毎年の就職率は100%の歯科衛生士

宇都宮歯科衛生士専門学校の卒業式

先日の新聞に掲載されていましたが、宇都宮歯科衛生士専門学校で卒業式の記事がありました。
同校の卒業生就職率は100%だそうです。
確かに私の知り合いを見ていると、勤務してくれる歯科衛生士を探している歯科医師は絶えずいるような感じですね。

歯科衛生士さんとは病院の看護師さんと同じような存在になります。
主な仕事内容とは
むし歯や歯周病の予防を患者さんと一緒になってすすめていきます。
そのためにはたくさんの予防の知識や技術が必要になってきますが、それらのことを教えてくれるのがこの専門学校になります。
むし歯になって歯を削られたり、歯周病が進行して抜歯にならないように、歯科衛生士さんはむし歯と歯周病の予防をしていきます。
その結果、むし歯や歯周病にならずに痛みのない健康なお口にすることができれば、患者さんからは非常に信頼をされるようになります。
信頼が出れば、定期的なお口のメンテナンスも継続することができ、その結果患者さんへの健康を提供し続けられます。
そのような患者さんがたくさん増えてくれれば、仕事のやりがいも増えていきます。

患者さんにも歯科衛生士さんにもメリットのあるWin-Winの良い関係が築けます。

栃木県内では3校の歯科衛生士専門学校があります。
宇都宮歯科衛生士専門学校
栃木県立衛生福祉大学校歯科衛生士学科
小山歯科衛生士専門学校 
(2013年3月現在)

院内見学希望者・マイチャレンジ(職場体験)などは沼尾デンタルクリニックは受け入れ可能です。
ご興味のある方はお電話にてご連絡ください。

自分の歯を残せる時と抜かなければならない時

痛くもかゆくもない歯や、まったく自覚症状がない口の中で
「いやぁ、かなり進行していて重症ですよ」
「もう抜かないとダメかもしれませんね」
と、言われた経験はありませんか?

このような経験をされた方、このような経験をしたくない方へ解説をしていきたいと思います。

先日に参加してきたセミナーに関して内容を普通の方に分かるように噛み砕いて表現してみます。
このセミナーは海外の大学院を卒業者で組織されている団体が主催しています。これに参加している先生は留学経験者で歯周病の専門家・歯を作る専門家・インプラントの専門家・歯の根の治療の専門家などが多数集まって討論を行います。私は留学経験はありませんが、オブザーブ参加が認められているセミナーでした。

虫歯や歯周病などの歯の病気が進行してきた場合(ただし進行しても痛くなるときもあればほとんど痛みを感じないときもあります)
自分の歯が残せるのか?それとももう抜かなければならないのか?
患者さんも歯科医師も歯科衛生士もみんな歯は抜きたくはないものです。しかし、病気が進行してしまってはそうも言っていられません。
それを決めるのにはその歯の状態をさまざまな角度で見て、最終的に歯科医師が5段階に分類していきます。
その5段階をざっくりいうと「いいね」、「まあまぁ」、「微妙」、「厳しい」、「希望なし」のような感じになります。

「いいね」 ならここで治療をしておけばまだまだ使えるだろう
「まあまぁ」 程度なら歯を残しておいてもしばらく大きな問題は起こらないだろう
「微妙」 は今はいいけどそのうちだめになるかもしれない
「厳しい」 は歯を残しておくと問題が起こりそうなので抜かないとダメかもしれない。
「希望なし」 は残念ながら手遅れで手のほどこしようがないため抜歯になります。
といった感じですね。

さて、これはあくまでも医療サイドから診査をして判断した結果の分類です。
では患者さんからみるとどう感じるのでしょう?
実は「希望なし」の状態でも、痛いとか腫れたとかの自覚症状がまったくない場合も少なくはありません。
つまり痛くも痒くもない歯が実はもうダメになっているということも起こりえるということです。
そういった歯があると、一番最初に書いたような
「いやぁ、かなり進行していて重症ですよ」
「もう抜かないとダメかもしれませんね」
というような結果になってしまいます。

痛くも痒くもないのにいきなり「ダメ」出しをされてしまうのなら、皆さんはどうすればいいのでしょうか?

