歯が無くなったところに人工の歯を作る方法の一つとして、インプラントがあります。インプラントとは、歯が無くなった顎の骨の中に、チタン製の人工歯根を骨を削って埋入します。骨にしっかりと埋入されたインプラントは自分の歯のようにしっかりと咬めることが多いです。
しかし、そのインプラントを支えている骨が溶けて、膿がたまってしまう病気があります。歯周病も自分の歯を支えている骨が溶けてしまう病気ですが、歯周病と同じ様に支えている骨が溶けてしまう病気が、インプラントにも発症します。その病名はインプラント周囲炎といいます。
インプラント周囲炎は日本だけでなく世界的に起こっている病気で、治療は非常に難しいものとなります。現在世界中でインプラント周囲炎に関する研究や治療が盛んに行われていますが、決定的なものはまだないのが現状です。
そのインプラント周囲炎について最近の研究に関する講義が、栃木県で行われました。講師はヨーロッパ歯周病学会元会長のStefan Renvert氏です。
その内容は、インプラント周囲炎が発症してしまうと治ることが困難なため、発症しないように予防をすることが大切とのことです。
予防に効果的なのは、インプラント治療をする前に、しっかりと歯周病治療を行い、歯周病を治してからインプラント治療を行うことが予防効果が高いとのことです。
歯周病は数百種類もいると言われている歯周病菌が原因となって発症します。その歯周病菌がインプラントに感染すれば、インプラント周囲炎を発症するとのことです。
まずは歯周病を治療して、治癒してから、インプラントを検討することが大切とのことでした。