子供用の歯ブラシの選び方は?

Q どんな歯ブラシがよいのですか?痛がって逃げられるので、特に仕上げみがき用について教えてください。

A お子さまの年齢に合わせて、仕上げ歯ブラシを選び、仕上げみがきの達人になりましょう。

仕上げみがき用の子ども歯ブラシの選び方ですね、お任せください。

2歳

2歳くらいのお子さんで、仕上げみがきを嫌がるときは、毛がソフトで密集したタイプを選びましょう。お母さまの手の甲をみがいたとき、マッサージのようで気持ちイイ、と感じるソフト歯ブラシなら、お子さんも嫌がらないはず。2歳くらいでは、仕上げみがきという習慣をつけることが大切です。歯垢を落とす目的の、ふつう歯ブラシでいきなりみがくのではなく、少々、歯垢は落ちにくくとも、まずは柔らかめのソフト歯ブラシで試してみてください。慣れてきたら、ふつうの硬さにステップアップしていきます。

4歳

4歳ともなれば、乳歯列も完成し、大脳新皮質の発達により大人の会話を理解、それに合わせて行動することができるようになります。なぜ仕上げ磨きが必要か、説明すれば理解し、大人しく磨かせてくれるはずですよ。そんな4歳さんには、年齢にあった仕上げ磨き用歯ブラシを選んでください。お店で迷ったときは、次の3つのポイントが、役に立つでしょう。①毛の高さは高すぎるより、低くカットしてあるもの。②ブラシの幅は、狭すぎるものよりも幅があるものの方が磨くとき安定して子どもが痛がりません。③毛先が球状にふくらんだものや切りっぱなしのものは避け、ラウンド処理など歯肉を傷めない加工がしてあるものを選びます。それでも磨かせてくれないときは、みがき方に問題があるかもしれないので、お近くの小児歯科で相談してみてくださいね。

子どもが、むし歯があるのにひどく歯医者さんを嫌がり、行くとギャーッと泣いてしまいます。

Question 子どもが、むし歯があるのにひどく歯医者さんを嫌がり、行くとギャーッと泣いてしまいます。どうしたらいいでしょう?

Answer 2歳のお子さんが歯医者さんで泣いたりするのは当たり前です。とにかく小児歯科の受診を!

むし歯の穴が深い、あるいは痛がっている場合は、緊急事態発令です!すぐに小児歯科を受診してください。

乳歯の神経は、大人の歯にくらべ未発達なことが多いので、子どもがむし歯を痛がったら、それだけで一大事。神経を取る処置が必要になるでしょう。むし歯が神経まで達していないなら、今がチャンス。できるだけ早くに小児歯科を受診して、必要な処置を受けてください。また、2歳のお子さんが歯医者さんでギャーっと泣いたり暴れるのはごく当たり前の反応です。

小児歯科では、お子さんがけがしないように、大人がからだを押さえたり、ネット(網)にくるんで治療することがあります。ネットにくるまれたお子さんは、全身で抵抗して激しく号泣するので、本当に緊急のとき以外は使いません。

いちばん困るのは、お子さんが歯医者に行きたくないと泣くのをみて、パパが行くなといったので、といった理由で治療を中断するケースです。これではお子さんは、強く泣けば要求が通る、という誤った学習をしたことになります。激しく泣くお子さんのむし歯治療は、母親一人が抱え込むのは難しいのです。事前にパパにも治療方針や回数、お子さんの反応などを説明して、最後まで通いとおせるように応援してもらいましょう。

1歳半の子どもの仕上げみがきはどうすればいいですか?

Question 1歳半健診で、脚を押さえて仕上げみがきをするように指導を受けましたが、うちの子は暴れて嫌がります。続けていいものでしょうか。

Answer お子さんにむし歯がなく正しい食生活を送れているなら「週末みがき」をしてみましょう。

 かわいい乳歯をむし歯にしないために、毎日の歯みがきが大切なことはご存じですね。それでも、お子さんの抵抗が激しいと歯みがきそのものが疑問に思えてしまう、お母さまのお気持ちはとてもよくわかります。

 そんなときは一人で悩まずに、近くの小児歯科に相談してみましょう。

 歯の表面が白濁する「初期むし歯」や、穴の空いたむし歯が見つかったなら、心を鬼にしてでも毎日、朝晩2回、フッ素の入った歯みがき剤をつけて、仕上げみがきをしなければいけません。

 反対に、むし歯がない、甘いもののダラダラ食べやダラダラ飲みがなくて正しい食生活が送れているようなら、毎日の仕上げみがきを無理矢理せずに、食後にお茶か水を飲ませてからキシリトールタブレットをなめさせる、フッ素スプレーを歯にひと吹きしておくなどでしばらく様子をみるという手もあります。

