訪問看護の電話相談

栃木県看護協会では訪問看護の相談窓口となるコールセンターを開設したようです。

訪問看護や介護保険の利用について訪問看護師さんが電話で相談にのってくれるそうです。

対応日時 : 火曜日 水曜日 金曜日 (9:00~16:00)

電話 : 028-625-1173

介護について悩み事や困っていることがあればご相談されるといいのではないかと思います。

栃木県,訪問看護

介護では入れ歯に不具合が出たり、口腔ケアのやり方がよくわからないなどのお口の問題もよくあります。

速やかに専門家に相談できるところがあることは非常に心強いのではないかと思います。

往診先の病院で看護師募集のポスターがありました

この前は歯科衛生士専門学校のオープンキャンパスと学校説明見学会のことを書きましたが、今度は往診先の病院で看護学生募集のポスターを見つけました。

医療の現場こそマンパワーが必要ですね。献身的な看護はいつ見ても頭が下がります。

上都賀郡市医師会付属准看護学校の学生募集のポスターです。鹿沼市にあるようです。

栃木県内にある医師会付属の准看護学校です。宇都宮市・鹿沼市・佐野市・足利市・那須塩原市にあるようです。 

これは准看護学校の学生募集のポスターですね。

栃木県内には宇都宮市・鹿沼市・佐野市・足利市・那須塩原市にあるようですね。

総入れ歯をさらに使いやすくするために

歯が1本もなくなってしまった方には総入れ歯(専門用語では総義歯・ソウギシ)を使うようになります。

例えば脚がなくなったときには義足を作ることがあるかと思いますが、誰もが自分の足があったときと同じように義足を使って生活することは難しいことは想像できると思います。

それと同じように自分の歯があったときと同じように食べたり話したりできるようになるには相当大変なことなんです。

しかし私たち歯科医師はそのような患者さんにもできるだけ生活しやすい入れ歯を提供しようとしています。

今回はそのような思いが強い歯科医師・歯科技工士(入れ歯や歯を作成する専門職)たちが集まってくるセミナーへ参加してきました。

総義歯が専門の深水先生、東京歯科大学解剖学准教授の阿部先生、歯科技工士の堤先生のレクチャーを二日間にわたり聴講してきました。

2010PTDセミナー

総義歯学という専門の学問があるくらいなので、奥深いものとは知っていましたが今回の話でもいろいろな新しい知識を得ることができました。これから1年間の総義歯の専門コースが始まります。さまざまなものを吸収して、今まで以上に使いやすい入れ歯を提供できるようがんばりたいと思います。

今回、聴講してきた内容の1つを紹介します。

良く噛むことは脳に良いといわれることが多いですが、その実験として脳の活性度を測定することができるファンクショナルMEIという装置がありますが、それを用いて噛んだときと噛んでいないときの脳の活性を比較したとき、噛んだときのほうが明らかに脳の活性が上昇します。つまり脳が良く働いているということになります。

さらに、20代の人と60代の人を比較したところ60代のほうが脳の活性は上がるそうです。つまり、歳を重ねるほどに良く噛んだほうが脳の働きはよくなっていくということです。

自分の歯で良く噛めることが理想ですが、不幸にも歯がなくなってしまった場合はできるだけ噛める入れ歯で噛んだほうが脳にも優しいということです。

入れ歯のヒビは応急処置ですぐに直りますか?

Question  入れ歯の手入れをしているときによく見たらヒビが入っていました。応急処置ですぐに直りますか?

