今週は歯の衛生週間です

6月4日から10日までは歯の衛生週間です。

歯がなくなると、物がうまく噛めなくなり食べることが不自由になります。また、前歯がなくなると見た目に影響してきます。さらに、歯がなくなってくると発音もしにくくなりy差べりにくくなってきます。

そうならないよう自分の歯をいつまでも使っていけるようにするにはやはり日ごろからのむし歯予防がとても重要になります。

予防方法のひとつとして「歯と健康のシンポジウム」が開催されたときにいろいろな新しい提案が発表されました。そのうちのひとつに「ランチ磨きのすすめ」というものがありました。

ランチ磨きのメリットとは

1.エチケットとしての歯磨き。化粧直しと同じ。

2.むし歯や歯周病予防

3.口臭を防ぎさわやかな息にする。

4.きれいな歯と息で午後も気持ちよくすごす。

5.忙しい昼休みには音波歯ブラシを利用して効率をアップ。

などがあります。

まずは明日から「ランチ磨き」をはじめてみてはいかがですか?

歯周病の勉強会に行ってきました。

平成21年6月、土曜日を臨時休診にさせていただき、土曜日曜の二日間カンズメになって歯周病の勉強会に参加してきました。

コレは1年間通じてのコースでその第2回目に当たるのが今回の勉強会でした。

今回の勉強会は歯周病治療の基本的な部分を過去に発表された論文を中心に検証していくものでした。

何十年も前から研究されてきた歯周病ですが、先人たちの研究の成果が論文という形で現在へ伝えられています。それらをひも解いていくと1本でも多くの歯を抜かずに救える可能性が広がっていきます。

その中で1つ印象的だった論文を紹介します。

歯周病治療では歯の回りについている歯石や歯垢(プラーク)が原因であるためきれいに掃除していくことが初期治療として大切になります。そうすれば歯周ポケットの中の細菌が減少して、歯肉の状態が回復していきます。

しかし、治療後に歯ブラシなどでうまく掃除できなかった場合、歯垢や歯石がまたつきはじめてしまいます。そうなると治療によって減少した細菌の数がたった4週間で治療前に数まで増殖してしまいます。

つまり、がんばって治療を行ってもうまく歯磨きができないとたった4週間でもとの歯周病の状態に戻ってしまいます。もちろんそれ以降はさらに歯周病が進行してしまいます。

病院で治療を行うことも大切ですが、毎日歯ブラシをして歯垢をきれいにとっていくことはとても重要なことということですね。歯ブラシのほかにフロス (糸ようじ)や歯間ブラシなどを使って掃除することを「ホームケア」といいますが、歯周病を治すためには病院での治療とホームケアの両方がとても大切ということです。

舌に白い苔のようなものがたくさんあり異臭を放っています。

Question 父の舌に白い苔のようなものがたくさんあり異臭を放っています。取ることはできますか?

Answer  カンジダ菌の可能性もあります。舌ブラシで軽くこすって取りうがい薬で清潔を保ちます。

お口の粘膜に苔のようなものが付着するのはカンジダ菌と呼ばれるカビの増殖が原因のときがあります。カンジダ菌は、皮膚、消化管、気道に好んで棲息し、体力の弱った人や免疫力の低下した人に発症します。例えば、白血球やエイズの患者さんなど、いずれも免疫力が極度に低下した患者さんによく発症します。高齢者も免疫力が低下しているので感染しやすいのです。また、抗生物質を服用していると細菌は死んでしまいますが、カンジダ菌はこれを良い機会に繁殖を始めます。この場合は下の表面が黒い苔で覆われているように見えます。

高齢者でよく見られるのは口角炎と義歯を使用している人の義歯性カンジダ症です。後者は義歯を外すと、義歯で覆われていた粘膜面が赤く爛れて、表面に白い綿状のものが観察されます。義歯の表面はつるつるで硬いと思うでしょうが、実際にはピンク色の樹脂には小孔がたくさんあって、不潔にしておくと、ここにカンジダ菌が棲み着くのです。その他に、舌の表面のざらざらの部分も棲み着きやすい場所です。舌ブラシで軽くこすって白い苔状のものを取ってください。この場合も刺激の少ない消毒薬でうがいをしてお口の中を清潔に保ち、カンジダが増殖して粘膜に付着しないようにすることが先決です。また、義歯を使っている方は水洗いだけでなく、義歯洗浄剤を使ってきれいにしてください。カンジダ症がひどくなるとお口の粘膜全体が炎症を起こして赤く爛れ、食事がとれなくなります。普段からお口を清潔に保つことが何よりよい予防策です。

