Question 入れ歯の手入れをしているときによく見たらヒビが入っていました。応急処置ですぐに直りますか?
Answer 数分で固まる材料(レジン)で比較的簡単に1ないし数回の治療で修理できると思います。
入れ歯にヒビが入る原因には、清掃中などの不注意で硬いものとぶつかりヒビや破折が発生する場合や、口の中で日常的に使用していくなかでヒビが入る場合があります。
前者の場合は、注意深く丁寧に清掃することが必要です。総入れ歯に比べて部分入れ歯の場合はやや複雑な形をしているので汚れも溜まりやすく清掃もしにくくなります。入れ歯専用のブラシなどを用いると効果的に清掃できます。洗面所のシンクに水を溜めて清掃すると、たとえ落下してもポチャンと水面に軟着陸してくれるので危険性は低くなります。
ヒビが入りやすい所は、通常の総入れ歯では、上顎・下顎の入れ歯の真ん中部分やピンク色のプラスティック(レジン)部分の縁などです。部分入れ歯の場合は入れ歯安定装置である金属製のばね(クラスプ)の周囲がヒビの好発部位となります。入れ歯と歯ぐきが合わなくなるとこの安定装置を支点にギッタンバッコンと無用な動きが起きてきます。すると噛む力がその装置に集中し、ひいては入れ歯へのダメージとなっていきます。年に2回ほど入れ歯の手入れとチェックをすることで不愉快な現象は予防できるかと思います。
そこでヒビに対する処置ですが、まずはヒビの原因や程度を詳しく調べます。口のなかの環境━歯ぐきや残っている歯と入れ歯との不適合が原因であればそれを解決してから修理することになります。一般的な修理方法としては、数分で固まる入れ歯とほぼ同様の材料(レジン)を用い、比較的簡単に1ないし数回の治療で行えるかと思います。