食後の歯磨きはいつすればいいの?

食後の歯磨きをするタイミングについていろいろな情報がありますが、それについて日本小児歯科学会から提言が発表されています。

日本小児歯科学会からの提言 (食後の歯磨きについて)

手短に言えば

すばやく歯垢(プラーク)を口の中から取り除きましょう

ということになります。

歯垢(プラーク)とは細菌の塊です。
そのような最近の塊がいつまでも口の中にあると問題を起こすので早めに取り除きましょうということです。

ただ、それがなかなか難しい。本当に取り除けたのかがよくわからないと思います。
そんな時には歯垢(プラーク)を赤く染める液があります。
それを使ってプラークを赤く染めて良く見えるようにして、その赤く染まったプラークを歯ブラシやフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどを使って赤い部分が無くなるまで行えば、歯垢(プラーク)が無くなったことになります。
それでも口の中はよく見えにくいため、歯科医師や歯科衛生士に相談をするとアドバイスをもらい、より歯垢(プラーク)が取り除けるようになると思います。

歯周病の勉強会に行ってきました。

平成21年6月、土曜日を臨時休診にさせていただき、土曜日曜の二日間カンズメになって歯周病の勉強会に参加してきました。

コレは1年間通じてのコースでその第2回目に当たるのが今回の勉強会でした。

今回の勉強会は歯周病治療の基本的な部分を過去に発表された論文を中心に検証していくものでした。

何十年も前から研究されてきた歯周病ですが、先人たちの研究の成果が論文という形で現在へ伝えられています。それらをひも解いていくと1本でも多くの歯を抜かずに救える可能性が広がっていきます。

その中で1つ印象的だった論文を紹介します。

歯周病治療では歯の回りについている歯石や歯垢(プラーク)が原因であるためきれいに掃除していくことが初期治療として大切になります。そうすれば歯周ポケットの中の細菌が減少して、歯肉の状態が回復していきます。

しかし、治療後に歯ブラシなどでうまく掃除できなかった場合、歯垢や歯石がまたつきはじめてしまいます。そうなると治療によって減少した細菌の数がたった4週間で治療前に数まで増殖してしまいます。

つまり、がんばって治療を行ってもうまく歯磨きができないとたった4週間でもとの歯周病の状態に戻ってしまいます。もちろんそれ以降はさらに歯周病が進行してしまいます。

病院で治療を行うことも大切ですが、毎日歯ブラシをして歯垢をきれいにとっていくことはとても重要なことということですね。歯ブラシのほかにフロス (糸ようじ)や歯間ブラシなどを使って掃除することを「ホームケア」といいますが、歯周病を治すためには病院での治療とホームケアの両方がとても大切ということです。

音波歯ブラシについて

沼尾デンタルクリニック勉強会

音波歯ブラシの最大のメリットは普通のハブラシや電動歯ブラシよりスピーディに汚れを落とすことができることです。さらに、歯と歯の隙間や細かい溝の部分の汚れも簡単に落とすことができます。普通のハブラシでも細かいところの汚れは落とすことはできますが、そのためには細やかに歯ブラシを動かさないと落とすことができません。この細やかな動きを音波歯ブラシはやってくれるので磨くほうは非常に楽に汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシだとあとは汚れているところに毛先を当てることだけを考えていれば簡単に汚れが落ちていきます。歯の裏側や奥歯や上顎など磨きにくい場所でも、ちゃんと汚れているところに毛先が当てられるようには当院スタッフが丁寧に説明させてもらうとみなさん上手にしかも簡単に歯の汚れを落とすことができるようになります。

今回の音波歯ブラシには「ノーマル」「ソフト」「スーパーソフト」の3段階の強さが設定できます。初めて使う場合や、歯肉が痛む場合などはスーパーソフトモードで行えば痛みなく使用することができます。慣れてきたらソフトモード、ノーマルモードとパワーをあげていけば、よりスピーディに汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシをオススメな方は