音波歯ブラシについて

沼尾デンタルクリニック勉強会

音波歯ブラシの最大のメリットは普通のハブラシや電動歯ブラシよりスピーディに汚れを落とすことができることです。さらに、歯と歯の隙間や細かい溝の部分の汚れも簡単に落とすことができます。普通のハブラシでも細かいところの汚れは落とすことはできますが、そのためには細やかに歯ブラシを動かさないと落とすことができません。この細やかな動きを音波歯ブラシはやってくれるので磨くほうは非常に楽に汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシだとあとは汚れているところに毛先を当てることだけを考えていれば簡単に汚れが落ちていきます。歯の裏側や奥歯や上顎など磨きにくい場所でも、ちゃんと汚れているところに毛先が当てられるようには当院スタッフが丁寧に説明させてもらうとみなさん上手にしかも簡単に歯の汚れを落とすことができるようになります。

今回の音波歯ブラシには「ノーマル」「ソフト」「スーパーソフト」の3段階の強さが設定できます。初めて使う場合や、歯肉が痛む場合などはスーパーソフトモードで行えば痛みなく使用することができます。慣れてきたらソフトモード、ノーマルモードとパワーをあげていけば、よりスピーディに汚れを落とすことができます。

音波歯ブラシをオススメな方は

・毎日が忙しい方で効率的に歯垢(歯の汚れ、プラークとも言います)を除去したい方。

・面倒くさがりの方

・もっと口の中をキレイにしたい方

・ツルツル感・さっぱり感をもっと実感したい方

・歯周病で届きにくい場所に集中的に歯ブラシを当てたい方

・ブリッジやインプラントなどがはいっており、ホームケアを十分に行いたい方

・歯並びが凸凹している方

・矯正治療中で装置が口の中にある方

・子供の仕上げ磨き

・高齢者や手が不自由な方

これらが思い当たる方はぜひ体感してみてください。

フッ素を歯科医院で塗布してもらっていますが、フッ素入りの歯みがき剤をさらに使う必要はありますか?

Question フッ素を半年に1度歯科医院で塗布してもらっています。フッ素入りの歯みがき剤をさらに使う必要はありますか?

Answer それぞれ含まれるフッ素の「濃度」が異なります。両者を並行して使うことが大切です。

むし歯予防に「フッ素」役立つことをご存じの方が増えて、とてもウレシイです。結論からいうと、歯医者さんが塗布するフッ素と、歯みがき剤の中に含まれるフッ素では、濃度がまったく違うので、両者を並行して使うことがむし歯予防には必要なんですよ。身近になったフッ素ですが、「濃度」をよく知って安全に使いこなしましょう。

歯医者さんがむし歯予防のために塗布するフッ素と、歯みがき剤の中に含まれるフッ素では、濃度がまったく違うので、両者を並行して使うことがむし歯予防には必要なんです。身近になったフッ素ですが、「濃度」をよく知って安全に使いこなしましょう。

歯医者さんがむし歯予防のために塗るフッ素は、9,000ppmF(ppm=100万分の一)と高濃度です。いっぽう日本で売られている歯みがき剤の中に含まれるフッ素濃度は、大人用も子ども用も、だいたい900~970ppmFと低濃度。市販のベビー用歯みがきジェルやフッ素スプレーでは、100ppmFとさらに低い濃度になっています。また歯科医院専売の子ども用フッ素ジェルには、6歳未満のお子さん向けに500ppmFのものもありますから、お子さんの年齢に合わせて選んであげてください。

カリオロジー(むし歯の学問)で知られるスウェーデンのダグラス・ブラッタール先生によれば、子どものむし歯が減った要因で、最も重要な役割を果たしたのは「フッ化物配合歯みがき剤」である、と世界の専門家の75%が回答したそうです。10年前の調査です。その後日本でも健康増進法が施行され、児童の90%以上がフッ化物配合歯磨剤を使うようになる、という数値目標が掲げられましたから、朝晩2回、ご家庭でフッ素入り歯磨き剤でみがくことは、世界が認めるもっとも安全で、効果的なむし歯予防法であるといえます。

「息が臭い」といわれました。毎日きちんと歯みがきをしているのですが・・・。

Q 先日娘から「息が臭い」といわれました。毎日きちんと歯みがきをしているのですが・・・。

A 歯周病かもしれません。3ヶ月~半年に一度歯科医院で歯石取りと掃除をしましょう。

この悩み、多くのお父さん・お母さん方からよく聞きます。原因は歳のせいでも、歯みがき不足だからでもありません。

本当に口臭が出てくる真性口臭症には、生理的口臭と病的口臭があります。前者は口臭の原因となる病気がないのに口臭が発生しますが、あまり強くありません。後者は、多くの場合歯周病が原因で、強い悪臭が特徴です。とくに中年になりますと歯周病が急に増えてきます。そこで、家族から「口が臭い」と指摘されることがあるようです。したがって、歯周病が原因の病的口臭かもしれません。

