日本顎関節学会と同時開催の日本口腔顎顔面痛学会に参加してきました。

2015-07-04 08.55.43

2015年の日本顎関節学会は日本口腔顎顔面痛学会という口の周りに関連する痛みを研究する学会と同時開催でした。口の周りでは虫歯や歯周病はもちろんですがそれ以外の様々な病気によって痛みがsyつ元して、その痛みに悩まされることがあります。そのような痛みを研究しているのが口腔顎顔面痛学会です。

顎関節症も時に痛みも伴う病気です。痛みがあることは患者さんの苦痛であり、それを少しでも早く改善したいという患者さんの希望にできるだけこたえるべく今夏のこの同時開催はとても勉強になりました。
もちろんすべての痛みがすぐに改善できるとは限りませんが、最近の研究でわかってきたことや、アメリカの大学で留学して研修を受けた先生の講演などを聞くことができました。

顎関節症の診断方法が現在世界共通基準をつくろうという動きがあり、そのプロジェクトに日本の顎関節学会から複数参加をしているとのことです。現在の診断基準作成の進行状況などの報告もありました。
これからはますますグローバルな視点が必要になってくることになり、さらなる研鑽をつんでいこうと思います。

記 沼尾明弘

食後の歯磨きはいつすればいいの?

食後の歯磨きをするタイミングについていろいろな情報がありますが、それについて日本小児歯科学会から提言が発表されています。

日本小児歯科学会からの提言 (食後の歯磨きについて)

手短に言えば

すばやく歯垢(プラーク)を口の中から取り除きましょう

ということになります。

歯垢(プラーク)とは細菌の塊です。
そのような最近の塊がいつまでも口の中にあると問題を起こすので早めに取り除きましょうということです。

ただ、それがなかなか難しい。本当に取り除けたのかがよくわからないと思います。
そんな時には歯垢(プラーク)を赤く染める液があります。
それを使ってプラークを赤く染めて良く見えるようにして、その赤く染まったプラークを歯ブラシやフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどを使って赤い部分が無くなるまで行えば、歯垢(プラーク)が無くなったことになります。
それでも口の中はよく見えにくいため、歯科医師や歯科衛生士に相談をするとアドバイスをもらい、より歯垢(プラーク)が取り除けるようになると思います。

どうして虫歯は急に痛み出すのか?

急な虫歯の痛みを経験された方はいらっしゃいますか?
なんともなかった歯が急に痛み出すと、とても困ることもあったのだろうと思います。

なぜなんともなかった歯が急に痛み出したのでしょう?

それは急に虫歯が発生したのではなく、長い時間をかけて少しづつ歯を侵食されていたからです。
ただ、少しづつ浸食をされているときは全く自覚症状がないため、自分で虫歯の浸食に気が付くことはありません。
ある程度大きな穴になってきたときに、「冷たいものがしみる」「甘いものを食べると違和感がある」などの症状が出る時もありますが、気が付かないこともあります。

そのままにしておけば虫歯は徐々に浸食をしていきます。
そして、歯の神経の近くまで浸食されたときに、初めて痛みを感じます。
この痛みこそが「急に痛み出した!」痛みなのです。

虫歯があなたの知らぬ間に侵食していきいます。
しかも1本の歯だけでなく、複数の歯で同時進行で侵食をしていくことがほとんどです。
そうすると複数の歯が次々と急に痛み出してくるかもしれません。

自分の知らぬ間に歯が侵食されていることはよくあることなのです。

自分の歯が無くなってしまうとどうなる?

自分の歯が抜けてしまう!
自分の歯が無くなってしまう!

そんなことは他人事だと思っていませんか?

歯が抜けずに残っていることは、表彰されるほどレアな事なのです。
実際に80歳で20本以上の大人の歯が残っていると表彰されます。ちなみに大人の歯は28本あります。
8本もの歯が抜けても表彰されるほど、歯が残っていることは珍しいことになります。
(日光市在住の方で80歳で20本以上の歯が残っていると表彰しています。担当窓口は今のところ日光歯科医師会の私になっています)

さて、それをふまえると、自分の歯が一生もつということはとても素晴らしくて大変な事なのです。

しかし、不幸にも歯が抜けてしまう方はたくさんいらっしゃいます。
そんな時は主に四つの選択肢になります。

1.ブリッジ・・・抜けた歯の両脇の歯を削って橋げたとし、橋を作るよううに歯を作ります。
2.入れ歯・・・取り外しができるものです。1本から全部歯が無くなっても適応できる範囲の広さがありますが、自分の歯に比べると使用感はよくありません。
3.インプラント・・・骨の中にチタンのネジを埋め込んで、それを人口の根として差歯を作ります。お手入れは自分の歯以上に気を付けなければなりません。
4.何もしない・・・歯が抜けたらそのままにする。何もしなくても問題はありますが、ブリッジのように歯を削ることや、インプラントのように骨を削ることや、入れ歯のように異物感などはありません。

それぞれにメリットとデメリットがあります。
分かりやすく説明を心がけていますので、よく吟味してから治療方法の選択をしてください。

歯が無くなった時に、ブリッジや入れ歯やインプラントなど歯を入れることの総称を「欠損補綴」と言います。
先日、欠損補綴のスペシャリストの講演を聴講して、今までに知識や技術のバージョンアップをはかってきました。
日進月歩ではありますが、メリット、デメリット、リスクはいまだに必ずあります。

デメリットやリスクを回避する最善の方法は、「自分の歯を失くさない」ことにつきます。

歯が無くなるとどうなる?

