子供のむし歯の予防って何歳からはじめればいいの?

お子さんのむし歯が心配のお父さんお母さんはたくさんいると思います。
そこで皆さん聞いてみたいところは
「子供のむし歯予防は何歳になったらはじめればいいですか?」
という質問。

結論から先に言います。

その質問をされたら何歳であっても
「今からです!」
が答えです。
その理由は
「むし歯予防は早ければ早いほどメリットが大きいからです。」

もうひとつ、歯ブラシでの悩みですが
「まだ子供が小さいので、歯ブラシがうまくできません。」
ということ。
「むし歯予防=歯ブラシだけ」 だと思っていませんか?
歯ブラシはむし歯予防方法のひとつでしかありません。むし歯予防に歯ブラシは必要ですが、歯ブラシだけでは予防は難しいのが現状です。歯ブラシ以外のむし歯予防方法も上手に組み合わせて、そして継続することによってむし歯予防を行っていきます。

それでは歯ブラシ以外のむし歯予防方法をいくつか紹介します。 
・規則正しい食生活をする。
・フッ素を積極的に使用する。使用方法の詳細はこちらを参考にしてみてください
・キシリトールやリカルデントを使用する。
・定期的なむし歯チェックと歯の掃除などのメンテナンスを受ける。
・おもに同居している家族のむし歯治療と歯の掃除をして口の中を清潔にしておく。
などがあります。

ぜひ歯ブラシだけにこだわらず多種多様あるむし歯予防方法から正しくかつ有効なむし歯予防方法を歯科医院で相談しながら実行してみてください。

日光市のこども医療費助成制度が平成24年4月から便利になります。

現在、日光市のこども医療費助成制度では
3歳未満のお子さんは医療機関の窓口で支払いがありません。
3歳以上中学3年生までは医療機関の窓口で支払った分は、あとで市役所へ届け出ると支払った分が返金されます。

しかし平成24年4月からは
中学3年生までのお子さんは医療機関での窓口支払いがありません。

というように変わります。

つまり、
今まで3歳か中学3年生までは医療機関にかかるときはお金を支払いましたが、4月からは支払う必要がなくなります。
同時に、助成を受けるために申請する手間もなくなります。子育てに忙しい皆さんには朗報ですね。

歯科にとって産まれてから中学3年生までの時期は非常に大切です。
・虫歯菌の母子感染のリスク
・乳歯がはえてきたころからはじまるむし歯予防とむし歯治療
・生え変わり時期にチェックが必要な歯ならび
・歯肉炎や歯周炎など歯肉のトラブル
・成長に伴う顎関節の変化
・転んだりスポーツをして顔面に外傷を受ける
このようにいろいろな変化や問題が起こります。

大人になって痛くてツライ思いをしないように、この時期を乗り切れるよう
この「こども医療費助成制度」を上手に使いながらお子さんの成長を見守ってください。

虫歯予防に使うフッ素の種類はたくさんあります。

虫歯予防にフッ素が有効なことはご存知の方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、フッ素の有効な使用方法はどうすればいいのかお悩みの方も多いのではないかと思います。フッ素の種類や使用方法は多種多様なので、悩まれて当然なことなのです。

まずはフッ素の種類について解説します。
①フッ素入り歯磨きペースト : 最も一般的なフッ素の使用方法です。毎日行うの歯磨きペーストにフッ素入りのものを使用することにより虫歯予防を行います。1回の使用量は年齢で変わります。使用回数は虫歯のなりやすさで決めていきます。
②フッ素洗口法 : フッ素入りのうがい液でブクブクうがいをして虫歯予防をします。使用濃度や回数は歯科医師や鹿衛生士などに相談してみてください。
③フッ素塗布 : 歯科医院などで高濃度のフッ素を塗る方法です。歯が汚れているとフッ素の効果が十分に発揮されないので、きれいに掃除してから塗布すると効果抜群です。
④フッ素バニッシュ : 歯科医院で初期虫歯などの部分にピンポイントで塗る超高濃度のフッ素です。

ほかにもフッソの使用方法はありますが、これらは一般的なものの紹介です。

これらのフッ素は使用回数や方法などを個人個人で決めながら、さらにそれぞれの種類を組み合わせていって虫歯予防を行っていきます。上記のうちどれかひとつだけやっておけば十分ということはありません。いろいろな方法を組み合わせて初めて予防効果が上がります。
それを行うためにはやはり患者さん自身では難しいところがありますので、自分に合ったふっ素の使用方法を歯科医師や歯科衛生士へ相談してみることが、フッソをもっとも有効に使っていくコツだと思います。