・毎日が忙しい方で効率的に歯垢(歯の汚れ、プラークとも言います)を除去したい方。

・面倒くさがりの方

・もっと口の中をキレイにしたい方

・ツルツル感・さっぱり感をもっと実感したい方

・歯周病で届きにくい場所に集中的に歯ブラシを当てたい方

・ブリッジやインプラントなどがはいっており、ホームケアを十分に行いたい方

・歯並びが凸凹している方

・矯正治療中で装置が口の中にある方

・子供の仕上げ磨き

・高齢者や手が不自由な方

これらが思い当たる方はぜひ体感してみてください。

たばこ(喫煙)と歯周病の関係は?

Question 喫煙が歯周病を悪化させると聞きましたが、禁煙すれば歯周病は治りますか?

Answer  それだけでは治りません。禁煙に加え、プラークや歯石を完全に取り除くことが大切です。

 喫煙と歯周病との関係は密接で、喫煙者は①歯周病にかかりやすく、②悪くなりやすく、③治りにくいことがわかっています。特に1日の喫煙本数や喫煙を続けてきた年数が多くなるほど、その傾向が高まります。

 タバコの煙のなかには約4000種類の化学物質が含まれ、そのうち約2000種類が有害物質で、さらにそのなかのニコチン、タール、一酸化炭素が3大有害物質です。

 タバコを吸うと、煙が口のなかに入り込みますので、これらの物質が、歯の周りで歯を支えている歯ぐき(歯肉)、骨(歯槽骨)、歯根膜などに悪影響を与えるのです。そのなかで一番大きなものは、体をまもる免疫の仕組みがきちんと働くのを妨害することです。そのために、歯周病の原因となるプラークのなかの病原菌の感染を許していしまいます。そしてこの病原菌は歯周病を発症させ、歯の周りの組織を破壊するのです。また歯ぐきの毛細血管が必要以上に収縮して血行を悪くしたり、歯のまわりの細胞たちの動きを悪くして、治療後の傷の治りを遅くしたりします。

 そのため、歯周病予防や、歯科医師による治療が円滑に進むのを助けるためには「禁煙」が必要です。では、禁煙すれば歯周病が治るのかというとそうではなく、それはあくまで、歯の周りの組織にとって不利な条件のひとつを取り除いたのに過ぎません。治ることはないのです。きちんと治すためには、禁煙に加えて歯周病の直接的な原因のプラークや、それが固まった歯石を完全に歯の表面から取り除かなければなりません。

入れ歯の清掃には何かコツがありますか?

Question  入れ歯の清掃には何かコツがありますか?入れ歯用ブラシや歯みがき剤の使い方を教えてください。

Answer 通常、歯磨剤(はみがきこ)は入れ歯のレジン(プラスチック部分)をすり減らす恐れがあるため、清掃時には控えてください。

入れ歯用のブラシには数多くのタイプがあります。上顎の入れ歯のような凸凹が少なく比較的平坦な部位はどのようなブラシでも汚れは容易に取れます。

逆に下顎の部分入れ歯の留め金(クラスプ)付近の狭小で汚れが溜まりやすい部位などの清掃には注意が必要です。

入れ歯も1つの「食器」と考えてください。たとえば、朝食に使用したご飯茶碗に米粒がこびりついた状態で再度夕食に使用するでしょうか?必ず食器は洗って乾燥させてから次の食事に用いるでしょう。汚れたお茶碗にご飯をよそうことは決してないと思います。入れ歯の手入れも同様です。

入れ歯の汚れには、①食事直後の食べかす、②入れ歯表面に粘着しているネバネバ汚れ(デンチャープラーク)そして③長期の清掃不備による固くて灰白色の歯石のような汚れなどがあります。①②の汚れは比較的容易に除去できますが、③の汚れの除去には歯科医師の判断が必要です。決して自分でカッターなどを使用しないようにしてください。

そこで日常的な注意点ですが、入れ歯清掃時には、洗面所のシンクに水を溜めておけば、万が一、手を滑らせてもポチャンと水面に軟着陸して破損の恐れがなくなります。

ブラシでの清掃時には歯みがき剤などは決して使用しないでください。通常、歯磨き剤に含まれている研磨剤が入れ歯のプラスティック(レジン)をすり減らしてしまう恐れがあるからです。入れ歯専用の清掃剤でよいと思います。

歯周ポケットの奥深くの歯石を取るには外科手術は、どのような方法ですか?

