歯を抜かなくてもすむ薬剤

「歯を抜かなくてもすむ薬剤」だと分かりにくいかもしれません。正確には、虫歯が神経まで進行してしまった歯や歯の根に膿がたまって抜歯しないと治らないというような歯に対する治療法の勉強会でその薬剤の使用基準と使用方法を学んできました。

基本的には

神経まで虫歯が進行してしまった歯は全く虫歯になっていない歯よりも長持ちはしません。

神経まで虫歯が進行してしまった歯は痛みも出ます。

虫歯が大きくなってから治療することは何もいいことはありません。

しかし、現実には虫歯は大きくなってしまった歯はたくさんあるため何とか治療して持たしていくことになります。

持たすための治療法もいろいろと勉強しましたが、そのなかでも最近いい薬剤が開発され今までは抜歯していた歯がその薬剤を使うことにより歯を抜かずに使えるようにしていくことができるようになりました。

実際の患者さんでも使わせていただきましたが、今までは抜歯しないといけない歯がしっかりと咬めるように治すことができました。

このようなすばらしい薬剤を開発していただいた研究者へは感謝します。この薬剤によって抜かなければいけない歯を何本も救うことができるようになるからです。

しかし・・・・

その薬剤も魔法の薬ではありません。

病状がその薬剤の限界を超える場合は抜歯しないといけません。

やはりむし歯予防と定期検診・メンテナンスとむし歯になってしまったときは症状が出る前に早期治療を行うことが大前提であることは変わりません。

一度詰めたり、かぶせたりした歯でもむし歯になるのですか?

Question  せっかく治したのにむし歯ができて。一度詰めたり、かぶせたりした歯でもむし歯になるのですか?

Answer  きちんと歯をみがいていないと再びむし歯になることがよくあります。

確かに一度歯科医院でむし歯を治したのに、数年たって再びむし歯になると、悔しい気持ちになりますね。

歯科医は、むし歯をできるだけ必要最小限に削って、レジンという接着剤を詰めて治します。大きなむし歯で歯髄という神経を除去したケースでは、型を取り、歯科技工士が作製した金冠や差し歯を、接着剤を用いて、歯にくっつけています。

歯を完全に、そして永久に接着する材料は存在しません。現在、これらの接着剤の耐久性について研究が進んでいますが、口のなかという過酷な環境下では、5年以上たつと接着剤の接着性能が半減することがわかっています。

したがって、治してから数年もすると、詰め物やかぶせ物がとれたり、歯とのあいだにすき間ができることが考えられます。

さらに、毎日のブラッシングが不十分ですと、そのすき間からむし歯菌が再び侵入して、残っている歯質が酸でおかされ、再びむし歯となってしまうのです。

この再度生じた虫歯のことを「二次う蝕」と呼んでいます。

「二次う蝕」の発生頻度は10~20%前後と報告されています。ただ、よくブラッシングされている患者群では、その発生率は10%以下に下がることもわかっています。

むし歯を治したあとも安心せず、毎日毎食後のブラッシングを続けてください。

部分入れ歯と残っている歯のむし歯予防法は?

Q 部分入れ歯の留め金(クラスプ)と接する歯の色が変わってきたような気がします。虫歯でしょうか?

A 部分入れ歯の留め金はむし歯菌が付着しやすく、接する歯がむし歯になることはよくあります。

部分入れ歯の留め金(クラスプ)は維持力を発揮させるために複雑な形状をしており、接する歯(鈎歯)にもクラスプが安定して適合するように小さな溝などが削られたりしています。このため、食後よく洗浄しないで部分入れ歯を装着したままにしておきますと、むし歯菌がクラスプや鉤歯に定着し、食べ物の残りカスを栄養源としてプラークを形成し、酸を出して鉤歯の一部にむし歯を生じることがよくあります。そのためにクラスプに接する鉤歯が着色してきたものと考えられます。