近年の顎関節治療について

写真 1 (9)

日本顎関節学会会員なってからすでに17,8年ほど経過します。
その間に、顎関節疾患の診断や治療については年々変化していってます。
20年前に盛んにおこなわれていた治療方法の中には、今ではごく限られた症例にのみ行われているものもあります。
逆に研究が進んだことによって、昔はあまり積極的に行われていなかった治療方法が、最近の治療の中心になりつつあるものもあります。
これらは世界中で行われている日々の研究成果によってより良いものへと変化をしていきます。

このような変化は専門学会に所属しながら、継続的に学術大会へ参加をしていくことによって実感してきました。

医療の基本ではありますが、まず適格な診査をして顎関節疾患の診断をしっかりと行うことが大切です。
患者さんが訴えている病態が、どのようなものが原因で発症しているのかを的確にとらえなければいけません。
それによって適切な治療方法を選択し、患者さんへ提示をして同意が得られることによって、治療が開始されます。

最近の学術大会ではその診断についてのディスカッションがメインテーマとされています。
日本では日本顎関節学会が定める顎関節診断基準がありますが、世界にはそのほかにもいくつかの診断基準があります。
同じ疾患を診断するのでおおよそ類似してはいますが、細かな部分のニュアンスなどの認識がアップグレードされていたりする場合がありますので、
そのあたりも学会でのテーマになっているものもあります。

顎関節疾患の診断が確定すればそれに準じて治療方法が選択されます。
治療方法についてもたくさんの研究がなされており、最初の病態に対して有効な治療方法やあまり有効ではない治療方法はどのようなものがどれくらいの割合であるかなどの結果が出されています。

我々臨床医は、患者さんの病態を的確に診断し、適切な治療方法をいくつか提示し、患者さんと相談をしながら治療方針を決めていきます。
顎関節疾患は慢性的な疾患がほとんどなため、長く上手に付き合っていく必要性があります。

歯科衛生士専門学校オープンキャンパス

宇都宮歯科衛生士専門学校

宇都宮にある歯科衛生士専門学校のオープンキャンパスが今年もまた開催されるようです。

歯科衛生士とは歯医者さんの看護師さんのようなものです。
歯のお掃除をしてくれたり、虫歯や歯周病予防をしたりすることが主な仕事です。
歯を掃除すれば口の中が爽快になりますし、予防してくれればいつまでも自分の歯で食事が楽しめます。
このような仕事なので患者さんからも大変喜ばれます。非常にやりがいを感じることができる仕事です。

このような歯科衛生士になるための専門学校です。
こちらに詳細が載っているようです。
http://www.uda1977.com/senmon.html

歯周病学会に参加してきました。なぜなら・・・・

先日岐阜で開催された日本歯周病学会へ参加してきました。
学会とは様々な実験を元に研究をなされた研究の発表があったり、新しい治療方法について考察やディスカッションなどが行われるものです。
今回参加した学会は歯科の中でも、歯周病に特化した内容についてのものです。

なぜ、今回歯周病学会へ参加して最新情報を得てきたのか?
それは歯周病を患っている方がたくさんいるので、そのような方々に対応できるように最良かつ最新の知識を得るために参加してきました。
極端な言い方かもしれませんが、今や歯周病でない健康な成人を探すことが難しいくらい、歯周病になっている人はたくさんいます。

どれくらい歯周病の方がいるかというと
30歳では4人中3人(75%)も、60歳では10人中9人(90%)もの方に、歯周病を疑わせる病変があることが分かっています。(数字は厚生労働省が実施した平成23年度歯科疾患実態調査より抜粋。歯科疾患実態調査とは6年ごとに厚生労働省が全国的に調査をしています)
しかし歯周病を疑わせる病変があっても、それらの病変のほとんど自覚症状がないため、自分では気が付かない方がほとんどなのです。あなたは30歳なら25%、60歳なら10%しかいない、歯周病病変のない健康な方のグループに入っている自信はありますか?