Answer  数分で固まる材料(レジン)で比較的簡単に1ないし数回の治療で修理できると思います。

入れ歯にヒビが入る原因には、清掃中などの不注意で硬いものとぶつかりヒビや破折が発生する場合や、口の中で日常的に使用していくなかでヒビが入る場合があります。

前者の場合は、注意深く丁寧に清掃することが必要です。総入れ歯に比べて部分入れ歯の場合はやや複雑な形をしているので汚れも溜まりやすく清掃もしにくくなります。入れ歯専用のブラシなどを用いると効果的に清掃できます。洗面所のシンクに水を溜めて清掃すると、たとえ落下してもポチャンと水面に軟着陸してくれるので危険性は低くなります。

ヒビが入りやすい所は、通常の総入れ歯では、上顎・下顎の入れ歯の真ん中部分やピンク色のプラスティック(レジン)部分の縁などです。部分入れ歯の場合は入れ歯安定装置である金属製のばね(クラスプ)の周囲がヒビの好発部位となります。入れ歯と歯ぐきが合わなくなるとこの安定装置を支点にギッタンバッコンと無用な動きが起きてきます。すると噛む力がその装置に集中し、ひいては入れ歯へのダメージとなっていきます。年に2回ほど入れ歯の手入れとチェックをすることで不愉快な現象は予防できるかと思います。

そこでヒビに対する処置ですが、まずはヒビの原因や程度を詳しく調べます。口のなかの環境━歯ぐきや残っている歯と入れ歯との不適合が原因であればそれを解決してから修理することになります。一般的な修理方法としては、数分で固まる入れ歯とほぼ同様の材料(レジン)を用い、比較的簡単に1ないし数回の治療で行えるかと思います。

入れ歯の清掃には何かコツがありますか?

Question  入れ歯の清掃には何かコツがありますか?入れ歯用ブラシや歯みがき剤の使い方を教えてください。

Answer 通常、歯磨剤(はみがきこ)は入れ歯のレジン(プラスチック部分)をすり減らす恐れがあるため、清掃時には控えてください。

入れ歯用のブラシには数多くのタイプがあります。上顎の入れ歯のような凸凹が少なく比較的平坦な部位はどのようなブラシでも汚れは容易に取れます。

逆に下顎の部分入れ歯の留め金(クラスプ)付近の狭小で汚れが溜まりやすい部位などの清掃には注意が必要です。

入れ歯も1つの「食器」と考えてください。たとえば、朝食に使用したご飯茶碗に米粒がこびりついた状態で再度夕食に使用するでしょうか?必ず食器は洗って乾燥させてから次の食事に用いるでしょう。汚れたお茶碗にご飯をよそうことは決してないと思います。入れ歯の手入れも同様です。

入れ歯の汚れには、①食事直後の食べかす、②入れ歯表面に粘着しているネバネバ汚れ(デンチャープラーク)そして③長期の清掃不備による固くて灰白色の歯石のような汚れなどがあります。①②の汚れは比較的容易に除去できますが、③の汚れの除去には歯科医師の判断が必要です。決して自分でカッターなどを使用しないようにしてください。

そこで日常的な注意点ですが、入れ歯清掃時には、洗面所のシンクに水を溜めておけば、万が一、手を滑らせてもポチャンと水面に軟着陸して破損の恐れがなくなります。

ブラシでの清掃時には歯みがき剤などは決して使用しないでください。通常、歯磨き剤に含まれている研磨剤が入れ歯のプラスティック(レジン)をすり減らしてしまう恐れがあるからです。入れ歯専用の清掃剤でよいと思います。

母の介護のため口腔ケアを行うときは、手袋をつけるべきですか?

Question 母の介護のため口腔ケアを行うときは、私も歯科衛生士さんのような手袋をつけるべきですか?

Answer もしケアをされる人、あるいはする人で何か感染症にかかっていれば手袋をすべきです。

家族の口腔ケアを行う際に、手袋をつけるかどうかは大変答えにくい質問です。口腔ケアに関する本を何冊か調べても記載されていません。歯科衛生士さんなど専門家が来て口腔ケアを行ってくれるのであれば、その人がゴム手袋をして当然と思います。でも家族同士の場合は別問題です。というのは手袋をつけることによって心理的な隔たりができるからです。

ゴム手袋をするのは感染予防のためです。専門家は、あなたのお母様だけでなくほかの要介護者の口腔ケアも行います。誰かの菌を他の人に移さないようにするためにも自らが菌の媒介者にならないよう感染予防のために手袋をするのです。そう考えると、たとえばケアをされる人がB型肝炎やC型肝炎などの感染症にかかっていれば、家族であっても手袋をすべきです。口腔ケアの際はとくに唾液や血液などに触れる最も感染の危険が高い作業だからです。逆に口腔ケアを行う人に感染症があったり、手指が汚れているときも手袋をすべきです。要介護者は免疫力が低下していて、感染しやすいからです。

ゴム手袋は品揃えがよいドラッグストアで手に入るでしょうが、ない場合は通販などがあります。水仕事用でも十分使えます。きれいに洗って乾燥させれば再度使用が可能です。

電動歯ブラシでみがくのは効果的ですか?