その答えは
歯科医院で定期的なチェックを行い、「希望なし」にならないように歯のメンテナンスを行っていくことが必要になってきます。
定期的なメンテナンスを行えば虫歯や歯周病の進行を抑制することができます。病気の進行が抑制されれば、それだけ長期間自分の歯の健康を保つことができ抜歯するような事態になりにくくなっていきます。
これはさまざまな研究がなされており、歯のメンテナンスを行うことにより自分の歯を長期間使っていけることは科学的に証明されています。

これ以外にも歯のメンテナンスを行う必要性を裏付けるものがまだあります。

例えば虫歯になって治療を行いました。そして治療した歯がしばらくたって、またむし歯が再発すれば再治療を行わないといけなくなります。
これは非常に悪いサイクルになっています。なぜなら再治療を行うことは上に出てきた5段階の分類が、最初の治療のときからさらに悪い方へと移動します。
例えれば、最初の治療で「いいね」の状態だったものが、再治療後は「微妙」に変わってきます。ひどい場合は「いいね」だったものが、再発の進行が急すぎて「希望なし」に変わることもあります。
これは「むし歯になったらまた治療すればいいや」と思っており、またむし歯になって再治療を繰り返すことは、どんどんと抜歯する状態へと近づいていってしまいます。
そのためむし歯の再発は防がないといけませんので、そのために歯のメンテナンスが必要になってきます。
理想は最初から虫歯を発生させないように、予防やメンテナンスを実践していくことです。

結論としては

「希望なし」まで進行してしまったら、痛みが出るのを待つか抜歯するしかない。
そうならないよう定期的な歯のメンテナンスをして、虫歯や歯周病の予防をすること
究極的な意見ですが、生まれたときから予防やメンテナンスを行って、理想的には虫歯や歯周病と無縁で一生過ごすことができれば素晴らしい!

皆さんはどう考えますか?

歯科医療にはこんな繊細な技術もあります

歯医者に対するイメージは悪い方は多いかと思います。
キーンと音がするドリルで削ったり、注射をうたれたり・・・

しかし、そんな乱暴そうなイメージの歯科医療の中にもこのような繊細なことができる技術もあります。
生卵の薄皮を残して硬い殻だけをむくことができます。
薄皮の内側に黄身が見えるのがわかりますか?
玉子を動かしてみると、中で黄身が動くのがよくわかります。(動画でなくてすみません)

生玉子のうす皮を残してカラをむきました。

生卵の薄皮を残して殻を剥きました。

ここ数年で歯科医療へ臨床応用されるようになった技術ですが、そのトレーニングのために生卵を使ってこのようなことを行いました。

この技術を使うことによって、従来の方法に比べ患者さんの体への負担が格段に少なくすることができます。
いわゆる「低侵襲な治療」を実現することができます。
そしてこの技術はいろいろな治療方法に応用ができ、より負担を軽減した治療を提供することが可能となります。

それでも虫歯や歯周病を日頃からしっかりと予防をし、病気の進行を許さないようにして、このような技術のお世話にならないようにしておくことが最善です。
この技術を提供は可能ですが、虫歯や歯周病の進行を許さないようなことを理解して実践していただき、できるだけこの技術の提供機会は減らしていきたいものです。

駐車場を整備しました

2000年に開業してからおかげさまで13年目を迎えることができました。

それだけ時間も経過していることから、駐車場も少しだけですが整備をいたしました。
白線が古くなってきたために、駐車スペースがはっきりとわかるように白線を引きなおしました。
道路沿いでクリニックの前には5台分のスペースを、
その道路から今市第二小へ曲がった途中にあるクリニック後ろのガレージには2台分の駐車スペースがあります。
大谷石の蔵の軒下スペースは雨が当たらないため自転車置き場としてお使いください。

少ない駐車スペースではありますが、混み合わないよう予約制で診療を行っております。
お忙しい皆様の時間から、予約をいただいた時間通りに診療を行えるように日々努めています。

201301駐車場 013

201301駐車場 007

 


