「頬が少し腫れている。」
「見た目が少し青あざのように黒ずんでいる。」
「なんとなく頬やあごに痛みがある。」
こんな初期症状ですが、実は顔の内側で「ある難病」になっているときがあります。
「混合型血管奇形」
というものです。
あまり聞きなれない病気であるとは思いますが、これは
動脈・静脈・毛細血管・リンパ管などの複数の血管が先天的に異常な形態をしている病気です。
これは顔だけに限らず体のさまざまな場所にできることがあります。
この病気は、血管が異常なため出血しやすく、まれに生命を脅かすほどの大量出血に繋がることもあります。
また、ウイルスや細菌に対しても抵抗性が弱く、感染を起こす危険性も高いといわれています。
この部分が大きくなることもあり、見た目が腫れてきたり、その周囲に影響を及ぼしたりとすることがあります。
そのため患者さんはいつなのが起こるのか不安なまま毎日を過ごさなければならないのです。
これほどの難病ですが発生頻度が少ないため、認知度が低く、また決定的な治療方法がなかなかないというのが現状のようです。
そのためにこの「混合型血管奇形」を国において難病指定をしてもらうような運動を行っている団体があります。
難病指定をもらうと、その難病を解明するための研究者の確保や研究費の確保をしやすくなり、その結果解明される可能性が大きくなり、この難病で苦しんでいる方々が助かるかもしれません。
医学の発展には、優秀な研究者と多額の研究費はどうしても必要になります。
最近話題のノーベル賞を受賞されたiPS細胞の山中教授も、研究費がなくマラソンで研究費を集めた話は記憶に新しいと思います。
そのためこの「混合型血管奇形」の難病指定に向けて活動をしているグループがあります。
「混合型血管奇形の難病指定を求める会」です。
この会の支部が地元の栃木県日光にもあります。お子さんがこの病気であるお母さんが窓口になっています。
難病指定を求める請願書もあります。
夏に日光歯科医師会主催で行った歯のフェスタでも、栃木支部の方が署名活動を行っておりましたが
まだ、署名は受け付けているとのことです。
私も研修医時代に似たような病気の患者さんを担当させていただいた経験もあり、このような未知の病気に対しては早期に解明されてほしいと願っています。