Question  歯周ポケットの奥深くにたまった歯石を取るにはフラップ手術という外科手術はどのような方法ですか?保険でできますか?

Answer 歯の周りの歯ぐきを麻酔してメスで切り開き、歯石を取り除いた後、元通りに縫い合わせます。

歯周病を引き起こす病原菌の集合体であるプラーク(歯垢)が石のように硬くなったものを歯石と呼びます。プラークと歯石は歯ぐきの下に入り込み歯の表面にこびりつき、そこで炎症を起こし、歯の周りの歯ぐきや骨を破壊します。その結果できのが歯周ポケットで、これは歯周病が進むと深くなります。

歯石を取る治療のスケーリングは、ポケットの中に器具を差し込み、手探りで歯の表面の歯石を掻き取り、ポケットの中をきれいにします。しかしポケットが深いところでは、器具がうまい具合に歯石に届かなかったり、届いても正確な操作ができなかったりします。

そこでフラップ手術です。手術を行う歯の周りの歯ぐきを麻酔して、メスで歯ぐきを切り開きます。これにより、歯科医師は歯石のついている場所、範囲、量などを肉眼で確かめることができます。こうなればしめたもの。器具を確実に使って歯石をきれいに取り除いていきます。またデコボコしている歯の表面を滑沢な状態に仕上げます。その後、切り開いた歯ぐきはできるだけもとの位置に戻し、しっかりと縫い合わせます。最後に包帯をつけることもあります。

処置の時間は、歯の本数や状態にもよりますが、数本で1時間から2時間ぐらいです。細かい操作をするので時間がかかります。抜糸は、1~2週間後。もう歯周ポケットはなくなっています。その後再発しないよう、歯ぐきを歯みがきでしっかり管理します。

部分入れ歯と残っている歯のむし歯予防法は?

Q 部分入れ歯の留め金(クラスプ)と接する歯の色が変わってきたような気がします。虫歯でしょうか?

A 部分入れ歯の留め金はむし歯菌が付着しやすく、接する歯がむし歯になることはよくあります。

部分入れ歯の留め金(クラスプ)は維持力を発揮させるために複雑な形状をしており、接する歯(鈎歯)にもクラスプが安定して適合するように小さな溝などが削られたりしています。このため、食後よく洗浄しないで部分入れ歯を装着したままにしておきますと、むし歯菌がクラスプや鉤歯に定着し、食べ物の残りカスを栄養源としてプラークを形成し、酸を出して鉤歯の一部にむし歯を生じることがよくあります。そのためにクラスプに接する鉤歯が着色してきたものと考えられます。

またクラスプが接する鉤歯には噛むたびに大きな咬合力がかかるため、過剰負担となって歯周病が進行する危険もあります。このような場合、歯周病菌も鉤歯のまわりの歯周ポケットという歯肉の溝にたまりやすくなり、歯肉が腫れたり鉤歯が揺れだしたりします。

このようなクラスプに伴うむし歯や歯周病を放置すると、最悪抜歯しなければならなくなり、部分入れ歯に人工歯を追加したり新調する必要がでてきます。

鉤歯のむし歯を予防するためには、まず部分入れ歯を清潔に持つことが必要です。できれば毎食後、部部入れ歯をよくブラッシングし、一週間に一度は義歯洗浄剤に浸しておくことが大切です。部分入れ歯専用の洗浄剤も市販されています。また、鉤歯をよくブラッシングすることも重要です。フッ素入りの歯みがき材でブラッシングするとむし歯の発生が抑えられることもわかっていますので、使用をおすすめします。

PMTCとはどのような処置ですか?また、その効果は?

