たる方はぜひ体感してみてください。