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最近の海外で話題のインプラント事情について

歯周病とインプラントに関する勉強会へ所属していますが、先日そこで担当となった海外の論文に関する発表と検討会を行いました。
最近のインプラント事情も含めそのときの内容を記載します。

インプラント治療はかなり普及をしてきましたが、必ずしも一生モノのではありません。お手入れを怠ってしまうと「インプラント周囲炎」(詳細はこちら)という病気にかかってしまいます。
インプラントの先進国のスウェーデンでさえインプラントを入れた方の4人に1人がこの病気にかかっているとも言われています。

そこでここ最近、盛んに研究が行われているのがこのインプラント周囲炎という病気の治療方法についてです。
それらの研究の成果として数多くの論文が発表されておりますが、残念ながら決定的な治療方法はまだ見つかっていないことが現状です。
今回はそのようなインプラント周囲炎の治療方法の研究論文(英語・論文を書いたのはスウェーデンの研究者)を翻訳しながら、その内容を読み解いていき、勉強会メンバーの前で発表しながらディスカッションを行ってきました。

今回の研究論文の詳細はこちらのページの下段のほうにある「論文解説」というところにアップされています。

歯周病とインプラントの勉強会

今回はインプラント周囲炎によって炎症(腫れたり血が出たり膿が出たりする状態です)を起こしている歯肉に対する治療方法の検討です。
歯科用のレーザーを使った治療とエアーアブレーシブという特殊な洗浄剤を噴霧する洗浄機器を使った治療について研究された論文でした。
結果は炎症の少しの改善はあったものの完全治癒(完全に治った。完治した)とまではなかなか行きませんでした。
インプラント周囲炎は非常に難治性(治り難いという意味)の病気であることがうかがわれます。

ここでは、インプラント周囲炎にならないようにするためには、インプラント治療前に歯周病をしっかりと治しておくことと、インプラント治療後も日々のお手入れや定期的なメンテナンスクリーニングは絶対に必要だと、この論文では訴えていました。

インプラント治療は治療前の診査(検査)と治療計画をしっかりと行い、歯周病やむし歯などの治療をきちんと行い、治療後はしっかりとしたお手入れと定期的なメンテナンスクリーニングを行えば、自分の歯のようにしっかりと咬めて長く使っていくことができます。ただし,誰しもがインプラント治療の適応であるとは限らないので、可能か不可能かを見分けるためにしっかりとした検査と治療計画を行っていかなければなりません。

クリニックが取材を受けました

とはいっても、雑誌やテレビ・新聞の取材ではなく、小学生が職場見学を兼ねて取材に来てくれました。
日光市内の小学生ですが、学校の課題で好きな職場に行って取材をしてくるようにとの宿題が出たそうです。
そこでこの小学生は自分がメンテナンスで通っている沼尾デンタルクリニックを取材先に選んでくれました。

治療中の写真も撮りたいとのことだったので、このときにいらっしゃった患者さん全員に小学生の職場取材のため写真を撮影をさせていただく旨をお伝えしたところ、皆さん快諾していただきました。
念のため患者さんのお顔にはタオルを掛けさせていただき、個人が特定できないようにはさせていただきました。
お母さんと一緒に親子で楽しそうに写真撮影をしておりましたので、私も写真を取らさせていただきこのホームページでの使用許可もいただきました。

小学生の取材

このあと、この小学生はスタッフにいろいろな質問をして、一生懸命にメモを取っていました。
自分が興味を持ったことは子供は一生懸命になりますね。
興味を持ってもらえることはよかったと思います。
中学生になると職場体験などもあるようですが、歯科医院へ興味を持ってもらえるお子さんがたくさん増えてくれることを願います。
そんなときは可能な限り受け入れられるようにしていきたいと思います。