Question PMTCをすすめれましたが、あまりすると歯ぐきに悪いと聞きました。実際のところはどうなのでしょうか?

Answer 適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いどころかどんどん健康になっていきます。

PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士の専門家による機械的紙面清掃のことをいいます。歯ブラシでは落としきれないプラーク(バイオフィルム)を、いろいろな機械・器具を使って徹底的に落として、きれいな歯面に仕上げていきます。

 このプラークは細菌の塊ですから、長期間そのままにしておくと、口臭はもちろん、むし歯や歯周病の原因にもなります。ですから、定期的に歯科医院でPMTCを行うことは、予防や健康な口腔の維持という点から大きな効果をもたらします。

 では、PMTCはどのくらいの間隔で行えばよいのでしょうか。一人ひとりの口のなかの環境が異なっているので個人差がありますが、通常4~6ヵ月に一度、症状によっては1~3ヶ月に一度の間隔で行うのが標準です。

 ご質問についてですが、適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いということはありません。ここでいう、〝適切なPMTC〟とは、歯や歯ぐきにダメージを与えずに、隅々まできれいに仕上げることをいいます。術者のテクニックが問われるところですが、適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いどころか、どんどん健康になっていきます。

 自分自身で毎日行うブラッシング(セルフケア)に加えて、定期的なPMTC(プロフェッショナルケア)を組み合わせることが、自分のお口の健康、そして全身の健康を維持することにつながります。まずは歯科医院に行って診てもらい、自分に必要なPMTCの方法や間隔を決めてもらいましょう。

喫煙で歯周病を悪化させると聞きましたが、どんな影響があるのですか?

Question 夫が喫煙者です。喫煙で歯周病を悪化させると聞きましたが、どんな影響があるのですか?副流煙にされされている私も歯周病になりますか?

Answer さまざまな悪影響があります。タバコの害をご主人にお話し、禁煙をすすめてみてください。

 喫煙を歯周病の関係についてお話すると、まず、一日の喫煙本数と喫煙年数が、歯周病の進行度に比例することがわかっています。つまりヘビースモーカーの方は、タバコを吸わない方より歯周病の進行の度合いが強く、歯を失う大きな危険にさらされています。

 その原因のひとつは、煙の中のタールなどのヤニが歯の表面について黒く着色し、歯の表面がザラザラになり、むし歯や歯周病の原因のプラーク(歯垢)がたまりやすくなるためです。また、煙の中のニコチンは歯ぐきや粘膜から吸収され、毛細血管を収縮させて血の巡りを悪くし、バイ菌と戦う免疫を担う白血球などの細胞の働きをくるわせ、さらに傷口を治す細胞の働きを鈍らせるのです。

 これらは歯周病の原因であるバイ菌の侵入を容易にするとともに、歯周病の治療をしても歯医者さんの思いどおりに治りにくいことを示しています。よって現在では治療前に禁煙をすすめる歯医者さんが増えています。

 喫煙には、口から吸い込まれるタバコの煙(主流煙)を吸う能動喫煙と、タバコの先からたなびく煙(副流煙)を吸う受動喫煙があります。おそらくあなたは受動喫煙をしていることになります。副流煙の中の有害物質の量は主流煙より何倍も高く、非喫煙者の夫を持つ妻に比べ、喫煙者の妻の発がんの危険性が高いことが報告されています。

 歯周病に関してははっきりした研究報告がありませんが、喫煙者の子どもに歯肉が黒ずむメラニン色素沈着が多くみられることから、副流煙がなんらかの影響を与えていると考えられます。

歯周病の治療で手術をすることがあるのですか?

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