Question 外国ではむし歯予防のために水道水にフッ素を加えていると聞きました。日本ではなぜやらないのですか?
Answer すでに世界の70カ国以上が実施していますが、日本では反対意見もあり実施されていません。
水道水にフッ素を加えること(水道水のフッ素化)は、むし歯予防の方法として最も有効なものの一つであることはよく知られています。世界の予防歯科の研究者の実験結果からも証明されており、世界の70カ国以上で水道のフッ素化が実施されています。
アメリカ合衆国やカナダ、ヨーロッパ諸国では人口の50%以上にフッ素化された水道水が供給されています。水道水に添加されるフッ素の濃度は1ppm(1%の1万分の1)が適当であるとされています。
しかしながら、水道水のフッ素濃度が2ppmを越えると歯に斑点が生じる事が知られており(斑状歯といいます)、さらにそれ以上フッ素を添加すると毒性が強くなり全身に重大な障害を生じることが報告されています。そのため、日本では一部の市民団体などから「フッ素には毒性がある」として水道水のフッ素化に反対しており、むし歯予防のための水道水のフッ素化が実現していないのが現状です。
むし歯予防の観点からいえば極めて残念な状況でありますが、恐らく今後も当分わが国ではフッ素化は実施されそうにありません。そこで、やや効果は劣るのですが、フッ素洗口やフッ素入り歯磨剤などを毎日応用してむし歯予防に努力していただければ幸いです。