顕微鏡歯科とは歯科用の顕微鏡(歯科用マイクロスコープ)を使って対象となる歯や歯肉を大きく拡大した視野の中で治療や処置を行うことです。
倍率は機械にもよりますが5倍から30倍まで拡大できます。小さな歯をそこまで大きくして治療することは、肉眼より正確な治療をすることが可能となります。
そのためには拡大した視野の中で治療を行うのですが、そのためにはやはりこのようなトレーニングが必要となってきます。
ここは顕微鏡歯科の治療トレーニングができる実習室です。東京にあるメーカー本社の一室にあります。
ここで神奈川歯科大学の石井教授に1日中、講義と実習を行っていただきました。
石井教授にいろいろな質問をすることができ、最新の情報などを得ることができました。
マイクロスコープの実習ももちろん有意なことでしたが、
大学教授という専門医の最前線で研究や診療において日々仕事をしている人に、色々な質問をぶつけられたことは非常に勉強になりました。
今回のセミナーでも得たことはクリニックへフィードバックしていきます。
カテゴリー: 学会・講習会など院外での活動
ネットでライブセミナーを受けてみました。
いつも参加している勉強会のセミナーを、勉強会メンバー限定で今回試験的にライブ配信するとのことで、早速申し込みをしてみました。
そして先日受講してみました。
いつもは東京で行われている勉強会で、診療を臨時休診にして参加していたセミナーだったので自分のクリニックにいながらライブで聴講できるメリットは非常に大きなものがあります。
今回の勉強会は補綴(ほてつ)といって歯を作ったりする学問についての講義です。
ライブセミナーの方法はUSTREAM(ユーストリーム)を使用しました。
あらかじめUSTREAMで自分のアカウントを作成しておき、指定されたチャンネルで配信されました。
もちろん非公開で行っているためパスワードでロックされて誰もが見ることはできません。登録したメンバーだけにパスワードは前もってメールで教えてもらっていました。
指定された時間に指定されたチャンネルをパソコンで開き、パスワードを入力するとすでにセミナーは始まっていました。
プロジェクターに映し出された画面と、講師の先生の音声が鮮明に聞こえます。内容を聞くことに関しては全く問題がないように思えました。
twitter(ツイッター)を使ってライブ配信者との文字でのやり取りもリアルタイムにでき、双方向性もありました。
もちろん現場に行って直接講義を聴くほうがより分かりやすいとは思いますが、都合によっては毎回出席できるとは限らないため、地方在住の私にとっては非常にいいシステムです。
ライブで受講できることにより、より新鮮な講義や情報を得ることができます。
最近はオンライン大学もあるくらいなのでネットで勉強をしていくスタイルはこれからのスタンダードになっていくのかもしれません。
この勉強会ではまた数ヵ月後のセミナーもUSTREAMでライブ配信を予定しているとのことなので、そのときもぜひ受講してみたいと思います。
第23回日本顎関節学会に参加してきました
7月23日(金)から25日(日)の間に開催された日本顎関節学会へ参加してきました。その間は臨時休診をいただきご迷惑おかけしました。
学会とは大学・研究機関・病院・開業医などが日ごろの研究成果を発表し、それに対してさまざまな研究者や専門医が議論をしてその妥当性を追及していく場です。
つまり、専門の人間の意見が多数議論されるため、正当性が高く最新の情報が得られる場であります。
口は物を食べたり話をしたりなどを毎日行う場所ですが、それらを行うための軸となるところが顎関節です。顎関節の調子が悪くなれば、話をしたり物を食べたりすることがしにくくなり、日常生活に大きな影響が出てきます。
そんな口の動きの中心となる顎関節について日本レベルで研究発表と議論される場が日本学関節学会です。今回は海外からの研究発表者もいたようでした。
研究成果による新しい発見や、今までの治療に対する研究、現在セオリーとされている基本的な内容確認のためのセミナーなどさまざまな発表がなされました。
日本全国で診療や研究をしている先輩・後輩や友人などとも再会をし、色々な話をすることもとても刺激になります。
ここで学んできたことは最新かつ妥当性の高い治療という形で患者さんへ還元していきたいと思います。
顕微鏡歯科のススメ