自覚症状がないけど歯周病かどうかを知るためには、歯周病の検査を行えば詳しくわかります。
歯周病であるかないかだけではなく、歯周病の病変が初期なのか?軽度なのか?中程度なのか?重症なのか?末期なのか?が分かります。
歯周病の病変が分かれば治療方法がおおよそ決まってくるので、抜かなければならないほど悪くなる前までに、適切な治療を施すことができ歯を保存することができます。
その結果、歯が無くなってしまったために入れ歯をいれてわずらわしい思いをするより、自分の歯を長く使って快適な生活をしていくことができます。

歯周病の検査は健康保険適応になっており、おおよそ2000~3000円が目安です。

第57回春季日本歯周病学会学術大会 岐阜

矯正治療で歯並びをきれいにするメリットとは?

この写真は当クリニックにて矯正治療を行った治療前後の写真です。患者さんは10代女性です。
大門美咲初診時05
↑治療前 ↓治療後
大門美咲動処後05
矯正治療を行うとどんなメリットがあると思いますか?
まず、見た目が綺麗になることはどなたも感じることではないかと思います。
しかし、矯正治療のメリットはそれだけではありません。
1.歯並びがきれいになると毎日の歯のお掃除が格段にしやすくなります。
掃除がしやすくなり、歯の汚れが取れやすくなれば虫歯や歯周病になりにくくなります。
その結果、予防には非常に有利になり、年齢を重ねても虫歯や歯周病で自分の歯を失う可能性が少なくなるため、入歯やインプラントもやらなくて済むようになるかもしれません。
2.発音がしやすくなります
歯が無くなったり、すき間があいたりすると息が漏れるため発音がしにくくなります。
発音がしにくくなれば相手に通じにくくなり、コミュニケーションが難しくなるかもしれません。
ずっとコミュニケーションが苦手なまま過ごしていくのは辛いことでしょう。
3.咬みやすくなります。
歯並びが悪いと、しっかり噛んでいないため食物をよく噛み砕くことができず
美味しく食事をすることが難しくなったり、ほかの人より異常に食事をする時間が長くなったりとする可能性があります。
食事はいくつになっても楽しくしていきたいものです。
見た目を改善することも大切ですが、それ以外にも改善することによって人生をずっとグレードアップすることができます。
歯並びが悪いと将来、虫歯や歯周病になってその都度治療を繰り返し、高額な医療費が発生しつづけるかもしれません。
矯正治療をすることによって精神的にも金銭的にも有意義な人生を送ることができるかもしれません。
そのため矯正治療は先行投資として欧米では考えられています。
もちろん矯正治療は歯が健康であれば年齢は関係ありません。当クリニックでも50歳代の方が矯正治療を行っていたこともあります。
矯正治療は健康保険適応外の治療になりますが、当院では初回矯正相談は無料で行っております。初回相談でおおよその治療方針と費用についてご説明させてもらっております。その後、ご本人とご家族とじっくりと時間を取って話し合いをしていただき、矯正治療を行うか否かを決めていただいております。
この写真を使用することはご本人の保護者の方のご了解をいただいておりますので、ここで紹介をさせていただきました。

がんに患ってしまった方と歯科治療

写真 (15)

がんは日本人の二人に一人がかかる疾患であり、死因の第一位でもあります。誰しもが遭遇する病気であります。
そのようながんはご本人や家族は大変不安を抱えながら治療を行って、がんと闘っている方もたくさんいらっしゃいます。
がんの治療には抗がん剤や放射線による治療、手術による外科治療など様々なものがあり、ご自身の体に大きな負担がかかる時があります。

そのようながん治療を行っているときやがん治療後においても、むし歯や歯周病など口や歯のトラブルが起こることもよくあります。
たとえば、歯が痛い、歯肉が腫れた、膿が出てくる、歯がしみる、口の中が乾く、口内炎ができる、など様々なトラブルがあるかと思います。

そのようなお口のトラブルにも対応できるように、がん治療を行っている医科の医師と、歯科治療を行う歯科医師との連携をスムーズにするための講習会が開催されました。
医師と歯科医師との治療に関しての情報交換や意見交換をおこなって、患者さんがより良いがん治療と歯科治療を受けられるようにしていきます。
そして治療後も癌の主治医との連携を保ちつつ、快適なお口の環境を守っていけるようにと考えています。

平成26年 歯と口の健康週間

写真 (12)

歯と口の健康を皆様に普及啓蒙するために行政と歯科医師会が実施している週間です。

ポスターに書いてある
「一生自分の歯で食べよう」
というのは、自分の歯が無くなって食べられなくなったり、入歯で不自由な思いなどは誰もしたくはないと思います。
そのためにも普段から、自分の歯と口の中の健康を守るために大切なことは色々あります。

毎日、歯を磨いていても虫歯や歯周病になって痛い思いをしたことはないですか?

歯と口の健康を守ることは簡単にはいかないことが多いです。
自分では見えにくい口の中は、定期的にチェックをして歯をクリーニングしたり、歯ブラシのコツを教わってもっと上手に歯ブラシができるようになると、より歯と口の健康を維持することができます。その結果、自分の歯が長持ちをします。

「一生自分の歯で食べよう」

是非、一生自分の歯で食べ続けたいものです。