Question 父の舌に白い苔のようなものがたくさんあり異臭を放っています。取ることはできますか?
Answer カンジダ菌の可能性もあります。舌ブラシで軽くこすって取りうがい薬で清潔を保ちます。
お口の粘膜に苔のようなものが付着するのはカンジダ菌と呼ばれるカビの増殖が原因のときがあります。カンジダ菌は、皮膚、消化管、気道に好んで棲息し、体力の弱った人や免疫力の低下した人に発症します。例えば、白血球やエイズの患者さんなど、いずれも免疫力が極度に低下した患者さんによく発症します。高齢者も免疫力が低下しているので感染しやすいのです。また、抗生物質を服用していると細菌は死んでしまいますが、カンジダ菌はこれを良い機会に繁殖を始めます。この場合は下の表面が黒い苔で覆われているように見えます。
高齢者でよく見られるのは口角炎と義歯を使用している人の義歯性カンジダ症です。後者は義歯を外すと、義歯で覆われていた粘膜面が赤く爛れて、表面に白い綿状のものが観察されます。義歯の表面はつるつるで硬いと思うでしょうが、実際にはピンク色の樹脂には小孔がたくさんあって、不潔にしておくと、ここにカンジダ菌が棲み着くのです。その他に、舌の表面のざらざらの部分も棲み着きやすい場所です。舌ブラシで軽くこすって白い苔状のものを取ってください。この場合も刺激の少ない消毒薬でうがいをしてお口の中を清潔に保ち、カンジダが増殖して粘膜に付着しないようにすることが先決です。また、義歯を使っている方は水洗いだけでなく、義歯洗浄剤を使ってきれいにしてください。カンジダ症がひどくなるとお口の粘膜全体が炎症を起こして赤く爛れ、食事がとれなくなります。普段からお口を清潔に保つことが何よりよい予防策です。