顕微鏡歯科というものはご存知でしょうか?マイクロスコープや手術用顕微鏡などとも言われています。
その顕微鏡歯科についてセミナーを受講してきました。講師は顕微鏡歯科学会副会長で東京で開業されている三橋純先生です。
よくテレビでスーパードクターと紹介されすばらしい手術をしている映像などを見かけることはあるかと思いますが、そこで手術をしながら覗いているものが手術用顕微鏡です。血管などが細かく入り組んでいるところは顕微鏡で見ながら丁寧に手術をやって、必要最小限な部分だけを切除することができます。
それと同じように顕微鏡を見ながら細かい歯科治療を行うことが顕微鏡歯科です。顕微鏡を使用することによって肉眼では見ることのできない細かなところまでよく見ることができます。
たとえば人間の歯は約1cm四方しかない小さなものです。そこに小さなむし歯ができたり、小さな歯石がついたり、歯にヒビが入っていたりなどの状態になった場合でも、肉眼では確認することができなかったそれらが、顕微鏡だと見えて確認することができます。確認したものに対して顕微鏡を見ながら必要最小限で適切に処置を行うことによって、肉眼では不可能なレベルの早期発見早期治療が可能となります。更にレベルの高いミニマム・インタベーション(MI:最小限の治療という意味)が実現可能となっています。
顕微鏡のもう1つのメリットは、CCDカメラが装備されているので動画としてモニターに映し出すことができたり、録画することが可能となります。それによって今まではドクターしか見えなかった治療最中の状況がそこにいるスタッフや患者さんなどへ見てもらうことが可能となり、医療サイドのチームワークの向上や患者さんが治療内容を把握しやすくなるとのメリットもあります。当院ではまだモニターの設置を行っていないので今後対応していく予定です。
口の中に吸い付く総入れ歯
先日、総入れ歯で著名な先生の講演を聞いてきました。
講演のテーマは「下あごに吸い付く入れ歯」
総入れ歯ではみなさんいろいろ苦労されている方が多いと思います。すぐに入れ歯が動いたりして、口の中で安定しないことでお悩みの方は多いことと思います。
実際に日々の私の診療でも総入れ歯でなかなか安定しなくて苦労する患者さんはいらっしゃいます。
そのような悩みを解決すべく今回はこのような講演を聴きに行ってきました。
朝から夕方まで丸1日のレクチャーでした。
その中である一定の条件がそろっていれば、それらのポイントをうまく押さえることで吸い付くような入れ歯を作ることができます。
吸い付くというのはどのようなことかといえば、入れ歯が吸盤のように「キュッ」となって口の中に安定している状態です。ある一定の条件とは歯肉の土手の形態や、舌や頬の状態などを言います。
今回学んだことをこれからの診療に生かしていき、1人でも多くの患者さんへ安定した入れ歯を提供できるよう今後努力をしていきたいと思います。
ただし、ある一定の条件がそろったときでないと吸い付かせることはできないため、総入れ歯の方全員に吸い付く入れ歯を提供することは難しいこととなります。ご了承ください。
外傷を受けて歯が折れたり抜けたりしたときはどうする?
転んだりぶつけたりして、不運にも歯を折ってしまったり歯が抜けてしまったときは非常に驚くと思います。
そんなときにはどうすればいいでしょう?
まずは抜けてしまった歯や折れてしまった歯の一部を見つけてください。
そして見つけたものは汚れていても水で洗ったりしないでください。
できれば牛乳の中にその見つけた歯を入れて、できるだけ早くに歯科医院を受診してください。
牛乳がないときは生理食塩水でも可能です。それもないときはサランラップに包んで持ってきてください。
そんな歯の外傷に対する対応と診断・処置方法について世界外傷歯学会の現会長でもある月星光博先生よりレクチャーを受けてきました。
今までもそのような歯の処置を行ってきましたが、今回は歯や歯の神経を保存する方法をいくつか学んできました。
その中には私は知らなかった処置方法もあり、これからは今まで以上に歯を保存していくことができると思います。
できることなら歯が折れたり抜けたりすることは避けたいものです。
スポーツをするときにはスポーツマウスガードを装着しておけば、歯の外傷はある程度は予防してくれます。
まずは怪我をする前に予防として、自分の歯を守ってみませんか?