例えば使用方法としてはこんな風です。
①フッ素入り歯磨きペーストをつかって毎食後1日3回歯磨きをして、夜寝る前には②フッ素洗口法を行います。そして3ヶ月ごとに歯科医院へ行って虫歯のチェックをして初期むし歯があればその部分だけ④フッ素バニッシュをして、全部の歯には③フッ素塗布を行っていく。
こんな感じになります。

さらに悩ましいことに、むし歯予防はフッ素以外にもいろいろな方法があります。フッ素以外の方法も組み合わせていくことを考えると、歯科医師や歯科衛生士に相談して自分に合った適切なむし歯予防方法のレシピを相談しながら組んでいきましょう。

むし歯予防先進国でのむし歯予防方法とは?

北欧のスウェーデンは国民のむし歯予防に成功した国のひとつです。どれくらいむし歯予防を成功させたかというと、一人当たり平均15本もあった12歳の子供たちのむし歯を、数十年後には一人当たり平均1本以下まで減らすことに成功しました。ちなみに現在の日本の12歳児では一人平均2~3本のむし歯があります。

12歳児といえば大人の歯(親知らずを除く)が28本全部だいたい生えそろってくる時期になります。昔のスウェーデンは大人の歯28本中平均15本も12歳児にはむし歯がありました。しかし、国をあげてむし歯予防に取り組んだところ一人平均1本以下のむし歯に予防することに成功しました。これだけ虫歯の数を減らせたので、むし歯が1本もない12歳児もたくさんいます。スウェーデンの12歳児の60%以上がむし歯ゼロなのです。これは3人中2人はむし歯がない子供たちということです。

そのためスウェーデンでおこなわれたむし歯の予防方法は世界各国で認められスタンダードとなってきつつあります。そのスウェーデンのなかでむし歯の予防方法発信の中心となった大学のひとつに「イエテボリ大学」というところがあります。(日本の歯科業界内でもかなり有名なスウェーデンの大学です。)そのイエテボリ大学の教授が2名来日して二日間のセミナーを開くとのことだったので、むし歯予防の本場で世界基準となりつつある予防方法を学ぶべくセミナーへ参加してきました。

とは言うものの、スウェーデンやイエテボリ大学のむし歯予防方法は世界的に有名になっているだけあって、その方法は日本でもかなり浸透してきています。大体の方法はすでに知っている内容でした。しかし、本や論文で読んだだけではうまく伝わりきれない細かな方法論や、ここ数年で研究が進みまた違った見解になっているところなどがあり、むし歯予防先進国のむし歯学(正式にはカリオロジーといいます)の教授から直接話を聞くということは今まで以上にむし歯予防方法について深く理解をすることができました。

深く理解できた内容のひとつに 「イエテボリテクニック」 というスウェーデンイエテボリ大学で行われているむし歯予防するための歯磨きのやり方があります。この歯磨きの仕方を直接指導してもらい、詳しいところまで教えていただきました。

ここで、むし歯予防に大切なことを要約して列記してみます。

1.「できる限り歯を削らない」ことであり、そのためには自宅で毎日行うその人に合った適切なホームケアと年間数回行うデンタルクリニックでの定期的なメンテナンスケアが必須になってきます。それによりむし歯の進行を止めることができ、結果的に削ることが回避できるようになります。

2.しかし、それでもむし歯で穴があいてしまった場合はそれ以上にむし歯の穴が大きくならないよう、できるだけ早期に削って詰める必要があります。詰めた後も虫歯が再発しないよう適切なホームケアとメンテナンスが必須です。

3.むし歯予防に年齢は関係ないこと。歯が生えてきた乳児から全部の歯がなくなるまでの人すべてがむし歯予防の対象になります。つまり、自分の歯がある人は全員むし歯予防が必要になります。

主にこのようなことを守ることによってスウェーデン国民のむし歯予防に成功しました。今回、学んできたイエテボリ大学の方法を患者さんへ還元することにより、患者さんのむし歯予防をより強化していきたいと考えています。

