Question 顎が少しカクカクします。痛みはありません。今のうちに顎関節症の予防に硬いものをかんで鍛えたほうがよいですか?
Answer いいえ。顎関節に過剰な負担がかからないようにしてください。
あごがカクカクするのは、口を開くとき、あごを横に動かすときや咀嚼時などいくつかの場合があります。下顎頭とよばれる、あごの関節の端の骨が動くときにカクカクするのです。
正常な場合はもちろんカクカク感はありませんが、関節を作る組織の形や機能が異常な場合に、あごの動きがスムーズでなくなってカクカク感が出てくることがあります。
もともと、あごを動かすときには、この杵に相当する下顎頭という骨が下顎窩という骨の臼の中を移動します。移動する道すじは、関節円板とよばれるクッションや靱帯などによっておおむね決められています。
この道すじに傷ができたり、道を作る関節円板の機能に異常があったりするとカクカクします。この傷がすごく深かったり、関節円板がひどく変形したり、癒着したりするとカクカク感も強くなり、時には口を開くことができなくなるなどの機能障害を起こすことがあります。しかし、おたずねの方は痛みがないということですので、かなり軽症であるといえましょう。
さて、病状悪化の予防ですが、原因の多くは外傷ですから、これ以上あごの関節に機械的負担をかけないようにしていればよいのです。硬いものをかんであごを強くして病状悪化を阻止しようという考えは、むしろ逆効果です。病状悪化を防ぐには無意識のかみしめやうつぶせ寝などの長時間にわたる関節へに負担をさけましょう。
繰り返しになりますが、訓練のために硬いものを習慣的に食べるなどということは「百害あって一利なし」にことわざとおりです。