歯を温存する学会に参加してきました

歯の根の治療をすることによって、歯を使える状態にして、歯を温存させることを研究している学会があります。その学会に参加してきました。
歯の根の治療とは、説明画像のような治療のことを言います。
いわゆる「神経を取る」という治療もこの範囲になります。

歯の中の治療、根管治療

今回の学会のテーマは「再治療」です。
歯の根の病気は、一度治療をしたところでも病気の再発をすることが良くあります。再発したときに行うことが、再治療ですが、それが今回のテーマでした。

再治療時に重要なことは、病気が再発した原因を突き止めて対処することです。
しかし、歯の根の中という非常に小さなところから原因を見つけることは至難の業です。
それを見つけるのに必須の機械が、歯科用顕微鏡(マイクロスコ-プ)です。
歯科用顕微鏡とは歯の中の細かなところを、拡大してみることができます。肉眼では見ることのできない部分までよく見えます。その歯科用顕微鏡を使って、病気の再発した原因を探します。
原因を発見し、適切に処置を行えば症状がなくなります。
そうなれば抜かなければいけなかった歯を、もう一度使うことができます。
(歯科用顕微鏡とはこのような機械になります)
逆に、致命的な原因が見つかるときがあります。
その場合は、いくら治療を続けても、症状は良くなりません。

今回の学会でも、いろいろな症例を見てとても勉強になりました。、
学んだことを毎日の仕事にフィードバックして、
1本でも多くの歯を温存していきたいと思います。

歯の根の治療の成功率を上げて、できる限り歯を温存する治療法

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた治療風景
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)によって、治療中の歯の動画(字幕解説付き)
(動画下部の「字幕」をクリックすると字幕が出ます)

歯を温存するために
1.小さな歯を歯科用顕微鏡で拡大をして、精密な治療を行う。
2.直接見えない死角にある患部は、鏡で映しながら治療を行う。
1.2.を行うことにより、歯科治療の精度を上げることができます。
その結果、肉眼での治療では温存が難しい虫歯でも、マイクロスコープによって歯を温存することができる時があります。それらについて詳しく説明します。

1.小さな歯を歯科用顕微鏡で拡大をして、精密な治療を行う。
顕微鏡とは、肉眼では見えないものを拡大して見ることができます。それを歯科治療に応用したものが歯科用顕微鏡です。
つまり、肉眼では見えない虫歯などを見ることができます。見えれば虫歯を取り残すことや、削りすぎることを最小限にすることができます。
よって、取り切りたい虫歯の部分はすべてとることができ、残したい健康な部分は残すことができます。
その結果、歯を温存できる可能性が上がります。

2.直接見えない死角にある患部は、鏡で映しながら治療を行う。
口の中にある歯は、見える部分と見えない部分があります。
例えば、歯の後ろ側とか、深い虫歯の穴の中などです。見えないと治療ができません。
そこで、口の中に入る鏡を使って、死角になっている歯の後ろ側や深い虫歯の中を覗くように見ることができます。
そして、鏡に映った虫歯を見ながら、確実に虫歯を削ることができます。
その結果、歯を温存できる可能性が上がります。

(上の動画解説)
歯の根の中にある神経までバイ菌が侵入すると、いろいろな症状が出てきます。
ひどい場合には抜歯となることも良くあります。
抜歯とならないよう、できる限り歯の根の治療の成功率を上げていきたいところは、患者さんにとっても、歯科医師にとっても共通の望みではないでしょうか。
しかし、歯の根の中は非常に細かい構造になっており、肉眼で治療を進めていくには限界があります。
そこで歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)をもちいます。
これは細かい構造の部分を拡大して見ながら、治療を行うものです。脳外科や眼科などの手術でもよく使われています。
歯科医用顕微鏡を見ながら、歯の根の中で、肉眼では見えないばい菌に汚染された部分を取り除き、歯の症状を取り除いていく治療を行います。
これによって成功率を上げ、できる限り歯を温存することを目標にしています。

