70歳でもインプラントは可能ですか?

Question 「総入れ歯はもういやだ」という70歳の母は最近インプラントに関心があるようです。とても元気ですが、高齢なので心配です・・・。

Answer ご高齢の方でもインプラント治療は可能な場合も多いです。まずは相談してみましょう。

 インプラント治療とは、天然の歯根の代わりに人工の歯根であるインプラント体を顎の骨(歯槽骨)に埋め込む外科手術をいいます。

 高齢者へのインプラント治療でもっとも注意すべき点は、患者さんの健康状態の把握です。高齢者は糖尿病や心疾患、高血圧、骨粗しょう症など外科処置を行ううえで注意すべき疾患をもっていることが多いからです。問診などで患者さんがそういった疾患をもっていることがわかった場合は、主治医と相談して、その状態をさらにくわしく調べます。

 また、歯槽骨の状態をよく調べる必要もあります。これは高齢者に限ってのことではありませんが、高齢者であればより慎重に診断しなければなりません。というのも、高齢者で総入れ歯をしている場合は、インプラントを行ううえで理想的な歯槽堤であることは少なく、思いどおりにインプラントを埋め込むことが難しいのです。

 高齢者で総入れ歯の方へのインプラントにはさまざまな方法があります。たとえば、2本のインプラントを入れて総入れ歯の支えにする方法や、失った歯の本数に近い数だけインプラントを埋め込んで、歯のあった状態と同様の状態まで回復させる方法などです。

 総入れ歯に不満をもつ方はインプラントの専門医に相談されるとよいと思います。私の経験では、総入れ歯だったほとんどの患者さんから「よく噛めるようになりました」といった感想をいただいています。おいしく食事ができるということは、高齢者の方々には何よりも大切なことです。

インプラントはいくらぐらいかかりますか?

Question インプラントをすすめられた友人の悩みは治療費だそうです。いくらぐらいかかりますか?

Answer インプラントは自由診療なので先生の考え方や方針によって治療費はちがってきます。インプラント治療では通常の健康保険が適応されず、自由診療の扱いとなります。

 実際、インプラント治療などの自由診療の治療費は、先生の考え方や医院の方針によって決まります。その治療に必要な歯科材料や院内設備、治療の難易度、治療に対する時間などを総合的に判断しています。

 したがって、私が「この治療費は安い」とか「高すぎる」ということはできませんが、日本におけるインプラント治療にかかる費用を考えると、インプラント一本で20~50万くらいで提供している歯科医院が多いと思われます。

 ただ、必ずしも「安い=信用できない」ということにはつながらないと私は思います。その逆も同様で、「高い=信用できる」とはかぎらないでしょう。

 大切なのは、まず先生と直接会って話をして、その先生が信用できそうかどうかをご自身で判断することです。また、自分なりにいろいろ調べて、インプラントに対するある程度の知識を得ておくことも重要ではないかと思います。

 たしかに治療費は切実な問題ですし、インプラント治療は高額かもしれません。しかし、治療費だけにとらわれずに、治療後に得られるメリットを考えてみてもいいのではないでしょうか。

インプラントの治療期間はどのくらいかかりますか?

Question インプラントの治療期間はどのくらいかかりますか?

Answer 通常、4ヵ月から7ヵ月かかります。

 インプラント治療には、歯を失った部分の歯槽骨(顎の骨)に歯の根の部分の代わりとなるチタン製の人工歯根(インプラント)を植え込んでから骨としっかり結合するまでの安静期間が必要です。

 一般的には下顎で3ヵ月、上顎で6ヵ月必要であるといわれています。

 そして、手術後、一定期間安静にした後、型採りをして、インプラントの上部に補綴物(歯の部分)を作製し取り付けます。これではじめてしっかりとかめるようになるわけですが、合計すると短くてもおおよそ下の顎は4ヵ月、上の顎は7ヵ月かかることになります。

 しかし、インプラントを埋め込む部分の骨が足りない場合は、骨を増やす処置が必要となります。程度にもよりますが、土台となるしっかりした骨を造るには6ヵ月必要となります。

 また、まだ抜歯をしていない方は抜歯に至った理由にもよりますが、抜歯の痕が完全に治癒するまで少なくとも3ヵ月はかかりますので、それも計算に入れてください。

 インプラント治療は歯のない部分だけ治療をしても良い結果は得られません。

 残っている歯の治療も含めた治療計画について、担当歯科医師に十分な説明を受けることをおすすめします。

 また、治療期間の長い治療方法ではありますが、かめるようになったときの快適さと満足感は「言葉では説明できないものがある」と、治療を受けられた多くの方はおっしゃいます。

インプラント治療はどんな歯医者さんに行けばよい?

Question インプラント治療を受けたいのですが、どんな歯医者さんに行けばよいのでしょう。
Answer 信頼関係の得られる歯医者さんをおすすめします。
現在、日本には6万軒以上の歯科医院が存在します。治療を受けるには、その中の1軒を選んで受診することとなります。
理想では、技術はもちろんのこと、インプラント治療に造詣が深く、経験豊富、関連する学会や講習会に積極的に参加し、研究・臨床報告などを頻繁に行っている先生。
また、常に知識と技術の向上をはかり、多種多様な治療方法に精通しておられ、患者さんの気持ちのわかる先生が良いのですが、なかなかそのような理想的な先生にめぐり合うことは難しいでしょう。
そこで、インプラント治療を受けるにあたって目安となるポイントをご紹介します。
① 専門的事項を、やさしい言葉でわかりやすく説明してくれる。
② メリットはもちろん、デメリットについてもしっかりと教えてくれる。
③ 外科処置を必要とするわけですから、相応の設備の整った診療室で、常に清潔。
④ 同じようなインプラント治療を受けた方の評判。とくにメンテナンスの充実度。
しかし、もっとも重要なのは、現在の状態と病気の原因、さまざまな治療方法につい説明を受け、歯科医と患者さんが共同の治療目的を設定し、同意のもとで治療を受けることです。
そして、お口のなかの健康を長持ちさせることを第一に考えたうえで、長くお付き合いのできる良い歯医者さんを選んでください。