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4月から働く予定の新卒者から昨日電話があった。「衛生士の試験合格しました」とのこと。合格おめでとう!先輩たちが新卒者1人のために研修カリキュラムを作って待っています!患者さんから信頼される衛生士に一日も早くなって欲しいものです。
歯が1本もなくなってしまった方には総入れ歯(専門用語では総義歯・ソウギシ)を使うようになります。
例えば脚がなくなったときには義足を作ることがあるかと思いますが、誰もが自分の足があったときと同じように義足を使って生活することは難しいことは想像できると思います。
それと同じように自分の歯があったときと同じように食べたり話したりできるようになるには相当大変なことなんです。
しかし私たち歯科医師はそのような患者さんにもできるだけ生活しやすい入れ歯を提供しようとしています。
今回はそのような思いが強い歯科医師・歯科技工士(入れ歯や歯を作成する専門職)たちが集まってくるセミナーへ参加してきました。
総義歯が専門の深水先生、東京歯科大学解剖学准教授の阿部先生、歯科技工士の堤先生のレクチャーを二日間にわたり聴講してきました。
総義歯学という専門の学問があるくらいなので、奥深いものとは知っていましたが今回の話でもいろいろな新しい知識を得ることができました。これから1年間の総義歯の専門コースが始まります。さまざまなものを吸収して、今まで以上に使いやすい入れ歯を提供できるようがんばりたいと思います。
今回、聴講してきた内容の1つを紹介します。
良く噛むことは脳に良いといわれることが多いですが、その実験として脳の活性度を測定することができるファンクショナルMEIという装置がありますが、それを用いて噛んだときと噛んでいないときの脳の活性を比較したとき、噛んだときのほうが明らかに脳の活性が上昇します。つまり脳が良く働いているということになります。
さらに、20代の人と60代の人を比較したところ60代のほうが脳の活性は上がるそうです。つまり、歳を重ねるほどに良く噛んだほうが脳の働きはよくなっていくということです。
自分の歯で良く噛めることが理想ですが、不幸にも歯がなくなってしまった場合はできるだけ噛める入れ歯で噛んだほうが脳にも優しいということです。
先日、1年間続けてきた歯周病の勉強会が終わりました。歯周病専門医であるスウェーデンデンタルセンター弘岡秀明先生に講習・実習・症例報告などの研修を行い行い指導していただきました。
今まで保存できずに抜歯になるような歯も、できるだけ残せるようにしていきたいと考えています。ただし弘岡先生もお話していましたが、全ての歯が残せるわけではなく、重症化しすぎた歯はやはり治療の限界があり抜歯とせざるを得ないこともあります。抜かないといけないほど重症化して欲しくないですね。
自分の歯を長く使っていくためには、まずはしっかりと歯周病の治療を行わなければなりません。その後は歯に汚れがついてしまうとすぐに歯周病は再発してしまうので、毎日のハブラシ等を行って歯の汚れを丁寧に落としておくことと、定期的に歯科医院でのチェックと歯ブラシでの磨き残しのクリーニングを行っていくことが、自分の歯を守っていく重要なことになります。「痛くなったら歯医者に行く」では重症化してしまいます。「痛くならないよう歯医者でメンテナンス(お手入れ)をする」といった感じでないと自分の歯を守っていくことはできません。
そこまで治療とメンテナンスを行っても不幸にも自分の歯を抜くようなことがあれば、なくなった部分だけに対してインプラントという選択肢も検討しても良いかと思います。
無事に1年間の研修の最後に帝国ホテルにて卒業式が開催されました。無事に私も終了証をいただくことができました。写真はそのときのものです。
これからも年数回の弘岡先生主催の勉強会があるので、そちらへは継続的に参加をして勉強を続けていきたいと思います。
先日、栃木県内にある早乙女歯科医院を見学させていただきました。
そこの歯科医院は通常の歯科治療のほかにインプラントや予防歯科・メンテナンスにも力を入れている歯科医院です。
さらに昨年「キッズデンタルパーク」という新しいコンセプトの小児歯科をはじめました。
こども専用の待合室と診療室などがありそこの作りやコンセプトが子どもを歯医者嫌いにさせないようになっています。実際、見学中にも小さなお子さんが来院していましたが泣いたり暴れたり嫌がったりなどするお子さんは1人もいませんでした。
これなら0歳児からもしっかりと予防歯科を浸透させることができ、むし歯のない大人へとなってもらえるようになるのではないかと思いました。日々小さなお子さんには歯科治療のトラウマを作らないよう心がけて診療を行っているだけに、このようなコンセプトの歯科医院があることはとても勉強になりました。
数年前から毎年参加しているセミナーへ行ってきました。それは差し歯を作る方法と白いプラスチックで詰め物をしていく方法を勉強するセミナーです。毎年のように新しい技術や材料が出てくるので、新しいものの良いところを自分の技術と知識に取り入れるために毎年参加しています。