 この場合は、週末にお父さまに協力してもらって、両親のひざにお子さんを寝かせ、お子さんの両手、両足を父親が押さえ、母親がみがく「週末みがき」が必要です。

 大きすぎず、小さすぎず、やわらかめの仕上げ専用歯ブラシで、1本ずつ毛先を震わせるように優しくみがいて、歯みがきは痛くないことを教えてあげましょう。

 また、歯みがきしつけ絵本や、人形を使った歯みがきごっこなども、歯みがき好きにするのに効果的ですよ。

歯をぶつけてしまい、グラグラしています

Q 子供が歯をぶつけてしまい、グラグラしています。いつも通院している小児歯科医院と、一般歯科ではどちらがいいのでしょうか?

A 早急な処置が必要な場合もあるので、すぐ行ける歯科を受診してください。

 障害の程度によっては早急な処置が望まれますので、すぐに行ける歯科医院や大学病院が良いと思います。ただ定期的に通院されている歯科医院が近くにあるならば、そちらのほうが望ましいでしょう。

 ご質問のような場合や、転んだりして歯や歯ぐきが損傷した場合を「外傷」と呼びます。外傷はその程度や状況、年齢により、手当ての方法や治療の期間が異なります。

 外傷では、歯が抜けかけていたり、歯が折れていたりするケースもあります。この場合、その部分には触らないようにして、早急に歯科を受診してください。歯科ではその部分を固定します。この固定は骨折などと同じで、歯の位置を安定させるための処置で、固定期間はおおむね1~3週間です。

 その他に歯が欠けて感染が疑われる場合には、必要に応じてX線撮影をし、いわゆる「根の治療」が必要となります。また、歯肉に裂傷がある場合には縫うこともあります。

 乳歯の場合には、事故直後には何の症状がなくても、数日から数ヶ月の後に歯の色が褐色に変化することも珍しくはありません。この色の変化は歯の神経が壊死(死んでしまう状態)したためです。歯の変色があっても、歯ぐきが腫れるなどの症状がないときには、処置を行わないことも多くあります。

 また、乳歯ではぶつけた方向や強さによっては、乳歯の根の近くに存在している永久歯に何らかの影響がある可能性もあります。その場合には、永久歯が完全に生え終わるまでの管理が大切になります。

子供の歯並びをよくするにはどんなことに気をつけたらよいか?

Question 子供のかみ合わせや歯並びをよくするには、小さいころからどんなことに気をつけたらよいでしょうか?
Answer よくかむこと、むし歯にしないこと、悪習癖を止めることが重要です。
不正咬合の原因には先天性原因と後天性原因があります。遺伝などの先天性原因の不正咬合を防ぐのは難しいですが、後天性原因は日常生活に注意すればある程度予防できます。
① よくかむこと
乳歯は2歳半くらいに完成し、6歳臼歯が生えるころまでが一番成長する時期ですので、この時期によくかむことが重要です。乳歯間に隙間ができて、永久歯の場所が確保されます。
「一口ごとに30回以上かんで」などといわれますが、私は一口でいつもより3~5回分余分にかむことから始めてもらいます。そして毎食一品はかみごたえのある食材(ごぼう、レンコンなど何でも)を食べてもらうよう指導しています。
②むし歯にしないこと
乳歯をむし歯にして抜いてしまうと、永久歯のための隙間は減少してしまいます。乳歯間に十分な隙間が確保されれば、ガタガタの歯ならびは防げるはずです。むし歯になったらすぐに治してもらいましょう。
③悪習慣をやめること
指しゃぶり、異常嚥下癖、舌前突癖などは、よい歯ならびの妨げになります。また、ほおづえや寝る姿勢(うつぶせ寝や同じ向きで寝る)も顔面非対称の原因となります。口呼吸も歯ならびの大敵です。鼻炎や扁桃肥大などで、鼻呼吸ができない場合もありますので注意が必要です。
お子さまの歯みがきをときどきチェックするとともに、かみ合わせも常に注意してみましょう。受け口や出っ歯などはわかりやすい不正咬合です。乳歯がいつまでも残っていたり、かみ合わせが気になっている場合は矯正医に早めに相談してみましょう。

