むせやすいお年寄りの歯みがきはどうすればよい?

Question むせやすいお年寄りの歯みがきはどうすればよいのでしょう。口臭がひどいのですが、歯ブラシを口に入れるのをいやがるのです。

Answer 唾液を吐き出しやすいように、横向きになってもらいましょう。

 歯みがきをすると、お口のなかが唾液でいっぱいになってしまいます。これは「刺激唾液」とよばれるもので、正常な体の反応です。

 たとえば、食事の際にも唾液がいっぱい出ますが、これは歯で何度も咀嚼して細かくした食物を唾液でまとめ、飲み込みやすくするためです。

 唾液が出にくくなると大変です。常に水分を摂らないと食物がお口のなかでばらばらになり、ビスケットを食べるときのように飲み込みにくくて苦しい思いをします。

 でも、歯みがき中に出る刺激唾液は、うっかりすると、のどの奥に流れていってしまい、むせる原因となります。高齢者は水分を摂るときに注意しないといけません。反射が遅くなっている高齢者の場合、気管に流れ込んでしまう「誤嚥」が生じやすいからです。

 対策としては、お口のなかにたまった唾液を早めに吐き出すことです。乗り物の中などで、突然むせて苦しんでいる高齢者がいますが、これは唾液にむせているのです。

 また、歯みがき剤をつけすぎると、刺激で唾液が必要以上に出ます。最初は歯みがき剤をつけずに、最後の仕上げみがきに使うとよいでしょう。

 介助してみがく場合は、唾液がいっぱいたまらないように吐き出させてり、頭部を横向きにして自然に唾液が排出される姿勢をとってもらいます。

 寝たきりの場合は、起き上がるのではなく、横向きになってもらいます。そのほうが、お口のなかものぞきやすいのです。よく見えないときれいにすることはできません。


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