全国にはこんな特殊な歯科医院もあります
先日、東京で開催された勉強会に参加してきました。
今回は一般的な歯科医院の業態ではなく、少し変わった歯科医院のプレゼンテーションが行われました。
・他の歯科医院から依頼を受けてCT検査と画像診断だけを行う歯科医院 (歯を治療する診療椅子がありません)
・CT検査をする装置とマイクロスコープという顕微鏡の最新設備で新規開業した歯科医院。
・患者さんに最良の医療を提供するために保険診療をやめてしまった歯科医院
・マイクロスコープという歯科用顕微鏡で行うむし歯治療をしている歯科医院
日本全国さまざまな歯科医院がありました。これらの歯科医院は特殊性が高く珍しいので、ぜひホームページを閲覧してみてください。
このほかにも参加されていた先生方にも色々な特殊な業態で歯科医療を行っている方もたくさんおられました。
それらの先生やスタッフの方々と二日間の勉強会と、懇親会を通じて色々なお話をしてきました。
上に紹介したようなと特殊性を当クリニックですぐに出すことはまだまだ難しいですが、その先生方のこれからも一緒に学んでいくこととなりますので、患者さんへのメリットが大きいと思われることはどんどん吸収して学んでいきたいと思います。
歯を抜かずに保存する勉強会の1年間の研修が終わりました。
先日、1年間続けてきた歯周病の勉強会が終わりました。歯周病専門医であるスウェーデンデンタルセンター弘岡秀明先生に講習・実習・症例報告などの研修を行い行い指導していただきました。
今まで保存できずに抜歯になるような歯も、できるだけ残せるようにしていきたいと考えています。ただし弘岡先生もお話していましたが、全ての歯が残せるわけではなく、重症化しすぎた歯はやはり治療の限界があり抜歯とせざるを得ないこともあります。抜かないといけないほど重症化して欲しくないですね。
自分の歯を長く使っていくためには、まずはしっかりと歯周病の治療を行わなければなりません。その後は歯に汚れがついてしまうとすぐに歯周病は再発してしまうので、毎日のハブラシ等を行って歯の汚れを丁寧に落としておくことと、定期的に歯科医院でのチェックと歯ブラシでの磨き残しのクリーニングを行っていくことが、自分の歯を守っていく重要なことになります。「痛くなったら歯医者に行く」では重症化してしまいます。「痛くならないよう歯医者でメンテナンス(お手入れ)をする」といった感じでないと自分の歯を守っていくことはできません。
そこまで治療とメンテナンスを行っても不幸にも自分の歯を抜くようなことがあれば、なくなった部分だけに対してインプラントという選択肢も検討しても良いかと思います。
無事に1年間の研修の最後に帝国ホテルにて卒業式が開催されました。無事に私も終了証をいただくことができました。写真はそのときのものです。
これからも年数回の弘岡先生主催の勉強会があるので、そちらへは継続的に参加をして勉強を続けていきたいと思います。
今までにない新しい発想のこどもの歯科
先日、栃木県内にある早乙女歯科医院を見学させていただきました。
そこの歯科医院は通常の歯科治療のほかにインプラントや予防歯科・メンテナンスにも力を入れている歯科医院です。
さらに昨年「キッズデンタルパーク」という新しいコンセプトの小児歯科をはじめました。
こども専用の待合室と診療室などがありそこの作りやコンセプトが子どもを歯医者嫌いにさせないようになっています。実際、見学中にも小さなお子さんが来院していましたが泣いたり暴れたり嫌がったりなどするお子さんは1人もいませんでした。
これなら0歳児からもしっかりと予防歯科を浸透させることができ、むし歯のない大人へとなってもらえるようになるのではないかと思いました。日々小さなお子さんには歯科治療のトラウマを作らないよう心がけて診療を行っているだけに、このようなコンセプトの歯科医院があることはとても勉強になりました。
綺麗な歯の作り方
数年前から毎年参加しているセミナーへ行ってきました。それは差し歯を作る方法と白いプラスチックで詰め物をしていく方法を勉強するセミナーです。毎年のように新しい技術や材料が出てくるので、新しいものの良いところを自分の技術と知識に取り入れるために毎年参加しています。
今年は虫歯になった部分を削って白いプラスチック(コンポジットレジン:CR)を詰める技術においてかなりいい方法のレクチャーがありました。
実際、その方法を早速クリニックで取り入れて行ってみましたが、今まで以上に自然な仕上がりで虫歯を治療できました。かなり有用な方法なのでこれから虫歯治療のスキルアップができたと思います。それでも数年間のうちにはプラスチックは変色する事は避けてとおれないので、やっぱり虫歯にならないで自分の歯を大切にするほうがずっといい事は変わりありません。