ところで、あなたは3ヶ月~半年に1回、歯科医院で歯石取りや歯の掃除・研磨をしていますでしょうか?歯医者さんに行くのは、歯が痛いときだけではないですか?歯科医院での歯の掃除は時間がかかるうえ、不快感もあるかもしれません。しかし半年に1回、歯の掃除をやってもらいましょう。歯周病の予防は「歯みがき」と「歯石取り」の2つが基本です。先進国では、ほとんどの国民が「歯石取り」を習慣としていますが、多くの日本人には、この習慣がなく、汚い口の人が多いようです。

あなたの場合はお嬢さんが口臭を指摘してくれたからラッキーでしたが、他人があなたの口臭に気づくと困りものです。私の調べでは、人々はあなたに近寄らないようになります。あるいは、あなたから顔を背けるという行動もとります。寂しいですね。

こうなるまえに、3ヶ月~半年に1回、歯科医院を受診して、「お口を爽やかに健康に」なりましょう。紳士の「おしゃれ」です。

子供用の歯ブラシの選び方は?

Q どんな歯ブラシがよいのですか?痛がって逃げられるので、特に仕上げみがき用について教えてください。

A お子さまの年齢に合わせて、仕上げ歯ブラシを選び、仕上げみがきの達人になりましょう。

仕上げみがき用の子ども歯ブラシの選び方ですね、お任せください。

2歳

2歳くらいのお子さんで、仕上げみがきを嫌がるときは、毛がソフトで密集したタイプを選びましょう。お母さまの手の甲をみがいたとき、マッサージのようで気持ちイイ、と感じるソフト歯ブラシなら、お子さんも嫌がらないはず。2歳くらいでは、仕上げみがきという習慣をつけることが大切です。歯垢を落とす目的の、ふつう歯ブラシでいきなりみがくのではなく、少々、歯垢は落ちにくくとも、まずは柔らかめのソフト歯ブラシで試してみてください。慣れてきたら、ふつうの硬さにステップアップしていきます。

4歳

4歳ともなれば、乳歯列も完成し、大脳新皮質の発達により大人の会話を理解、それに合わせて行動することができるようになります。なぜ仕上げ磨きが必要か、説明すれば理解し、大人しく磨かせてくれるはずですよ。そんな4歳さんには、年齢にあった仕上げ磨き用歯ブラシを選んでください。お店で迷ったときは、次の3つのポイントが、役に立つでしょう。①毛の高さは高すぎるより、低くカットしてあるもの。②ブラシの幅は、狭すぎるものよりも幅があるものの方が磨くとき安定して子どもが痛がりません。③毛先が球状にふくらんだものや切りっぱなしのものは避け、ラウンド処理など歯肉を傷めない加工がしてあるものを選びます。それでも磨かせてくれないときは、みがき方に問題があるかもしれないので、お近くの小児歯科で相談してみてくださいね。

夜更かしを続けていたら、急に虫歯が増えちゃって・・・

Question 夜更かしを続けていたら、急に虫歯が増えちゃって・・・何か関係があるのですか?

Answer 関係あります。夜更かしをして飲食しブラッシングせずに眠るとむし歯のリスクが高まります。

「夜遅くまでテレビを観ながらお菓子をボリボリ食べ続けた・・・」「眠くなってそのままブラッシングをせずに眠ってしまった・・・」そんなことはありませんか?食事の回数が多い、ダラダラ食べるなど、一日のうち、口の中が酸性になる時間が長いほど、むし歯になりやすい環境となります。たとえば「ミルク一杯のんだだけだから大丈夫!」と思いがちですが、実は牛乳も糖質です。甘い砂糖だけでなく、果物、お酒も同じで、水やお茶以外のほとんどの食べ物が口の中でむし歯菌と一緒になって、むし歯の原因となる酸を作り出します。

また、睡眠時間が少ないと疲れるため、唾液の量が減少します。唾液には、口の中の汚れを洗い流す自浄作用、良性の菌をたくさん含むことによる殺菌作用があります。夜ふかしをすると、仮に規則正しい生活の時と同じ食事回数、ブラッシング回数であったとしても、むし歯になりやすい環境となってしまいます。つまり、唾液の減少によっても、口腔内のむし歯菌が増加し、むし歯になりやすい状態になるのです。

夜ふかしをして何か食べた場合は、必ずブラッシングをするようにしましょう。また、ブラッシング後に甘い物がほしくなったら、キシリトール100%のガムやタブレットを利用しましょう。キシリトールは、歯の表面にむし歯菌をつけないため、むし歯にならない代用糖として使われています。

PMTCとはどのような処置ですか?また、その効果は?