顔にもこのような難病があります

「頬が少し腫れている。」
「見た目が少し青あざのように黒ずんでいる。」
「なんとなく頬やあごに痛みがある。」

こんな初期症状ですが、実は顔の内側で「ある難病」になっているときがあります。

「混合型血管奇形」

というものです。
あまり聞きなれない病気であるとは思いますが、これは
動脈・静脈・毛細血管・リンパ管などの複数の血管が先天的に異常な形態をしている病気です。
これは顔だけに限らず体のさまざまな場所にできることがあります。
この病気は、血管が異常なため出血しやすく、まれに生命を脅かすほどの大量出血に繋がることもあります。
また、ウイルスや細菌に対しても抵抗性が弱く、感染を起こす危険性も高いといわれています。
この部分が大きくなることもあり、見た目が腫れてきたり、その周囲に影響を及ぼしたりとすることがあります。
そのため患者さんはいつなのが起こるのか不安なまま毎日を過ごさなければならないのです。

これほどの難病ですが発生頻度が少ないため、認知度が低く、また決定的な治療方法がなかなかないというのが現状のようです。
そのためにこの「混合型血管奇形」を国において難病指定をしてもらうような運動を行っている団体があります。
難病指定をもらうと、その難病を解明するための研究者の確保や研究費の確保をしやすくなり、その結果解明される可能性が大きくなり、この難病で苦しんでいる方々が助かるかもしれません。

医学の発展には、優秀な研究者と多額の研究費はどうしても必要になります。
最近話題のノーベル賞を受賞されたiPS細胞の山中教授も、研究費がなくマラソンで研究費を集めた話は記憶に新しいと思います。

そのためこの「混合型血管奇形」の難病指定に向けて活動をしているグループがあります。
「混合型血管奇形の難病指定を求める会」です。
この会の支部が地元の栃木県日光にもあります。お子さんがこの病気であるお母さんが窓口になっています。 
難病指定を求める請願書もあります。

夏に日光歯科医師会主催で行った歯のフェスタでも、栃木支部の方が署名活動を行っておりましたが
まだ、署名は受け付けているとのことです。

私も研修医時代に似たような病気の患者さんを担当させていただいた経験もあり、このような未知の病気に対しては早期に解明されてほしいと願っています。

インプラント治療でより成功率を上げる方法

少し前から研究開発がされた方法で、従来のインプラント治療にプラスアルファをすることによって治療成績を上げる可能性がある方法があります。

それは「光機能化」といわれる方法です。
簡単に言えば、ある処理をインプラントやインプラントの土台などに施すことによって、インプラントが骨や歯肉と非常によくくっついてくれるというものです。
よくくっついてくれれば今まで以上にインプラントが長持ちしてくれる可能性が高くなります。

この「光機能化」は、アメリカのUCLA歯学部の小川教授(アメリカの大学で日本人の先生が開発しました)により研究開発された方法です。
多くの実験で好成績を収め、現在日本を中心に臨床応用が始まっています。
まだ臨床応用が始まって2年ほどですが、インプラントを長持ちさせることができそうな結果が出はじまってきているようです。

先日、小川教授の講演を聴講してきましたがインプラント(素材はチタン)と骨がくっつくこの技術は、骨の手術を行う整形外科の先生方からも期待をされているとのことです。

この分野のこれからの研究成果は注目していきたいと思います。

自分の歯を長く使うために、皆さんに知ってほしいこと

自分の歯をだめにしないようにして少しでも長く使っていくためには、知ってほしいことがいくつかあります。
その中のひとつに 「人間の体の中で歯というものは、他の部分と違って非常に特殊な部分であること」 ということがあります。

それではどんなふうに特殊であるかを解説します。

例えば、手を怪我をして傷ができ血が出たりした時に適切な治療を受ければ、その傷はだんだん治っていき最終的には傷口は綺麗にふさがり治っていきます。
歯の場合、歯の表面に穴が開いてしまった時に適切な治療を受けたとしても、その穴は一生ふさがることは無く金属やプラスチックなどでその穴の部分を補修しなければなりません。

実はこの差は非常に大きなものがあります。

なぜなら、「傷が治る」とその傷は大きなものでない限り傷つく前とほとんど変わらない状態まで戻ります。そして何事も無かったように生活に支障がなくなります。
しかし歯の場合は一度傷ついたり穴があいてしまった場所は、もう元には絶対に戻ることはありませんので、一生治ることはありません。そのため金属やプラスチックなどの人工物で傷ついた穴を覆わないといけなくなり、覆った状態でその後一生を過ごしていかなければなりません。
これは傷に例えて言うなら、絶対に治らない傷に一生絆創膏を張っているようなものなのです。

それでは絶対に治らない傷に一生絆創膏を張ってあることは、日常生活の中でどこに支障が出てくるのでしょうか?