また歯周病とむし歯・矯正治療とむし歯・ブリッジやインプラントとむし歯・口臭とむし歯・高齢者とむし歯・全身疾患とむし歯・などの関係についても詳しく話をしていただきました。口のなかのことなので虫歯以外のことも十分考慮していかなければならず改めて幅広い知識と技術、そして日々進歩している歯科医療の情報を常に入手していかなければならないと強く思いました。

今回は東京都町田市にある宇藤歯科医院の宇藤院長、岐阜県岐阜市にあるノアデンタルクリニックの渡辺院長と一緒に参加してきました。この間、セミナー内容についてはもちろん普段の診療などについても意見交換をしていたので、色々なことを学べた有意義な二日間を過ごすことができました。

自分の歯が無くなったときはどうしたらいいでしょうか?

8年前に当クリニックにはじめて見えた女性の方のお話です。この内容は患者さんご本人に許可を頂いて写真等の掲載をさせていただいております。
来院のきっかけは右下の歯が取れてしまったとのことでした。
ずっと前に神経をとって差し歯にしていた歯が、虫歯が歯根の中に進行してしまい差し歯が取れてしまった状態での来院でした。
その歯は虫歯が進行してはいましたが、本人からできるだけ抜かない治療のリクエストもあったためにまずは歯を残す方針で治療を開始いたしました。
しかし、治療途中でお仕事が忙しくなり来院が途絶えてしまいました。
来院が途絶えてから約3年ぶりに来院していただいたときにはその歯は虫歯が大きく進行して、歯根も割れていました。もう既にその歯は使える状態ではないことをご本人に伝えたところ、抜歯を余儀なく選択となりました。残念ではありましたが抜歯をおこないました。
歯が抜けた 歯がない
上の写真のように、抜歯したために歯がなくなってしまいました。
さて、ここで今後の方針についてご本人と話し合いを行い、4つの方針をご提案させてもらいました。
1.ブリッジ : 両方の歯を削ってつなげていきます。金属・セラミックなどの材質が使用できます。メリットは固定式で咬み応えがあること。デメリットは健康で虫歯もない歯を削らないといけないことなど。
2.義歯(入れ歯) : 取り外し式の歯を作ってスペースを埋めます。プラスチック・軟性プラスチック・金属・ワイヤーなどの組み合わせにより作成していきます。メリットはほとんど歯を削らなくてすむこと。デメリットは咬み応えが自分の歯に比べてあまりよくないこと
3.インプラント : 歯肉の下にある骨の中にチタン製のフィクスチャー(人工歯根)を入れてそこから土台を立ち上げて歯を作成していきます。メリットは歯を削らずにすむこと、咬み応えがしっかりしていること。デメリットは顎の骨の中に人工歯根を埋め込む手術が必要で、歯肉を貫通させて歯を作ること。
4.歯を作らない : 1本だけの欠損なので歯を作らないでメンテナンスで現状維持をしながら経過観察していく。メリットは治療にお金も時間もかからず、歯も骨も削らずにすむこと。デメリットは長期的に上の歯が伸びてきたり下の歯が歯のないほうに横に倒れてきたりしてしまう可能性があし、そうなった場合その歯の寿命が短くなってしまうこと。
(そのほかにもそれぞれメリットデメリットはありますが主なものだけを記載させていただきました。院内では下記のような比較表や模型・写真等を使ってご説明しています。)
ブリッジと入れ歯とインプラント
ここでご本人は非常に悩まれ少し時間がほしいとのことでした。もちろん、どれを選択してもメリットとデメリットがあるため悩まれて当然だと思います。

そこで悩んでいる期間を使って、他の歯も同じ運命をたどらないように虫歯や歯周病の治療を行い、治療後は定期メンテナンスを継続して歯の健康を守っていました。
そのため治療終了してから今のところは歯のトラブルはありません。