精密な歯科治療のトレーニング

歯の治療は非常に細かな部分を治療するので、その細かな部分を拡大をしてよく見えるようになれば治療の精度は格段に上がります。それを可能にしてくれるのが手術用顕微鏡という機械です。

テレビで行っている医療の手術シーンによく出てきますが、覗きながら手術を行っているものが顕微鏡です。

手術用顕微鏡を使って患部を見ると、通常肉眼では見られない細部までよく見えます。イメージとしては双眼鏡で覗いたときに、遠くのものが手に取るように見えているのと同じような感覚です。

良く見えるために痛みなどの原因も良く見えることが多々あります。見えれば治療の成功率も上がります。そのため手術用顕微鏡は非常に有用な機械なのです。

 

ただし、手術用顕微鏡を使いこなすためにはそのスキルが必要です。

手術用顕微鏡を導入してからスキルアップをはかってきましたが、今回さらなるレベルアップを目指すために顕微鏡歯科治療の研修を受けてきました。

顕微鏡を使いながら直接指導をいただき、新たな知見や使用方法などを学びました。

セルフトレーニングの方法も学んできたため、今後研鑚を積んで、顕微鏡歯科治療のレベルアップをはかっていきたいと思います。

 

 

歯を温存するための根の治療 -実習と講義に参加ー

歯科大学病院にて2日間にわたり、歯を温存するための治療の、実習と講義に参加してきました。
1日目は歯の治療の実習をします。実習をするために机が、一人1台与えられます。

ここでは歯を温存するための歯根の治療の専門医たちが多数おりました。
そして専門医たちから丁寧な指導を丸一日うけてきました。
専門医から診る、病状の把握、治療のコツ、難症例の対応の仕方など貴重な指導をしていただきました。

多種類の機材を駆使して難しい病状に挑みます。
少人数での実習だったために、細かなところまで指導をしていただきました。
今まで分からなかったことも、解決するようになりました。
少しでも専門医に近い治療ができるように、これからも精進し続けたいと思います。

2日目は午前中は講義、午後は治療例の発表会でした。
他の歯科医師の治療例は大変勉強になります。
今回得られた知見で、今まで温存できなかったケースも温存できるようにしていければと思います。

ただし、
むし歯が進行しすぎて重症化したものは、温存することができません。
それは専門医でも温存は不可能となり、抜歯せざるを得ません。
歯を温存するためには、やはりむし歯を進行させないことが大前提です。
むし歯を進行させないためには、むし歯予防が大切になります。
歯磨きだけでは十分な予防ができないので、詳しくは歯科医院にて相談してみてください。

歯を温存する新たな学び 2017in栃木

日本歯内療法学会という主に歯の神経の治療を研究する学会があります。
その研究は虫歯になった歯を少しでも長く温存させるためにはどうすればいいか?ということがテーマの一つにもなっています。
そんな歯を温存するための学会が主催した研修会が栃木県で開催されたので参加してきました。
普段は日本全国各地で行われているものなので、参加するためには診療を休診にしなければならないのですが、
今回は地元開催でしかも休診日の開催だったのでとても助かりました。
虫歯によって歯の神経がダメになったり、痛くなったりすることの原因は多種多数のばい菌によるものです。
ばい菌が大量にいると虫歯は進行し、神経は腐り、歯の根の周囲に膿がたまってきます。
そのうち歯肉や顎が腫れたり、我慢できない激痛が始まったりします。
そのようにならないように、そのばい菌を撲滅することが、歯を長く温存していくためには重要なことになります 。
今回の研修会では、ばい菌撲滅するための新しい研究や新しい治療器具なの講習を受けることができました。
早速ですが診療にフィードバックをさせて、より多くの歯を温存できるようにしていきます。
ただ、もう温存できないくらい進行した手遅れの状態になってしまっては
どんなに研究や治療方法が進化しても、温存することはできません。
手遅れになるまえに早期の治療をすること。
でも、理想は虫歯にならないよう予防をしておくことが一番いいのです。

麻酔注射の苦痛を軽減させる工夫

歯の治療で麻酔の注射は苦手な方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方にもできるだけ苦痛なく麻酔の注射を受けていただきたく思い、沼尾デンタルクリニックではコンピューター制御の麻酔を使用しています。
そこで、この機械のいいところはどこか?