またクラスプが接する鉤歯には噛むたびに大きな咬合力がかかるため、過剰負担となって歯周病が進行する危険もあります。このような場合、歯周病菌も鉤歯のまわりの歯周ポケットという歯肉の溝にたまりやすくなり、歯肉が腫れたり鉤歯が揺れだしたりします。

このようなクラスプに伴うむし歯や歯周病を放置すると、最悪抜歯しなければならなくなり、部分入れ歯に人工歯を追加したり新調する必要がでてきます。

鉤歯のむし歯を予防するためには、まず部分入れ歯を清潔に持つことが必要です。できれば毎食後、部部入れ歯をよくブラッシングし、一週間に一度は義歯洗浄剤に浸しておくことが大切です。部分入れ歯専用の洗浄剤も市販されています。また、鉤歯をよくブラッシングすることも重要です。フッ素入りの歯みがき材でブラッシングするとむし歯の発生が抑えられることもわかっていますので、使用をおすすめします。

夜更かしを続けていたら、急に虫歯が増えちゃって・・・

Question 夜更かしを続けていたら、急に虫歯が増えちゃって・・・何か関係があるのですか?

Answer 関係あります。夜更かしをして飲食しブラッシングせずに眠るとむし歯のリスクが高まります。

「夜遅くまでテレビを観ながらお菓子をボリボリ食べ続けた・・・」「眠くなってそのままブラッシングをせずに眠ってしまった・・・」そんなことはありませんか?食事の回数が多い、ダラダラ食べるなど、一日のうち、口の中が酸性になる時間が長いほど、むし歯になりやすい環境となります。たとえば「ミルク一杯のんだだけだから大丈夫!」と思いがちですが、実は牛乳も糖質です。甘い砂糖だけでなく、果物、お酒も同じで、水やお茶以外のほとんどの食べ物が口の中でむし歯菌と一緒になって、むし歯の原因となる酸を作り出します。

また、睡眠時間が少ないと疲れるため、唾液の量が減少します。唾液には、口の中の汚れを洗い流す自浄作用、良性の菌をたくさん含むことによる殺菌作用があります。夜ふかしをすると、仮に規則正しい生活の時と同じ食事回数、ブラッシング回数であったとしても、むし歯になりやすい環境となってしまいます。つまり、唾液の減少によっても、口腔内のむし歯菌が増加し、むし歯になりやすい状態になるのです。

夜ふかしをして何か食べた場合は、必ずブラッシングをするようにしましょう。また、ブラッシング後に甘い物がほしくなったら、キシリトール100%のガムやタブレットを利用しましょう。キシリトールは、歯の表面にむし歯菌をつけないため、むし歯にならない代用糖として使われています。

痛みなどがなくても銀歯の下に虫歯が進行しています。

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

よく見ないと分かりにくいのですが銀歯の下のほうに、銀歯との境目からむし歯ができています。

いたみなしみるなどの自覚症状は全くなく、自分で鏡で見ても気がつかないくらい小さな穴です。

銀歯の境目からむし歯ができています

しかし銀歯をはずしてみると中の奥のほうまで黒く変色した虫歯が進行していました。

このまま放置しておくとどんどん大きくなって神経までやられてしまうところでした。

銀歯をはずすと黒いむし歯が中まで進行しています。

黒く変色した虫歯をキレイに取り除いてから、白いプラスチックを直接詰めていきました。

キレイに研磨して仕上がりです。

あとはこの状態からむし歯にならないよう、しっかりと予防処置とメインテナンスを行っていきます。

黒い虫歯も削り取ったあと、白いプラスチックで治療しました。

このように一度治したところでもまたむし歯にはなり、重症になるまで進行しないと痛みなどの自覚症状が出てきません。

そのためむし歯を再発させないように予防処置とメインテナンスは必要です。

定期健診をして予防処置とメインテナンスを受けましょう!