むし歯や歯周病の治療期間中はなくなった歯のところについて、いろいろなお話や悩みを聞いてご説明・解説などを随時おこなっていました。
提案させていただいてから2年半後、「インプラントをします」とのご決断をなされました。(視点を変えると逆に2年半の間、4番の「歯を作らない」ことを継続していたことにはなりますが・・・・)
インプラントとは顎の骨の中にチタンでできた人工歯根(フィクスチャー)を埋入して、それを土台として歯を作っていきます。
まずは人工歯根が埋められるだけの骨があるかどうかを調べるために、CTによる骨の検査を行いました。CT検査の結果十分な骨があったために人工歯根を埋入する計画を立てました。
骨の中に人工歯根を埋入する手術を行い歯肉を切開したところの治癒を待って経過観察を行いました。人工歯根を埋入する手術とは麻酔をした後に歯肉を切開し、顎の骨を露出させて人工歯根を埋めるためにドリルで骨に穴を掘ります。その穴に人工歯根を埋め込んで切開した歯肉を元通りに縫合して手術を終えます。人工歯根と骨が安定するために今回は3ヶ月間の期間を待つこととしました。
3ヶ月たったところでインプラントから土台を立ち上げるために歯肉の一部を切開する手術をして、土台まで作ります。その土台に合うように白い歯を作成して口のなかに装着しました。
インプラント 白い歯
インプラント術前 インプラント術前
上の写真がインプラント治療後の写真、下の写真が治療前のものです。
2本並ぶ銀歯の手前に白い歯が入りました。装着後はほとんど違和感もなく
「良く咬めて調子がいいです」
とおっしゃっていただき、ほっとしました。現在も、定期的にメンテナンスをしながら自分の歯とインプラントの歯を長く使っていけるよう、患者さん本人とわれわれ医療サイドと一緒になってがんばっていこうと思います。

ここでこの方の治療経歴から振り返って考えてみましょう!

今回はインプラント治療によって歯を回復し咬めるようになりました。不都合に感じていたことから回復できていれば、良かったと思います。
これからは毎日自分でお手入れをして、定期的にクリニックを受診してもらい、このインプラントが長く使っていけるように定期健診とメンテナンスをしていかなければなりません。
たとえば、今回の方が「インプラント」ではなく、「ブリッジ」や「入れ歯」や「歯を入れない」ということを選択したとしても、やはり治療後には定期健診とメンテナンスは必要になってきます。
8年前に受診したとき虫歯が進行したことによって差し歯が取れてそのまま放置したことによって抜歯となってしまいましたが、虫歯が進行して差し歯が取れないようにメンテナンスを行っていれば、ひょっとしたら差し歯は今でも健在していてインプラント治療は必要なかったかもしれません。
このようにむし歯や歯周病が進行してから処置を行うと、このようにいろいろな悩みが生じたり治療期間も治療費も多くかかってしまいます。

そこで

インプラント治療後(そのほかの治療後も含めて)も長持ちさせるためにメンテナンスや予防をしていかなければいけないのなら、むし歯や歯周病が進行する前に予防処置や初期の治療を行い、健康な歯の状態でメンテナンスをしていって、健康な自分の歯のままでいたほうがいいと思いませんか?
これがむし歯や歯周病を予防してメンテナンスを推奨する理由なのです。
いつでも何歳でもかまわないので、今ある自分の歯を失う前に、できるだけ早くから予防処置とメンテナンスを是非開始してください。

歯科衛生士専門学校のオープンキャンパスがあります。

歯科衛生士とは歯科医療を行っていく国家資格です。その資格試験をパスするために通学する学校が歯科衛生士専門学校になります。

その歯科衛生士専門学校でオープンキャンパス・学校説明見学会が開催されるようです。

栃木県宇都宮市にある宇都宮歯科衛生士専門学校です。

今年はあと8月17日と9月24日に行われるようです。

宇都宮歯科衛生士専門学校のオープンキャンパス、学校見学説明会が開催されます。

歯科衛生士の主な業務は以下の三つです

1.歯科予防処置 : むし歯や歯周病から自分の口の中を守るために、予防処置を行います。むし歯が進行してしまうとあのドリルで削らなければなりませんが、予防処置をしっかり受けてむし歯予防をしておけばあのドリルで削られることもなくなります。

2.歯科診療補助 : 歯科治療に使用する器具や消毒や管理。円滑に治療が進められるようサポートをしていきます。

3.歯科保健指導 : うまく歯磨きができないときの歯ブラシのやり方のアドバイスや、日常生活で虫歯や歯周病になりやすいことを改善できるような相談役にもなります。

宇都宮歯科衛生士専門学校では中学生へ衛生士を目指してもらおうとこんな呼びかけをしています。

宇都宮歯科衛生士専門学校では中学生や高校生にもポスターを作製して呼びかけています。沼尾デンタルクリニックでも院内見学や中学生のマイチャレンジ、職場体験等などのご相談をどうぞしてみてください。

歯科衛生士さんになって虫歯や歯周病のない健康な人をたくさん増やしてみませんか?