コンピューター制御の 

麻酔の注射をして麻酔薬が入ってくるときの痛みを感じることが多いといわれていますが、それは麻酔薬が注入されるときの水圧によって痛みがあるといわれています。
その痛みの元となる水圧を、痛みを感じないレベルの圧力を維持したまま、麻酔薬を注入できるようにコンピューターでコントロールしている機械だからです。
ある一定の圧力がかかると自動で調整したり、注入を止めてくれたりします。
それなので痛みを軽減することができる麻酔注射の機械なのです。
麻酔中はこの機会は音楽もなります。その音楽で注射中の気がまぎれるという方もいらっしゃいます。

そのほかにも痛みを軽減する工夫があります。

歯科治療時に使う麻酔注射針

麻酔の注射に使い針は一番細いものを使用しています。上の写真では他の注射針と比較をしてみました。
上の注射針が採血などに使用するものです。下の注射針が歯科麻酔に使用するものです。
写真で見るように、約半分ほどの太さしかないのが分かりますか?
細い針のほうが痛みを感じにくいといわれています。
通常採血などをする上の針は22ゲージのものですが、歯科麻酔用の下の針は33ゲージのものを使用しています。ゲージとは針の太さをさし、数字が大きいほど細くなっていきます。

また、麻酔の注射をする前に塗り薬の麻酔を塗って、ビリビリとした状態にしてから注射をすることもあります。
塗り薬の麻酔薬もご希望の方は遠慮なく言ってください。

このように、沼尾デンタルクリニックでは歯科治療に使う麻酔注射の苦痛を軽減できるよう工夫をおこなっております。

歯を残す治療のトレーニングを行っています

誰しも自分の歯を抜きたくはないと思います。
しかし、虫歯が進行してしまった場合、そのままにしておくと歯を抜くようになってしまいます。
そのようなときに虫歯が進行した歯を抜かずに、歯根の治療をしてまた歯を使えるようにする治療方法があります。
歯根の治療は、小さな歯の中をきれいにする治療のため非常に細かい処置となります。
そのため、最近では歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)というものを使って、その細かな根の中を顕微鏡でのぞきながら大きく拡大して見える状態で治療を行うこともあります。
そのような細かなところを治療していくために、日々トレーニングを積んでできる限り治療の成功率を上げる努力をしています。

歯の神経を取るトレーニングです。
上の写真は歯根の治療のトレーニングをするために開発された模型で、それを使って歯根の治療のトレーニングを行っています。
まず虫歯が進行してしまい、ばい菌に汚染されてしまった歯根の中の神経をとることから始まります。(実際には麻酔の注射をして痛みがない状態にしてから治療を行います)
「ファイル」という細い針金状のヤスリを歯根の中に挿入して内部を少しづつ削りながら、ばい菌に汚染された部分をきれいにしていきます。
上の写真に灰色のところに細い針金がついている器具は「ファイル」です。
写真をよく見ると下のほうに少しだけ「ファイル」の先端が飛び出しているのがわかりますか?
歯根の内部を貫通している神経の部分を、歯根の先まできれいにした結果、歯根の先まで「ファイル」が貫通した様子がわかります。
ちなみにこの練習用の歯の模型は下顎奥歯の実物大の模型で、その歯根の先から飛び出している「ファイル」の先端の直径は0.08mmという細さです。
歯を残すための治療とは、これだけ細かい治療を行っています。
実際に口の中ではここまで細かいものは肉眼では見えないため、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使い、できるだけ治療を成功へと導くようにしています。