お手入れすれば長く使えますからね。

(治療過程の写真をweb上でこのような形で匿名で使用することは、患者さんご本人の承諾を得て使用させていただいております。この場をお借りしてご本人へ改めて御礼を申し上げます。)

胃腸が悪いわけでないのに口臭がします

Question 胃腸が悪いわけでないのに口臭がします。やはり、口のなかが原因なのでしょうか?

Answer その可能性が高いと思いますが、他の原因も考えられます。

 口臭は「口から吐き出されるくさい息」のことです。したがってその原因としては、第一に息が通過する場所に何か問題があることが考えられます。

 息が通過する部分は呼吸器系とよばれ、口腔、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支と肺からになっています。呼吸器官のどこかに臭いの源があると、そこを呼気・吸気(吐いたり吸ったりする息のこと)が通過する際に、その中に臭いが溶け込んでしまい、その結果、くさい息が口から吐き出されます。

 口臭の原因は、ほとんどが呼吸器官に由来しています。なかでも、口腔内の病気、とくに歯周病はもっとも主要な口臭源となります。

 呼吸器系以外の原因としては、内科的・全身的な問題、精神的な問題があげられます。食道の病気や胃炎・胃がんといった胃の病気によっても口臭が引き起こされることがあるのです。

 精神的な問題というのは、自分には口臭があると思い込んでしまうケースです。実際には口臭はありません。

 このように、口臭の原因はさまざまですので、まずその源を見つけ出すことが大切です。

 ご質問のように、胃腸が悪くないのであればそれ以外の場所、とくに口腔に原因があることが考えられます。

 しかし、断定はできません。まずは可能性の高いところからということで、歯科医院でお口のなかの状態を診てもらいましょう。もし、口腔内に問題がなかったら、先ほど述べた点についても考える必要があるかもしれません。もちろん、歯周病や虫歯が見つかったら、しっかりと治しましょう。

歯との付き合い方 乳幼児期編

-むし歯はどこからやってくる?-

歯の生える時期にはかなりの個人差があります。しかし一般には六ヶ月ごろから生えはじめ、二歳の終わりごろまでに20本全部生えそろいます。
ところで、近頃では、むし歯がむし歯菌によってひきおこされることが一般的に知られるようになってきました。ところが、うまれたての赤ちゃんの口の中にはむし歯菌はいません。1980年代になって、むし歯菌は母親など周囲の人から赤ちゃんに移っていくことがわかりました。
子供のむし歯を予防するためには、まず家族の口の中をきれいにすることが大切なのです。

-乳歯が生えてきたら-

乳歯はいちばん初めに、下あごの前歯2本が生え、次に上あごの前歯2本が生えてきます。1歳6カ月くらいになると、上と下の左右に3本ずつ合計12本になります。2歳くらいになると、上下左右に5本ずつ合計20本の乳歯が生えそろいます。
このような赤ちゃんの歯を、侵入してきたむし歯菌から守るためには、まず第一に、おやつの与え方を間違えないことが大切になります。
おやつの与え方によって、むし歯の増える頻度は、だいぶ違ってきます。甘いものをあまりおやつにとらない場合は、当然、むし歯になる確率は低くなります。
しかし、甘いものを与える場合でも、決まった時間におやつをとるのと、遊びながらダラダラと間食をするのとでは、むし歯のかかり方が変わってきます。もちろん決まった時間に食べたほうがいいのです。虫歯菌は、糖を利用して歯の表面にくっつきやすい物質(不溶性グルカン)を作りだし、これによってプラーク(歯垢)が形成され歯の表面を分解していくからです。

-乳歯はむし歯になりやすい!-

離乳食を卒業し、いろいろな食べ物に挑戦して、食べる楽しみ、とくに甘いもののおいしさに目覚めてくる二歳ごろからが、乳歯のむし歯が急激に増えてくる時期です。五~六歳にかけてが、ことにむし歯になりやすいので要注意です。
乳歯は歯そのものも軟らかく、むし歯に対する十分な抵抗力をもっていませんから、虫歯にかかりやすいということがいえるわけです。