Question 自分で歯をみがけない人の歯みがきは、手でみがくのと電動歯ブラシでみがくのとでは、どちらが効果的ですか?

Answer  介護する方が介護される方の歯をみがく場合は、電動歯ブラシが効果的です。

自分で歯がみがけなくても、お口を清潔に保つことは大切です。最近は電動歯ブラシも市民権を得て、たくさんの種類があります。

さて、おたずねの件ですが、ひと言でいうと「自分でみがく通常の使用では、どちらでも同じ。しかし、自分で歯をみがけないため、介護する方が介護される方の歯をみがく場合は、電動歯ブラシのほうが効果的」です。

歯みがきで最も重要なことは、歯面に毛先を当てて、こすることです。自分で歯みがきをする場合は、毛先がどこに当たっているか口の中の感覚でわかります。でも他人の口は目で見ないとわかりません。とくに奥歯は、歯ブラシを動かすために頬を引っ張って隙間をつくり、その状態でのぞきこみながら歯ブラシを横に小刻みに動かさなければなりません。しかも相手は動いたり、文句をいったりするなど、大変な重労働です。みがく人とみがかれる人の双方が慣れるとコツがわかり、少しは楽にできるようになりますが、やはりきれいにみがくのは大変です。電動歯ブラシがおすすめなのは、毛先を歯に当てることだけに専念できるので、小刻みに動かさなくても、楽できれいにみがけるからです。

電動歯ブラシも多種多様ですが、介護されている方の歯をみがく場合は、ヘッドが小さいものが使いやすくておすすめです。最近は、毛先が一列に植毛していなくて、カップ上に丸く植毛してある製品がいくつか製品化されています。

口臭がひどい母の舌苔(ぜったい)を取りたいのですが?

Question 口臭がひどい母の舌苔(ぜったい)を取りたいのですが、舌ブラシや歯ブラシを口の中に入れると吐きそうになる場合、どうすればよいでしゅうか?

Answer 最初は箸に綿を巻いたもので慣れてもらい、それから舌ブラシを使用しましょう。

 口臭がひどいと、介護にあたる人が不快になるばかりではなく、家族や介護者が敬遠するようになって本人も傷ついてしまいます。

 口臭を軽減する最も効果的な手段は舌苔の除去です。舌ブラシを使います。舌ベラは硬いので舌の粘膜表面を傷つけやすく、力のかけ方の手加減が難しいのです。

 舌ブラシは軽く持ち、舌の奥から手前に引いて汚れを取ります。舌を出した状態で奥をのぞくと、イボのような小さな突起物が横に並んで見えます。そこから手前に引きます。側面も清掃しますが、実際は真ん中がもっと汚れやすいところです。舌の先端や側面は、歯や口蓋粘膜に普段からよく接触し、汚れがこすり落とされているからです。

 さて、口の奥のほうに舌ブラシが当たると吐きそうになることはよくあります。これを嘔吐反射といいます。歯ブラシではヘッド(毛先)に高さがあるので、そこが周りに当たり嘔吐反射を誘発することがあります。歯ブラシを寝かせて使うなどの工夫が必要です。

 ブラシが奥に当たってないのに、心理的な原因で嘔吐反射を起こす人もいます。最初は箸に綿を巻いて糸や輪ゴムでとめたもので汚れを取り、慣れてきたら舌ブラシを使うようにするとよいでしょう。