今年は虫歯になった部分を削って白いプラスチック(コンポジットレジン:CR)を詰める技術においてかなりいい方法のレクチャーがありました。
実際、その方法を早速クリニックで取り入れて行ってみましたが、今まで以上に自然な仕上がりで虫歯を治療できました。かなり有用な方法なのでこれから虫歯治療のスキルアップができたと思います。それでも数年間のうちにはプラスチックは変色する事は避けてとおれないので、やっぱり虫歯にならないで自分の歯を大切にするほうがずっといい事は変わりありません。
平成22年1月25日の夜10時からテレビ東京で放送されるカンブリア宮殿という番組に「マニー」という医療メーカーの社長松谷貫司氏が登場します。
地元栃木県(宇都宮市・塩谷郡高根沢町)にある会社ですが手術針で日本国内や世界のトップシェアを持っている会社です。
手術のときに縫う針のほかに歯科の器材も提供しており、歯の神経の治療をする細い針金のような器材や、歯を削るときに使う研削研磨器具ダイヤモンドバーも製作しています。私はそのどちらも研修医時代から愛用しています。
手術用の縫い針が有名だと初めて知ったのは、私が麻酔科研修時代でした。自治医科大学の麻酔科で研修していたときに外科用(手術用)の縫合針にこのマニー社の製品があることをしり、そこの現場では多くの外科医から信頼され使用されていました。
地元企業であり製品の品質がすばらしいことから開業した今でもマニー社製の手術用縫合針・ファイルという根管治療器具・歯を削るダイヤモンドバーは十数年以上愛用しています。
「針金屋」と言われているそうですがマニー社製の器具は本当に粘りがあり信頼して毎日の治療に使用することができます。安全な医療を提供するにはこのようなこだわりのメーカーがあることは非常に心強いものです。
先日、海外の大学院へ留学して博士や専門医となって帰国してきた歯科医師数名による講演会があったので参加してきました。
主催者は米国歯科大学院同窓会(JSAPD)という組織です。これはアメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国へ2年以上の留学をして博士号や専門医の資格などを取得してきた歯科医師たちの組織です。
今回のセミナーでは歯周病の専門医・インプラントの専門医・補綴(入れ歯など)の専門医・矯正の専門医など5名の専門医の先生たちの講演を聞いてきました。
写真は休憩時間の会場内の様子です。
日本の歯科とはまた違った教育を受けてきた先生方ばかりの講演だったので、普段目にするしか情報とはまた別のグローバルな視点からの考え方を学ぶことができました。日本だけの情報に偏らずに、世界中の歯科の情報からこれからも勉強していかなければならないと今まで以上に思いました。
今回はお世話になっている先生が講演者の1人だったので、たまたまこのような機会にめぐり合えたことはとてもラッキーだったと思います。
しかし、ずっと昔から数多くの日本人が海外へ留学し勉強をしにいっていたことは私の想像をはるかに超えていました。まだまだ見聞を広めないといけないことはたくさんあるなと実感して帰ってきました。
これからも米国歯科大学院同窓会(JSAPD)の公開セミナーは積極的に参加していきたいと思います。
最近Googleのコマーシャルのなかに「むしばにならないおやつ」という表記がされているのを見ていろいろと調べてみました。
そもそもむし歯とは、ザックリ言うとばい菌が歯を溶かすために穴があいていくことなのです。
ばい菌が歯を溶かすときに出す酸は、食べ物の中に含まれている糖分をエサにしてばい菌は酸を出します。
ということは、糖分がない食べ物であればむし歯にはならないことになるため、そのような食べ物をおやつが「むしばにならないおやつ」になります。
しかし、糖分がない食べ物だと甘さがすくないため子どもが食べるおやつになるのか?という心理的な問題はあるかもしれませんね。
書籍でむし歯になりにくいおやつのレシピがあったのでここに引用しておきます。ご参考にしてみてください。
【口のなかを酸性にしないおやつ】①にんじんと大根のスティック/ヨーグルト1:マヨネーズ1のディップをそえて。②プロセスチーズのおかか揚げ/プロセスチーズを食べやすい大きさに切り、薄力粉で作った衣をつけ、パックのかつおぶしを全体にまぶす。油で揚げてできあがり。季節の野菜やチーズ、ナッツなどは、食べても酸性に傾かないので、むし歯にはなりにくいおやつの代表格です。
【ゆっくり酸性に傾くおやつ】ちいさなおにぎりやロールサンドなど。おにぎりは小さく握り、ごま塩やふりかけをまぶす。トースターで焼いてから、醤油や味噌を塗ったプチ焼きおにぎりもおすすめです。サンドイッチパンでウィンナーを巻き、爪楊枝でとめ、トースターで焼く。斜めに切っていただく。【口になかをサッと通り過ぎる甘いおやつ】甘いおやつでも、口の中をサッと通り過ぎるものならOK。フレッシュフルーツ入りゼリー/市販のゼリーや寒天ゼリーの中に、季節の果物を入れ、まわりにもフレッシュフルーツを飾る。ゼリーは口の中をサッと通り過ぎ、果物を噛むことで、だ液が出て酸を中和してくれます。アイスクリームやシュークリームなども、停滞しにくいおやつといえます。上手に利用してくださいね。