-赤ちゃんの歯を守ろう-

歯が生えてきたときに、ガーゼで表面を拭いてあげるようなことは、昔から行われていたようです。
確かにある程度の歯垢ならこうした方法で拭き取ることができますが、きちんと歯垢を取るには、やはりブラッシングがいちばんです。赤ちゃんは自分では磨けませんから、ひざまくらで赤ちゃんを寝かせて、磨いてあげましょう。
軟らかい毛の歯ブラシで、短時間で磨くことがポイントです。磨く力が強すぎると、赤ちゃんは、痛がって歯みがきが嫌いになってしまうかもしれませんから、注意してください。こうした寝かせ磨きは、赤ちゃんの寝る前がとくに効果的です。
それと同時に、少しずつ歯磨きの習慣をつけてあげることも大切です。食事が終わったら、歯ブラシを持たせ、磨けないまでも、しばらくしゃぶったりさせてあげてください。
これはしつけの始まりで、遊びながら歯磨きの習慣をつけていくことが大切なのです。

1回で仕上がる治療 -奥歯編-

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

治療前

古い金属が奥歯につめられていますが、その周囲から虫歯が発生しています。
このまま放置しておくとどんどん中にむし歯が進行してしまうため、治療をすることとなりました。
古い金属自体も輝きを失い、黒く変色しています。

古い金属とむし歯を削り取りました

黒く変色した金属と、その周囲に発生したむし歯を削り取りました。
この状態に削るのに麻酔は使用しなくても痛みを感じることはなく削ることができました。

穴の奥に一部、黒くなっているところがありますが、これは古い金属が黒く変色したときに歯まで黒く変色させてしまった痕です。
この黒く変色したものはむし歯のような病的な状態ではなく、ただ着色をして硬くなっているために、削らないでおいてあります。
この変色したところまで削ると、穴が深くなり、しみる症状が出てきたり、ひどい場合は神経を取るようなことになりかねないからです。

治療後

削って穴が開いたところに、光で固まるプラスチックをつめていきます。

穴の奥に黒く変色したところは、詰め物によって色はマスキングすることができます。
白く自然な状態につめることができます。
チョットつやを出しすぎてしまい、ほかより光ってしまいましたが、奥歯なのでまったく気がつかないと思います。
この治療も一日で治療が完了するものです。
(治療過程の写真をweb上でこのような形で匿名で使用することは、患者さんご本人の承諾を得て使用させていただいております。この場をお借りしてご本人へ改めて御礼を申し上げます。)

1回で仕上がるむし歯治療 -上顎前歯編-

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

1.上顎の前歯編



上顎の前歯の生え際のところに、一度、白いプラスチックをつめて治療した部分の周りからまた虫歯になって茶色に変色してきたかたの写真です。
この状態ではまったく痛みなどはありません。しかし、放置しておけば茶色い虫歯の部分がどんどんと大きくなり、神経の近くまで大きくなると痛みが発生してきます。その場合、治療するには麻酔をうたないといけなくなります。また、最悪の場合、神経も抜くようになります。
そのように虫歯が進行して大変な治療にならないように、早期に治療を行ってしまいます。(本当は虫歯にならないように、予防しておくことがベストですけどね。しかし、虫歯になってしまったものは自然とは治らないので、早期に治療を行います。)
この方の場合は、まだそれほど大きく虫歯が進行していなかったために、麻酔の注射をすることなく虫歯の治療ができました。
1回で仕上がる虫歯治療 2 は削っているところです。

2.虫歯を削ります



古いプラスチックの詰め物とその周囲の茶色くなった虫歯を削ります。
これが歯を削るドリルです。あの「キーン」という音がするものですね。通常、水をシャワーしながら削るので、その水を吸うための掃除機の役目をするものが、右の黄緑色のものです。
キーンと音がなるドリルで削っても、虫歯自体が重度に進行していなかったために、局所麻酔の注射をうたなくても痛みを感じることなく削ることができました。
やっぱり、早期発見早期治療が大切なんです。虫歯が痛くなってからでは手遅れになってしまいます。

3.なぜむし歯は削らないといけないのか?



