自分の歯の治療映像を動画でみてみたいですか?

11月26・27日はクリニックを臨時休診させていただき、日本顕微鏡歯科学会第8回学術大会へ参加してきました。
顕微鏡歯科とは歯科用顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使うことによって、大きく拡大した状態で治療や診断を行うしか治療です。(顕微鏡歯科についての詳細はこちらをドウゾ
歯科顕微鏡を使うとドクターが治療している視線と同じ視線で動画を録画することができます。そして録画された動画は患者さんご自身も見ることができます。

今回の学術大会のテーマは 「 Get Visual and Open Your Dentistry 」 というものでした。
肉眼では見えない病変でも顕微鏡を使うことによりはっきりと見ることができ、より的確な処置を施すことができます。また、顕微鏡を通して治療している過程をそのままの視点をそのまま動画として保存することができ、患者さんへその動画を提供すれば歯科医療が開かれたものとなり開示された医療ができるようになります。
今回の学会で特別講演をしてくださった医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は 「 自分の口のなかを治療されている動画を見たときは衝撃でした。 」 と言っていました。やはり、それくらい動画の説得力は、言葉や写真などより大きなものなんだと再認識しました。

もうひとつ顕微鏡歯科のメリットとしては、細かいところまでよく見えるため例えば虫歯を削るときも必要最小限のところで削ることができたり、肉眼では見えないところまでよく見えるため今まで残すことができなかった歯も残せるようにできる可能性が高いということです。
自分の歯を残せるということは抜歯を回避できることになります。抜歯を回避できればブリッジや入れ歯、インプラントも回避できることになります。
やっぱり自分の歯でいつまでも咬めるほうが誰しも望むことではないかと思いますが、その望みに少しでも近づけることができるのが顕微鏡歯科なのです。

さまざまな先生の講演や実際に治療をしている動画を閲覧などをして、今までになかった新しい知識や情報をたくさん学んできました。また、顕微鏡治療の専用器具のブースも設置されており、今まで当クリニックになかった新しい治療器具等を購入してきました。
今までよりレベルアップした歯科医療を提供していきたいと思います。

顕微鏡歯科学会、マイクロスコープ

虫歯が大きくなっても歯を抜かずに残す治療

経験された方も多いかと思いますが、むし歯が歯の神経まで進行するととてつもない激痛が起こります。(できることならその前に治療してしまえばこのような痛みは回避できるのですが・・・・)

また、神経が死んでしまっても歯の奥深くに虫歯のばい菌が進行してしまい、根っこの奥のほうで膿をもってしまうこともあります。

むし歯がどんどん進行してしまうと痛みや腫れを繰り返したりして、抜歯するような場合も少なくはありません。

そのようなときに歯を抜かずに何とか治療をして使えるようにする治療方法があります。その治療方法は歯内療法といい、その字のとおり歯の内部を治療する方法です。

歯の内部には神経が通っていた小さな管がありますが、その太さは数十~百ミクロン程度の太さしかありません。その細かいところの治療するときに最近使われ始めているのが顕微鏡です。理由単純で「細かいところまで良く見える」からです。

その新しい機械である顕微鏡(マイクロとも言われます)の使用について実習のセミナーを受講してきました。

歯科用顕微鏡がずらりと並ぶ実習室です。

歯科用の顕微鏡がずらりと並ぶ実習室で二日間朝から晩までカンズメで実習を行ってきました。机の上においてあるお茶のペットボトルの本数がそれを物語っていると思います。この写真は二日目の朝、1時間早めに行って練習をしようとしたら、すでに先着がいました。受講生全員やる気はものすごかったです。

歯科用顕微鏡、外科手術で使用するものと同じつくりです

これが歯科用の顕微鏡です。脳外科など医科の手術でよく使われていることはテレビなどで見ることがあると思いますが、基本的にはそういったものと同じ仕様だそうです。倍率は約3~20倍まで調整できます。通常私は4.5倍の拡大鏡(ルーペ)を使用していますが、見え方はその比ではありませんでした。表現は適切かどうか分かりませんがパチンコの玉がバレーボールくらいの大きさに見える感じです。それくらいあの小さな歯が大きく見えます。

それだけ拡大して行う治療なので細かいところまで丁寧にできるため治療の精度を上げることはできますが、そのぶん治療時間もかかります。もちろん歯科用顕微鏡を使うだけでは治療成績はよくなりません。そのほかにも今回の二日間のセミナーでも、歯の根っこの治療を成功させるための手技や知識がたくさん学べました。そのようなところから治療方法を改善して、1本でも多くの歯を抜かずに残していけるよう治療の精度を上げて行きたいと思います。

それにしても歯科用顕微鏡はいずれ当院にも導入していきたい最新機器であることは間違いないと思います。