その理由は、絶対に治らない傷があることは、バイ菌が入りやすい状態が一生続いていることになるからです。
傷口にバイ菌が入ればその場所は、腫れたり、痛みが出たり、化膿したりしてそのうち腐ってきます。
つまり、非常にバイ菌が侵入しやすく腐りやすい状態であることが一生続いているため、後々の生活で支障が出てきやすいのです。

ここで皆さん思い出してもらえませんか?

「以前に虫歯を治したところが、また虫歯になってきた」

こんな経験をした覚えはありませんか?

その理由は上に説明したとおりなのです。
治療後の歯はばい菌が非常に入りやすいため、むし歯菌が入り込み、また虫歯になってしまうのです。
そのため歯は非常に特殊な部分ということなのです。
怪我をして病院へ通いその傷が治ったら「もう来なくていいですよ」といわれると思いますが、
歯に関しては治療をした後もバイ菌が入りやすい状態が続いているため、ずっとバイ菌が入らないようにしていくことが推奨されています。

歯の治療をして綺麗な歯になったとしても、それは傷が治ったことではないので、またばい菌が入り込んで汚染されないように更なるお手入れや定期健診が必要になってくるのです。

歯の治療をした覚えのある方はご注意ください。

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上記の内容は、知人から紹介してもらったこの本に記載されていたことを、患者さんにも分かりやすく私がアレンジをしてみました。

ちなみにこの本は「歯を残すための治療方法」の専門書です。

歯並びが悪くなる原因のひとつに、過剰な歯が埋まっていることがあります

正中過剰埋伏歯のCT画像

人間の歯は子供の歯(乳歯)が20本、大人の歯(永久歯)が32本(親知らずを含む)と歯の本数は決まっています。
しかし、時々決まった本数以上に歯があることがあります。それを専門用語では「過剰歯」といいます。

その「過剰歯」のなかでも、上顎の前歯のところに過剰歯があることが比較的多いです。 (正式には上顎正中過剰埋伏歯といいます)
しかも歯肉の中に埋まっていることが多く、生えてくることのほうが少ないです。
では、歯肉の中に埋まっている歯は眼では見えないのにどうすれば見つけることができるのでしょう?

よくある症状としては
・前歯がすきっ歯になっている
・前歯が生えてこない
・前歯が変なところから生えてきた
といった症状のときに過剰歯があるときもあります。(必ずしもこの症状があるから過剰歯があるとは限りません)
無症状であるときも多く、たまたま撮影したレントゲン写真に過剰歯が写っていたため発見されることも少なくないです。

今回ご紹介する例は小学校低学年のお子さんの例です。
乳歯が抜けたのに永久歯がなかなか生えてこないとお母さんが心配して来院されました。
永久歯の確認のため通常のレントゲン写真を撮ったところ、過剰歯を疑う像が見られました。
しかし、通常のレントゲン写真では過剰歯の位置や生え方が詳しく分からないため、歯科用CTを撮影して過剰歯を確認しました。(このときのCTの画像が上にある写真です。)

CTでは大人の前歯の後ろ側にさかさまになって埋まっている過剰歯があるのが良く分かります。写真の黄色の矢印のところに過剰歯があります。しかも、過剰歯が2本もあります。
このままでは歯並び等に影響が出るためお母さんと本人と相談して、日をあらためて当院で過剰歯の抜歯をしました。
抜歯後の治りは順調でした。
今もこの方の抜歯後の経過を見ながら、成長とともに歯並びのチェックや虫歯予防を行っていく予定です。

 (栃木県日光市の歯科 沼尾デンタルクリニックで実際に行われた治療例です。これらの写真は患者さんご本人の承諾を得て公開させていただいております。もちろん個人を特定できるものは一切掲載しておりません。)