茶色い虫歯をすべて削り取ったところです。
そもそも、なぜ虫歯はすべて削り取らなければならないのでしょうか?
それは虫歯そのものは、自然と治癒することがないからです。
普通、人間の体は自然治癒力というものがあって、怪我をして傷を負っても、自然と治っていきます。骨が折れてもちゃんとつなげてあげれば折れたところがまたくっつきます。歯の場合は折れても、もうくっつく事はありません。虫歯になって穴が開いたところは、元の形には戻りません。歯は人間の体の中で自然治癒力がない組織なんです。
さらに、むし歯そのものはばい菌の住処であり、ばい菌の塊です。
もう元には戻らないばい菌の塊がむし歯なのです。
そのため、むし歯になってしまったところは、削り取ることになります。
「むし歯ができる→削り取る→穴が開く→つめる」 このサイクルになります。
しかし今回のように、つめた周りがむし歯になってしまうと、また削り取るようになります。そうすると一回り大きな穴になります。そしてまたつめます。
むし歯が再発すると 「むし歯ができる→削り取る→穴が開く→つめる」 このサイクルを繰り返すことになり、穴がどんどん大きくなっていき、最終的には歯がなくなってしまい、抜歯となってしまいます。
だから、むし歯にならないように、むし歯が再発しないように予防歯科を行うことがとても大切なんです。

4.削った穴に接着剤を塗ります



ここからは虫歯を削ってできた穴へ、歯を作っていくプロセスになって行きます。
写真は虫歯につめる白いプラスチックをしっかりと歯にくつけるための接着剤を塗っているところです。表面処理をしっかりと行うことによって、つめたものが取れにくくなります。

5.ペースト状のプラスチックを詰めて固めます


表面処理が終わったあと、削ってできた穴の中にペースト状の柔らかいプラスチックをつめます。その柔らかいプラスチックは青い特殊な光を当てることによって、カチカチに硬く固まります。
上の写真が光を当てる前、下の写真が光を当てている最中です。

6.仕上げ研磨とむし歯予防



青い光で硬く固まったプラスチックを、形を整えて、表面をツルツルに研磨していきます。これも水を出しながら研磨していきます。
ツルツルにする理由は、まず、舌触りや粘膜の当たりがよくなるからです。ザラザラしたところが歯にあるととても気になりませんか?そういったことがないようにツルツルに磨きます。
もうひとつの理由は、表面が荒れているとそこに汚れやばい菌がつきやすくなるからです。汚れやばい菌がつきやすくなると、むし歯の再発するリスクがあがります。ただし、どんなにツルツルにしてもばい菌や汚れは少ないけれどつきます。(これはつめていない自分の歯の表面でも同じことですが・・・) その汚れやばい菌が付きっぱなしになるとむし歯が再発してしまうために、それらはきれいにしなければなりません。きれいにする一番簡単でいつでもできる有効な方法は歯ブラシです。
しっかりと汚れやばい菌を落とすことによって、むし歯の再発を防ぎます。歯ブラシは一番手っ取り早い予防方法なのです。
7.
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上の写真が治療前・下の写真が治療後です。 他人の歯をここまで近寄ってみることはないと思いますが、これだけ近寄ってもつめた場所はよくわからないと思います。
ここまできれいに仕上げられるこの治療方法が、たった1回の来院で、しかも局所麻酔の注射もせずに可能となります。(ただし、このような初期のむし歯の段階のときに限ります。)
虫歯の治療は、まず虫歯を作らないようにする予防が一番大切です。予防方法もその人のむし歯のリスク、年齢、生活習慣、嗜好などに応じていろいろとあります。予防方法については自己流でなく、ぜひ歯科医院を訪れて自分にあったものを歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。
予防をしてもどうしてもむし歯の再発が防ぎきれず、不幸にもむし歯ができてしまった場合は、早期発見早期治療が必要です。
「痛くないから・・・・」といって放置しておくと、取り返しが付かないほど虫歯が進行してしまい、最悪の場合、抜歯ということもあります。
そのため痛くなってから歯科医院を訪れるのではなく、痛みを感じない初期の虫歯がないかどうかのチェックに受診することはとても大切です。
そのときにむし歯がなくても予防方法のチェックとクリーニングを行っておけば、よりよい口の中の状態を維持することができます。
(治療過程の写真をweb上でこのような形で匿名で使用することは、患者さんご本人の承諾を得て使用させていただいております。この場をお借りしてご本人へ改めて御礼を申し上げます。)