しかしばい菌のエサになる糖分は、人間にとっても大切な栄養となるために糖分を全く取らないということは現実的に無理なことになります。上手に食べ物から糖分を摂取することが「むしばにならないおやつ」の大切なところです。
そこで「むしばにならないおやつ」に関連してくる専門的で科学的な研究が行われたものがあるのでそれを紹介します。
むし歯の観点から糖分は二つに分類することができます。むし歯のばい菌が歯を溶かす酸を作り出すときの栄養となってしまう発酵性糖質と、酸を作り出す栄養にならない非発酵性糖質に分けられます。発酵性糖質の代表的なものはスクロース(ショ糖)やフルクトース(果糖)など食べ物に良く入っている糖分です。それに対して非発酵性糖質の代表的なものはキシリトールになります。それらを使ってフィンランドで人間を対象に大規模な虫歯の研究がされました。その研究の内容は125名の人間を1班はスクロースのみ2班はフルクトースのみ3班はキシリトールのみの3つのグループに分けて、それぞれ2年間にわたって摂取し続けたそうです。2年後のそれぞれの班のむし歯の動向を調べたところ発酵性糖質であるスクロースとフルクトースを食べていたグループは虫歯が多発しましたが、非発酵性糖質であるキシリトールのグループではほとんどむし歯は発生しなかったそうです。
この研究結果から食べ物の糖分がキシリトールでできているもであれば「むしばにならないおやつ」ということになります。
もう1つ「むしばにならないおやつ」の研究を紹介します。
スウェーデンにあるビペホルム病院の入院患者436名を対象に行われた実験です。トフィー(砂糖と糖蜜を煮詰めたキャラメルのようなお菓子)・チョコレート・キャラメルなどの発酵性糖質の食べ物を食事のときに一緒に食べていたときはむし歯の発生は少なかったのですが、食事と食事の間の間食としてそれらの食べ物を食べるようになったら急激にむし歯の発生が増えたとの研究結果があります。つまり甘いものを食べるタイミングを間違うとむし歯になってしまうということです。発酵性糖質は食事のときだけにして(食事も発酵性糖質です)、間食では発酵性糖質を含まない食品を食べるようにすることがむしばになりにくくなります。
これらの科学的に実証されたデータがあることから、厚生労働省特定保健用食品(トクホ)のなかにもキシリトールガムやキシリトールタブレットの製品が数多く許可を受けています。
そのため最近はキシリトールの入った製品が多く売られるようになっています。その一部を紹介します。
キシリトール(XYLITOL)入りのタブレット(飴)です。ガムが咬めない小さなお子さんにはオススメのものです。ラミチャック式なので携帯するときも邪魔にならずいつでもなめられます。スティッチのパッケージはリンゴ味やイチゴ味がミックスして入っておりお子様向けです。下のほうはミント味で大人向けとなっています。
こちらはキシリトール(XYLITOL)入りのガムです。ラミチャックのものは3種類あり左からクリアミント味・マスカット味・アップルミント味となっています。
マスカット味はボトルタイプもあり自宅で使用するときにはこちらのほうが量が多く便利です。私も愛用しています。
市販のものよりキシリトールの含有量が多いため、キシリトールの効果も期待できます。
キシリトールの注意点です。虫歯にいいのならキシリトールを大量に取ればいいんじゃないか?という風に考える方もいるかと思いますが、大量にキシリトールを摂取するとおなかがゆるくなることがあります。そのため大量に食べないようにガムや飴などにしてキシリトールの製品は作られています。適度な量を守ってお使いくださいね。
歯医者が嫌いな人はたくさんいると思います。
「歯を削るドリルの音が嫌い」 とか 「歯医者独特の薬の臭いがキライ」 などさまざまなキライな要素があると思います。
その中で麻酔の注射が痛くてどうしても嫌いという方もたくさんいると思います。
今まで当院では歯の麻酔の注射のときの痛みを少しでも和らげるために、注射をする部分の歯肉表面を麻痺させる表面麻酔薬を塗ってから注射をしてみたり、麻酔のときに使う注射の針を33ゲージというもっとも細い針を使用したりしていました。(ちなみに、点滴や採血をするときに使用する針よりもずっと細いです)
さらに今回、麻酔の痛みを和らげるために新しい機械を導入しました。電動の麻酔注射器です。
まず最初にお試しの機械を一度借りて使用しました。その都度患者さんに注射の痛みの具合を聞いてみたところ痛くなかったとの声を聞かさせていただいたので、今回導入することに決めました。コンピューターで麻酔の量をコントロールしているため痛みを感じにくいようになっています。注射をしているときに薬が中に押し込まれるような圧力を感じなくて痛みもないとの患者さんからの意見も多くあります。
借り物の機械だったので一度返却してから納品までの間は、従来どおり通常の麻酔の注射を使って診療をしていましたが、前回機会の麻酔で注射したお子さんに
「え?今日は機械じゃないの?なんで?この前痛くなかったのに・・・・・機械の方がいいなー」
と、思いっきり残念そうなお子さんもいました。
今はもう新しい電動注射器がありますので、治療で麻酔が必要なときはこの機械を使っています。