歯との付き合い方 思春期編

-思春期のむし歯に注意!-

日本では、むし歯を持っている人の割合が、八歳ですでに五〇パーセントを超え、一二歳では九十パーセントを超えるといわれています。なぜこんなに若いあいだに爆発的にむし歯が増加してしまうのでしょうか。
むし歯ができるには、四つの因子が原因となるといいます。それは、細菌(むし歯菌)・食べ物(糖)・時間・歯(むし歯になりやすさ)です。
永久歯になっても、やはりむし歯になりやすい状態が続きます。十二歳ごろ二〇歳ころにかけては、とくにむし歯になりやすいといわれています。このような時期の若いむし歯は進行が速く、できはじめて一年あまりで、相当深くまで進んでしまいます。
これはなぜかというと、永久歯が生えてきて、ものを噛んだり、あるいはしゃべっているあいだに、口の中の唾液が歯の表面にくっつくわけですが、この唾液の中には歯を硬くする成分が含まれており、歯(エナメル質)をさらに強くしていきます。そのために、年をとった人の歯は、むし歯に対して抵抗力が強くなるのです。
永久歯の場合でも、生えはじめてまもない歯の場合は、むし歯に対する十分な抵抗力をもっていませんから、むし歯にかかりやすいわけです。

-親知らずが生えてくる-

親知らずは一七、一八歳ころからはえはじめます。この親知らずは、必ずしもまっすぐに生えてくるとは限りません。親知らずが生える場所が狭ければ、横のほうに、あるいは斜めに生えてきてしまいます。
親知らずが生えてきたら、小さな歯ブラシを使って毛先届くようにして、鏡を見ながらよく磨くようにしましょう。いちばん奥にある歯なので、自分では磨いているつもりでも、歯ブラシが届いていない場合が少なくありません。そのために、親知らずはむし歯になる確率が高いのです。
生え方が正常で、歯ブラシが届くような親知らずであれば、必ずしも抜く必要はありません。
親知らずが顔を出すころに、歯の周りの歯肉に炎症が起こってきます。たとえば赤く腫れて痛みが出ることがあります。歯医者さんに行って、薬をつけてもらったり、症状によっては抗生物質を処方してもらってください。
そして、親知らずが、横に生えてしまったり、骨の中にもぐってしまった場合には、最終的には抜いたほうがよいでしょう。

-あごの骨と歯並びが完成-

乳歯が抜け変わりはじめてから、永久歯による噛み合わせが完成するまで、じつに十数年にわたって歯は生え変わり続けます。ヒトのあごの骨は男子では十六歳ころ、女子では十四歳ころまでに成長・発育が活発に続けられるのです。永久歯が生えそろうまでのこの長いあいだには、外から歯や歯列にいろいろな刺激が加わり、さらに遺伝的背景や先天的な因子も歯並びのよしあしに関わってきます。
十五歳で永久歯の歯列がほぼ完成し、さらに十八歳ころになると第三大臼歯が生えはじめるので、これらの歯の生え具合から歯並び全体のチェックを行い、必要な場合は矯正治療を受けることになります。ただ、前にも書きましたが、ちょうど年ごろですので、もう少し幼いころに対応するという考え方もあります。

歯との付き合い方 小児期編

-乳歯が生えそろった!-

乳歯が生えそろうころには、子供は不十分ながら少しずつ一人で歯を磨けるようになってくるでしょう。しかし、磨いていることと「磨けていること」は違いますから、家族がチェックしてあげる必要があります。
まだこのころは、仕上げ磨きをしてあげるとよいのです。とくに奥歯の溝や隣り合った歯の間、歯と歯ぐきの境目のあたりに磨き残しがないかどうか調べながら磨いてあげてください。なぜ歯を磨かなければならないのか、歯の大切さを離してあげてください。

-永久歯が生えてくる!-

永久歯で最初に生えてくるのは、第一大臼歯です。これは、六歳前後に生えてきますが、一生使う歯ですから、むし歯にならないように一生懸命磨くようにしてください。
永久歯があごの中からどんどん顔を出してくると、乳歯はグラグラしてきます。乳歯がグラグラしてきたら、自然に抜けるまでそのままにしておいてかまいません。
しかし、グラグラしているために食事やおやつを食べるときに痛がるようなら、歯医者さんに乳歯を抜いてもらいましょう。
また、乳歯がグラグラしながらも抜けず、永久歯が脇のほうから顔を出してくるような場合も、歯医者さんに診てもらったほうがよいでしょう。