白い詰め物 -むし歯を削ってつめるまで-

(栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)

1.はじめに


下の歯に黒くなったむし歯があります。 表面だけでなく内部まで進行しています。
このまま放置していればいずれ痛みが出たり、歯が崩壊したりしてしまいます。
そのためこれ以上むし歯がおおきくならないようにむし歯を削って、白い詰め物で詰めていきます。

2.むし歯を削る


むし歯を削っています。
この機械が、みんなの嫌われモノ、あの「キーン」と音が出るドリルです。
この歯は神経がある歯ですが、麻酔の注射をしなくても痛みなく削ることが出来ました。
水を出しながら削るので、その横で水を吸う緑色のものがサクションです。

3.むし歯を削りました



むし歯を削り終わった状態です。
茶色になっている部分がありますが、ここはむし歯が残っているのではなく歯が変色しているだけの状態なので、削らないで残すこととしました。

4.歯の専用の接着剤を塗ります。



よく乾燥させた後、削った歯の表面に接着剤を塗っています。
この接着剤の進歩が、むし歯治療の進歩だと言っても過言ではありません。
昔ならこの大きさのむし歯になると、歯を全体的に削ってかぶせないと歯がでませんでした。

5.光で接着剤が瞬時に固まります



詰め物をする前に塗る接着剤は、この青い光で固まる特殊な接着剤です。
そのため昔は「固まるまで食べたり飲んだりしないで下さい」といわれるっことがりましたが、この接着剤が適応となる虫歯の治療においては、すぐに固まってしまうのですぐに飲んだり食べたり出来ます。

6.接着剤の上に下地を作ります


接着剤が固まったら、変色した部分の色が透けて出てこないようにマスキングします。
このマスキングするプラスチックは流動性があり、そして「むし歯を削って詰めるまで 5」に出てきた青い光で、やっぱり固まります。

7.色を合わせながら白いプラスチックをつめていきます



マスキングが終わったら、あとは周囲と色が調和するようにプラスチックで詰めていきます。
このときに形も元々あった歯に似ているように、形態を作っていきます。 もちろんこれも青い光で固まります。

8.治療前と治療後の写真を比較してみてください


左が治療前、右が治療後の写真です。
虫歯がまだ痛みがなく小さければ、上のように1日でキレイに治す事が可能です。
これが痛みが出るまで(自覚症状が出るまで)放っておくとこの簡単な治療法では間に合わず、痛い思いをした上で、何日も治療回数をかけて治療しないと治す事が出来ません。
でも、痛くない虫歯は自分では分からないので、定期検診をして早期のむし歯があれば手遅れになる前に治療してしまうことをオススメしているのです。
(治療過程の写真をweb上でこのような形で匿名で使用することは、患者さんご本人の承諾を得て使用させていただいております。この場をお借りしてご本人へ改めて御礼を申し上げます。)