歯を抜いたり削ったりする嫌なことから開放されるには?

みなさんのイメージの歯科治療は痛みが出たり歯肉が腫れたりしてから、歯を削ったり抜いたりするものではないでしょうか?

歯を抜いたり削ったりすることは誰もがやって欲しくないことだと思います。しかい、むし歯や歯周病が進行してしまうと削ったり抜いたりしなくてはいけないのが現状です。

歯を抜いたり削ったりすることから開放されるためには、むし歯や歯周病の進行を止めて症状が出ないような状態を維持していけばいいのです。

そのような歯の健康を維持して、むし歯や歯周病の進行からお口を守るための勉強会に行ってきました。

日本ヘルスケア歯科学会ステップアップ宇都宮、河野先生、衛生士の井上さん、岡本歯科医院の衛生士さん

宇都宮にて日本ヘルスケア歯科学会主催のセミナーに参加してきました。予防歯科の主役である歯科衛生士さんの発表や参加者が多数いました。

日本ヘルスケア歯科学会の設立趣旨の一部を抜粋すると

「幸いなことに、ヘルスケアの先進国では、従来の修復・補綴に重きを置いた歯科医療から、健康な歯列を守り育て生涯にわたって人々の健康のパートナーとなる歯科医療へと、その転換が始まっている。まず私たちは、これまでに蓄積された多くの研究の成果を臨床的な観点から取捨・統合し、臨床に役立つ情報として整理することから始めたい。歯科疾患を未然に防ぎ、すでに発症した疾患については、原因療法を怠ることなく効果的に治癒させ、また修復においても生物学的な因子に配慮して再発を防止し、生涯にわたって健康な歯列を維持するための歯科医療を実現することは、すでに手の届くところにある。」

ということです。難しくてわかりにくいのでザックリとした言葉にしてみると

「予防歯科の先進国では抜いたり削ったりの歯科医療からむし歯や歯周病を予防して自分の歯をずっと使っていくようになっています。そのような先進国や研究データなどを参考にして、自分の歯を守る予防歯科の医療を患者さんへ提供していきましょう。」

といった感じです。

具体的には以下のことを原則として行っていくことにより、いつまでも自分の歯を使い続けられるようにしていきます。

1.すでになってしまったむし歯や歯周病はしっかりと治療する。
2.正しい知識を覚えて、毎日のホームケアで自分でお手入れできるようになる。
3.定期的に歯科医院でチェックとプロケアを受けて、問題点があれば相談して早期解決しておく。

痛くなってからあわてる前に、日ごろからしっかりとお手入れしておけば自分の歯も長持ちします。

これを裏付けるデータがあります。

痛くなってから歯の治療をしていることを続けていると30年間のうちに平均15本以上歯を抜くことになりましたが、上記のようにメンテナンスを継続していれば30年間で抜くことになった歯は平均1本以下だったそうです。

日本ヘルスケア歯科学会ステップアップ宇都宮

セミナー終了後は懇親会も開催され、そこでもさまざまな情報交換ができました。

朝から夜まで充実した1日でした。

歯の衛生週間は6月4日~10日です

6月4日~10日までの1週間は歯の衛生週間です。

歯の衛生週間とは 「いくつまでも自分の歯を使っていけるよう正しい知識を知って歯の健康を守りましょう」 ということを推進する期間です。

2011年度・歯の衛生週間のポスターです。

難しく言えば、 「厚生労働省・文部科学省・歯科医師会が主催となり、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防処置の徹底を図り、併せてその早期発見、早期治療を励行することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進を寄与することを目的としています」 ということになります。

自分の歯を長く持たせるためには、むし歯や歯周病が進行しない様に予防していくことが大切になります。歯が痛んだり歯肉が腫れたりなどの症状が出る前にむし歯や歯周病の予防を行っておくと良いです。そしてむし歯や歯周病を予防するスタンダードな方法としては、毎日行うホームケアと定期的に歯科医院で行うメンテナンスの両方を行っていくことが大切になってきます。