-むし歯になりやすい時期、要注意!-

その後、乳歯は少しずつ永久歯に生えかわり、第二大臼歯まで生えそろうのは十三歳ころになります。永久歯の数は親知らずを含めて三十二本ですが、親知らずは生えない人もいます。
生えたての永久歯は、むし歯になりやすいものです。できれば、歯医者さんでむし歯を予防する処置を施してもらうとよいでしょう。それは「フッ素の塗布」です。
これは、フッ素入りのむし歯予防ジェルを塗布してしばらく待ち、終わったらブクブクうがいをして完了という、簡単で効果の高い方法です。年に三~四回くらい塗布すると、ある程度むし歯を防ぐことができるのです。
このころの子供の歯は、一度むし歯になるとたいへん進行が速く、できはじめたと思ったらずいぶん深かったということもあるほどです。口の大きさに合った、小さな歯ブラシを選んで、日ごろからていねいな歯磨きをする習慣をつけさせましょう。

-歯並びのよしあしはいつごろから?-

年齢に見合った正しい歯並びの基準は、三の倍数の年齢がおおよその目安になるといわれています。
三歳では乳歯列の完成、六歳では上と下の第一大臼歯が生えそろっていることが目安。九歳では乳歯と永久歯の両方が混ざった混合歯列気のまっただなかで、いわゆる「みにくいアヒルの子」といわれる歯並びの時期です。十二歳で上と下の第二大臼歯が生え始め、十五歳で永久歯列がほぼ完成します。
生え変わりの時期は、歯列の良し悪しが決定するまでにはまだ時間がありますが、両親や兄弟の歯並びから、本人の歯並びも良くないだろうと予測される場合は、この頃から小児科医、矯正歯科医に相談してみるのも良いでしょう。

歯との付き合い方 乳幼児期編

-むし歯はどこからやってくる?-

歯の生える時期にはかなりの個人差があります。しかし一般には六ヶ月ごろから生えはじめ、二歳の終わりごろまでに20本全部生えそろいます。
ところで、近頃では、むし歯がむし歯菌によってひきおこされることが一般的に知られるようになってきました。ところが、うまれたての赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいません。1980年代になって、むし歯菌は母親など周囲の人から赤ちゃんに移っていくことがわかりました。
子供のむし歯を予防するためには、まず家族の口の中をきれいにすることが大切なのです。

-乳歯が生えてきたら-

乳歯はいちばん初めに、下あごの前歯2本が生え、次に上あごの前歯2本が生えてきます。1歳6カ月くらいになると、上と下の左右に3本ずつ合計12本になります。2歳くらいになると、上下左右に5本ずつ合計20本の乳歯が生えそろいます。
このような赤ちゃんの歯を、侵入してきたむし歯菌から守るためには、まず第一に、おやつの与え方を間違えないことが大切になります。
おやつの与え方によって、むし歯の増える頻度は、だいぶ違ってきます。甘いものをあまりおやつにとらない場合は、当然、むし歯になる確率は低くなります。
しかし、甘いものを与える場合でも、決まった時間におやつをとるのと、遊びながらダラダラと間食をするのとでは、むし歯のかかり方が変わってきます。もちろん決まった時間に食べたほうがいいのです。虫歯菌は、糖を利用して歯の表面にくっつきやすい物質(不溶性グルカン)を作りだし、これによってプラーク(歯垢)が形成され歯の表面を分解していくからです。

-乳歯はむし歯になりやすい!-

離乳食を卒業し、いろいろな食べ物に挑戦して、食べる楽しみ、とくに甘いもののおいしさに目覚めてくる二歳ごろからが、乳歯のむし歯が急激に増えてくる時期です。五~六歳にかけてが、ことにむし歯になりやすいので要注意です。
乳歯は歯そのものも軟らかく、むし歯に対する十分な抵抗力をもっていませんから、虫歯にかかりやすいということがいえるわけです。

-赤ちゃんの歯を守ろう-

歯が生えてきたときに、ガーゼで表面を拭いてあげるようなことは、昔から行われていたようです。
確かにある程度の歯垢ならこうした方法で拭き取ることができますが、きちんと歯垢を取るには、やはりブラッシングがいちばんです。赤ちゃんは自分では磨けませんから、ひざまくらで赤ちゃんを寝かせて、磨いてあげましょう。
軟らかい毛の歯ブラシで、短時間で磨くことがポイントです。磨く力が強すぎると、赤ちゃんは、痛がって歯みがきが嫌いになってしまうかもしれませんから、注意してください。こうした寝かせ磨きは、赤ちゃんの寝る前がとくに効果的です。
それと同時に、少しずつ歯磨きの習慣をつけてあげることも大切です。食事が終わったら、歯ブラシを持たせ、磨けないまでも、しばらくしゃぶったりさせてあげてください。
これはしつけの始まりで、遊びながら歯磨きの習慣をつけていくことが大切なのです。