Question PMTCをすすめれましたが、あまりすると歯ぐきに悪いと聞きました。実際のところはどうなのでしょうか?

Answer 適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いどころかどんどん健康になっていきます。

PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士の専門家による機械的紙面清掃のことをいいます。歯ブラシでは落としきれないプラーク(バイオフィルム)を、いろいろな機械・器具を使って徹底的に落として、きれいな歯面に仕上げていきます。

 このプラークは細菌の塊ですから、長期間そのままにしておくと、口臭はもちろん、むし歯や歯周病の原因にもなります。ですから、定期的に歯科医院でPMTCを行うことは、予防や健康な口腔の維持という点から大きな効果をもたらします。

 では、PMTCはどのくらいの間隔で行えばよいのでしょうか。一人ひとりの口のなかの環境が異なっているので個人差がありますが、通常4~6ヵ月に一度、症状によっては1~3ヶ月に一度の間隔で行うのが標準です。

 ご質問についてですが、適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いということはありません。ここでいう、〝適切なPMTC〟とは、歯や歯ぐきにダメージを与えずに、隅々まできれいに仕上げることをいいます。術者のテクニックが問われるところですが、適切なPMTCであれば、歯ぐきに悪いどころか、どんどん健康になっていきます。

 自分自身で毎日行うブラッシング(セルフケア)に加えて、定期的なPMTC(プロフェッショナルケア)を組み合わせることが、自分のお口の健康、そして全身の健康を維持することにつながります。まずは歯科医院に行って診てもらい、自分に必要なPMTCの方法や間隔を決めてもらいましょう。

上手な歯磨きのやり方

理想は100%でも難しい!

毎日歯を磨きましょうとは、ずーっと昔から言われ続けていると思います。
「虫歯にならないようにするために歯を磨きましょう!」ということは誰もが知っていることです。
でも、虫歯に悩まされる人もたくさんいると思います。
なぜでしょう?
答えは簡単。虫歯の原因となる歯の汚れが落ちていないからです。
歯の汚れを100%落とせれば、理論上100%虫歯にはなりません。
でも100%って、結構難しいんです。完璧に仕上げるってことですから・・・・
だから難しいことはやめて、普段は80%くらい落とすのを目標にしましょう。
80%なら上手に磨ける人なら一日数分の歯ブラシでOKです。
残ってしまった20%は、次の日に磨くようにしましょう。

汚れって見える?

歯磨きは100%が理想ですが、難しいことは上に書きました。
毎日行うことなので、毎日完璧を求めるのはチョットきついです。
そのため80%くらい汚れが落とせれば、上出来です。80%だけでも虫歯の予防効果は格段によくなります。
では、どうやったら80%くらい磨けたなー、と分かるのでしょう?
分かるためには歯の汚れをはっきりと目で見えるようにしないといけません。
そのために歯の汚れを赤く染める「染め出し剤」があります。
液状のもの、錠剤のもの、市販のもの、歯科医院で売ってるもの・・・・・
色んなものがありますが、基本的に汚れが赤く染まれば何でもいいと思います。
汚れを赤く染めれば、目標がはっきりしますのでとても磨きがいがあります。
どれくらい歯ブラシで磨けば、どれくらいの汚れが落ちるのかも自分でわかるようになります。
それをやるだけで80%以上の汚れは落とせるようになると思います。
頑張って汚れを落として虫歯にならない強い歯を作りましょう!

どうしても見えない汚れは?

上手な歯磨きのやり方 2 で見えない汚れは、その汚れを染める薬で赤くしてあげるとよく見えるようになると書きました。
鏡を覗き込みながら、赤く染まった汚れを歯ブラシで丁寧に落としていけばいいのですが、どうしても鏡では見えないところがあります。
それは上顎の前歯の後ろや上顎の奥歯です。
残念ながらその場所は自分の眼で直接見ることは出来ません。でも汚れは落とさないと虫歯になってしまう・・・・・・
そういった場合は、自分で見えない場所は他の誰かに見てもらうしかありません。そして汚れている場所をチェックしてもらい、そこに歯ブラシが当たるようにして汚れを落としていく。またチェックしてもらい、汚れが落ちていない部分が残っていると、そこをまた磨く・・・・
この繰り返しをしていって、自分で汚れを落とすコツを身につけるしかありません。
しかし、これができるようになると歯の汚れは断然少なくなります。そして、虫歯予防に充分な効果が現れます。
さて、ここで誰に見てもらえばいいでしょう?
親子で・夫婦で・恋人同士で・・・・・どなたでも結構です。スキンシップをかねてお互いにチェックしあってみてはいかがですか?
もちろん歯科医院を受診すれば、歯科医師や歯科衛生士が見えない部分をしっかりとプロの目でチェックしてくれます。