日本顎関節学会の専門医を取得しました

課題となっている講習会の受講や学会での試験をクリアして日本顎関節学会から顎関節症専門医の認定を受け、先日、認定証が手元に届きました。

日本顎関節学会顎関節症専門医に認定されました。

顎関節症は顎の痛みや雑音、口の開きにくさなどの症状が出る疾患で、むし歯・歯周病についで口腔領域では3番目に多い疾患といわれています。

そのような顎関節症で悩んでいる方々へ少しでも治療を通じて貢献できるよう、今回の認定に甘んじることなくこれからも治療技術の向上にがんばっていきたいと思います。

顎関節症の症状とセルフチェックを日本顎関節学会ホームページから引用しました。ご参考にしてみてください。

「あごが痛い」

「口が開かない」

「カクカク音がして痛い」

こんな症状はありませんか?

あなたの顎(がく)関節の自己チェック法(合計点数が8.6以上では顎関節症の危険あり,杉崎正志、他:2007)

  1. 口を大きく開いたとき,人差し指から薬指を並べた3本指を縦にして入りますか?
    (1.すっと入る 2.ほぼ問題ない 3.どちらともいえない 4.やや困難 5.全く入らない)
  2. 口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?
    (1.全くない 2.たまにある 3.どちらともいえない 4.しばしばある 5.いつもある)
  3. 口を大きく開いたとき,まっすぐに開きますか?
    (1.いつもまっすぐ 2.たまに曲がる 3.どちらともいえない 4.しばしば曲がる 5.いつも曲がる)
  4. 干し肉,するめ,タコなど硬いものを食べるとあごや顔が痛みますか?
    (1.痛まない 2.たまに痛む 3.どちらともいえない 4.しばしば痛む 5.いつも痛む)

あるいは設問2の「口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?」に「はい」と回答した方も顎関節症である可能性がありますので,専門医を受診することをお勧めします.

歯を失った場合、インプラントで歯を作ることも治療方法のひとつです。

むし歯や歯周病、外傷などで治療をしても重症な場合は歯を失ってしまうことがあります。

歯がなくなってしまったところはそのままだと咬むことができず、残っているほかの歯にも悪影響が出る場合があるため、人工的に歯を作っていきます。

その治療方法としては現在の歯科の技術では主に3種類の方法があります。

1.ブリッジ : なくなった歯の両隣の歯を削って金属またはセラミックで橋を架けるようにして歯を作っていきます。固定性ですが、両隣の歯を削ることやその歯に負担が大きいことなどがブリッジのデメリットです。

2.義歯 : いわゆる入れ歯です。バネでプラスチック製の人工の歯を支えています。ブリッジのように歯を削る必要性が無いか最小限ですむことがメリットですが、咬む力が十分でなく、異物感も大きいのがデメリットです。

3.インプラント : 歯を失ってしまったところに人工の根を埋めてその上に歯を作っていきます。周りの歯を削る必要性も無く、固定性で咬みごたえもいいです。人工の歯根を顎の骨の中に埋め込まないといけません。

当クリニックで治療した患者さんの実例です。

下の写真にあるように向かって左の奥歯が1本失ったまま悩まれていた方です。ブリッジ・義歯・インプラントについてそれぞれ説明をさせてもらい、じっくりと検討をしていただきました。それぞれの治療にメリットデメリットがあるため、それらを考慮して最終的にインプラントで歯を作ることを選択されました。

左の奥歯が1本失ったまま悩まれていた方です。ブリッジ・義歯・インプラントについてじっくりと検討してもらい、インプラントによる治療を行いました。 

インプラントを骨の中に埋入して骨とインプラントがしっかりとくっつくのを待ってから、歯を作っていきました。

まずはインプラントの上に土台を作成しました。今回は白い歯を入れるために土台から白い材質で作成しました。

インプラントの両隣の歯もむし歯があったので同時に治療をすすめました。奥のほうは咬む力が一番強いので金属で作成しました。手前の歯は見えるため白い詰物で歯を作っていきました。

インプラントの上に土台を作成しました。今回は白い歯を入れるために土台から白い材質で作成しました。

土台の上に白い歯を装着したところです。今まで歯がなかったところでも、このように治療を行えばしっかりと咬むことができるようになります。

現在は定期的にメンテナンスを行い、インプラントと自分の歯を長く使っていけるようお手入れを継続しています。

インプラントに白い歯を装着した治療後の写真です。しっかりと噛めるようになりました。今はメンテナンスをして長く使っていけるようお手入れをしています。 

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)