食育は歯の健康から

-子どもの食習慣-

こどもたちの食環境が変化しています。1人で食べる、家族それぞれが別のものを食べる、同じものばかり食べる、高タンパク・高脂肪の食事が好き、濃い味付けを好む。そんな子どもたちが増えています。
子ども達が豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身につけていくには何よりも「食」が大切です。そこで食育を生きるうえでの基本、知育・徳育・体育の基礎と位置づけ、家庭や学校、地域における教育を推進するために食育基本法が制定されました。
幼児期からお箸を使って食べ、お母さんと一緒に料理する、正しい栄養の知識・生活習慣を身につけ、実行することが大切です。そのためには親や学校関係者のみならず地域ぐるみで子どもたちをどう育てていくかを考えることが必要です。さらにレストランや生産者がカロリー表示を分かりやすく表示する努力も欠かせません。
食育は子どもだけに必要なものではありません。大人も含めひとりひとりが食事内容や食習慣を考えなおし、生涯を通じた健康づくりを心がけてほしいとおもいます。

-食べる機能の発達について-

歯や口の健康が維持されていれば、おいしく食べられ、体や心の健康が維持できるだけでなく、食べる機能や言葉の発達も促されます。そのために正しい食生活と適切なケアによって、清潔で健康な歯・口を保つことが大切です。
新生時期から幼児期、学童期にかけて、子どもの歯や口は劇的に変化します。そのため、それぞれの時期に応じた口腔ケアが大切になってきます。

-食べる機能の発達について 乳児期-

乳児期では顔や口の周りのマッサージからはじめて、さらに指磨きで口に触れられることに慣れさせて、はみがき習慣の準備と導入をはかります。乳歯が生え始めたら、ガーゼ磨きや歯ブラシの感触慣らしをはじめましょう。

-食べる機能の発達について 幼児期-

乳臼歯が生えてくると、むしば菌が定着しやすくなります。1日1~2回、食後の歯磨きを習慣づけたいものです。家族みんなが歯を磨き、それを子どもが見ることで慣れやすくなります。実際に歯ブラシを持たせ、磨く意欲を育てることも大切です。
乳歯が生えそろうと、歯垢が残りやすくなります。食後の歯磨きを習慣づけ、自分で磨く意欲と技能を育てましょう。寝る前に仕上げ磨きを、親子のコミュニケーションの場とするのもよいでしょう。

-食べる機能の発達について 学童期-

学童期になり、永久歯に生え変わると、歯並びの個人差が大きくなります。そのため、自分の口の状態にあった磨き方を覚えることが大切です。この時期になると、自分でほぼ磨けるようになりますが、生えたての永久歯には仕上げ磨きやチェックが必要です。また、歯と歯の間を磨くのにフロスの必要性が高くなります。効率よく磨くには電動歯ブラシも有効です。
「歯と健康のシンポジウム」より

乳歯のむし歯がひどいので永久歯こそ大切にしたいと思いますが、そんなことできるでしょうか?

Question
乳歯のむし歯がひどいので永久歯こそ大切にしたいと思いますが、そんなことできるでしょうか?
Answer
もちろんです。まずは正しい生活スタイルを身につけること。今日からはじめましょう。
むし歯は、ひとつの原因で起きるのではなく、複数の因子がからんだ疾患です。次の4つの対策を、できるところからはじめてください。
①「甘いもののダラダラ食べ」を止める。
一番重要で、一番難しいのがこれ。赤ちゃんの頃から飴をもらって食べる習慣はありませんか。あるいはのどが渇いたら、水よりもジュースやイオン水を好んで飲んでいませんか。甘い物はデザートとして食事の直後にたっぷり与えましょう。手作りのおやつをドドーンと与えて満足させ、他人から飴をもらわない子どもにしつけられればベスト。のどが乾いたら「水」か「お茶」を飲ませます。これが守れると口の中のベトつきがだいぶ減ります。
②フッ素入りの歯みがき剤を乾いた歯ブラシに適量つけて、朝晩2回ていねいにみがく。
自分で磨かせた後で大人が行う、仕上げ磨きは必須です。
③虫歯の悪玉菌、ミュータンス菌を親子ともに口の中から減らす。
ミュータンス菌がつくるプラークは非水溶性なので、みがいてもみがいても落ちないレンジ汚れのような粘着度があります。毎食後、キシリトールガムかタブレットを食べることで、ミュータンス菌の数は減っていきます。ただし、歯みがきができていることが前提です。
④かかりつけの歯医者さんをもち、定期的に検診を受ける。
何でもなくても、15歳までは定期健診を受け、フッ素塗布やシーラント処置を受けましょう。
以上が実行できたら、ピカピカの永久歯に育ちますよ。がんばって!