Question 朝起きたときやお腹がすいたとき、自分でも分かるくらい口臭がします。これは何が原因でしょうか?
Answer 主に起床時や空腹時の口臭は唾液の分泌が減少するために生じる生理的口臭であることが多いです。
実際に臭いが検出されるものを真性口臭症と呼びます。これには、生理的口臭と病的口臭があり、病的口臭はさらに口腔由来と全身由来のものとに分けられます。
しかし、その実際の口臭はその80%以上が口腔由来であると考えられています。口腔内で産生される口臭の原因物質は、主に硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物で、口腔内に存在する嫌気性(空気を嫌う)細菌によって産生されます。口臭の原因菌は歯周病の原因菌であることも多いようです。
生理的口臭は、原因となる病気がないものをいいますが、その強さは一日のうちでも変動します。起床時では50%の人に口臭がみられるとの報告もあり、昼食前や夕食前などの空腹時も口臭が強くなるようです。
これらのことは唾液の分泌と関係しています。唾液には口腔内の洗浄作用や殺菌作用がありますが、就寝時には分泌量が減少します。逆に食事の際には盛んに分泌されます。つまり、唾液の分泌の少ない起床時や空腹時では口臭が強くなるのです。口臭の日内変動のメカニズムを理解して、口腔清掃を心がけることも大切かもしれませんね。とくに舌の清掃は、口臭予防にもっとも効果的な口腔清掃法と考えられています。
病的口臭の原因疾患としては、歯周病をはじめとする口腔内疾患が多いようですが、耳鼻咽頭疾患、消化器系疾患や糖尿病などもまれにみられます。このように口臭の原因はさまざまですので、まず歯科病院や歯科医院で口臭検査を受けることをおすすめします。