 よく噛んで口からしっかり食事を摂っている人は唾液もよく出て、食事中に舌も清掃されますから、あまり舌苔はつきません。お粥のようなものをすすり込んでいるだけだと舌苔が付きやすくなります。食事に介護が必要な人では、とくに舌苔の除去が必要です。

寝る前に入れ歯を外すと、食べかすがいっぱい付いていて汚いです

Question 寝る前に入れ歯を外すと、食べかすがいっぱい付いていて汚いです。手が不自由なので、入れ歯を楽に清掃する方法を教えてください。

Answer 入れ歯を調整してもらえば汚れは付きにくくなり、清掃の負担も減らせます。

 入れ歯の汚れは、直前に食べた食べ物のかす、表面に粘着しているネバネバ、灰白色の硬い歯石のような沈着物に大別できます。

 食べ物のかすは容易に清掃できますが、ネバネバや沈着物は頑固な汚れです。とくに硬い沈着物は、歯科医院で取ってもらうことになります。

 入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。総入れ歯の形態は比較的単純なため、汚れが付きにくいのですが、部分入れ歯では金属製の安定装置(バネなど)の大きさや種類、部位や数によって汚れの付き方が大きく変化してきます。長期間使用していると入れ歯の表面はわずかずつ磨耗し、歯ぐきもだんだんやせてきて、入れ歯とあごの土手との適合性が損なわれるようになります。口の中で入れ歯が「ギッタンバッコン」と動けば、当然のように食べかすがたまりやすくなります。

 ご質問の件ですが、まず、かかりつけの歯科医師に適合のよい入れ歯に調整してもらってください。入れ歯の清掃は毎食後が理想的ですが、手がご不自由とのことですので、できるなら就寝前に入れ歯専用のブラシでできるだけていねいに清掃するようにしてください。その後、義歯洗浄剤にひと晩浸けておけば頑固な汚れは付きにくくなります。汚れの蓄積が頑固な汚れになるのです。「今日の汚れは今日のうちに」です。

 部分入れ歯が汚れているということは、とりもなおさず自分の大事な歯にも汚れが溜まっているということになります。入れ歯と一緒にチェックしてもらいましょう。

新しい入れ歯が痛いといって入れようとしませんがどうすればいいのでしょうか?

Question うちのおばあちゃんは、新しい入れ歯が痛いといって入れようとしません。食事が細くなり、心配です。一体どうしたらよいでしょうか?

Answer 遠慮なくかかりつけの歯科医師に入れ歯を調整してもらいましょう。

 新しい入れ歯は、最初の段階では誰でも大なり小なり異物感があるものと思ってください。「奥歯にものがはさまる」というたとえのように、モヤシのしっぽ1本でも不快になりますが、他方、大きな入れ歯を入れても気にならなくなるように、口の中の感覚はきわめて微妙にできています。

 総入れ歯は基本的に、人口の歯(人口歯)とピンク色のプラスチックレジン部(義歯床)で構成されており、部分入れ歯には、それらに加えて入れ歯の安定装置(金属製のバネなど)が設置されています。

 入れ歯を使わない原因として一番考えられることは「痛み」です。硬い入れ歯と柔らかい歯ぐきがこすれると、当然歯ぐきに傷がつくことになります。義歯床の大きさ・長さ・厚さを、入れ歯周囲の頬・唇・舌・歯ぐきとぴったり接するように調整することで、かなり使い勝手のよい入れ歯になります。

 また、人口歯の前後・左右のかみ合わせの関係にも注意を払わなければなりません。このバランスが悪いと、かむたびに入れ歯が口の中で不安定になり、周りの組織とぶつかり、これまた痛みの原因になります。

 総入れ歯の場合は、上顎ののどに近い部位の総義床の厚さや長さが適切でないと吐き気がしてきます。この部位は、上顎総入れ歯の吸着や安定にきわめて重要なので慎重に調整します。

 当初は異物感が強くても、「習うより慣れよ」という思いで入れ歯とつきあっていくことも必要かと思います。もちろん痛みに慣れる必要はありません。遠慮なくかかりつけの歯科医師に調整してもらってください。