歯の神経を取った後に、薬を根の先までしっかりと詰めるトレーニングです。 
「ファイル」を使って、ばい菌に汚染された歯根の中がきれいになった後には、また底の部分にばい菌が入らないように専用の薬を充填します。
写真の模型の内部がピンク色になっていると思いますが、それが充填された薬です。
充填専用の機材を使って細い根の先まで密封するように薬を充填します。写真の歯の上にある器具の先端は約0.6mmという細さです。

image (1)
このような充填まで終わった歯の模型を、歯を残す治療の専門医にチェックをしてもらい、改善点を指摘してもらいます。
その場合、非常に小さな部分をチェックしていくため上の写真のような歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)でチェックをしていただきます。
透明な模型を、歯科用顕微鏡でチェックするため非常に細かなところまでチェックすることができます。
もうこのトレーニングは数回行いましたが、細かなところまで指導していただけるので、やるたびに治療の精度が上がっていきます。
虫歯が進行しすぎてしまった歯を、1本でも多く残す努力は怠ることなく継続していこうと思います。

できれば虫歯にならないようメンテナンスや予防を行っていれば、歯を抜くようなこともずっと少なくなるんですけどね。

歯の根が知らぬ間に折れていることがあります

骨が折れるように、歯も折れます。特に歯肉の中にある歯の根が折れていることは、実は良くあります。
骨が折れた場合、きちんと元の位置に戻して固定をしてあげれば、くっつけられることがほとんどです。
しかし、歯が折れた場合には骨のようにくっつくことはないため、ずっと折れたままになっています。その結果、折れた部分からばい菌が進入して、歯肉の中に膿がたまってきて、痛みが出たり腫れたりしてきます。
そのため歯の根が折れた場合には、残念ながら原則として抜歯となってしまいます。

上の表示してある動画は、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で拡大して見た、折れている歯の動画です。ばい菌に汚染されている様子が分かると思います。

では、どんな歯の根が折れやすいのでしょうか?

それは、神経を取ってしまった歯の根が折れやすいのです。神経のある歯の根に比べて、圧倒的に神経のない歯の根のほうが折れます。
つまり神経を取ってしまった歯は、ある程度は歯の根が折れる可能性があることは覚悟をしておかなければなりません。

神経を取るともう痛むことがなくなると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、しかし、実際には歯の神経を取っても、骨のほうまで化膿したりして、痛みが出ることはありますし、歯の根が折れて抜歯となり歯を失うこともよくあります。

今のところ残念ながら歯の根が折れるのを確実に予防する方法は今のところありません。

神経を取ることになる原因のほとんどが、虫歯が進行して神経までばい菌に汚染されてしまったときや、神経の痛みが出たときです。
つまり、虫歯の進行を食い止めておけば、神経がばい菌に汚染されず、神経を抜く可能性はグッと低くなります。
結果的に虫歯予防をしておくことが、歯の根を折る危険性から回避してくれる一番の方法なのかもしれません。

歯の根の治療

歯の神経は歯の中にあります。神経を取るときには、歯に大きな穴を開けて細い針金状のヤスリを使って神経を取ります。
写真は神経を取る治療の練習用模型です。歯の上から挿入した針金状のヤスリが、根の先から飛び出しているのが分かりますか?
根の先までしっかりと綺麗にして、ばい菌に汚染された部分を取り除くことが、歯の神経の治療になります。
25mm前後しかない歯の中にある神経をとるため、神経を取る治療は非常に細やかな治療になって行きます。
写真の針金は先端が約0.1mmという細さのもので治療を行っています。
そのため上の動画にもあったような、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)というものを使って大きく拡大した状態を見ながら、治療を行うこともあります。

こののように丁寧で繊細な治療を行ったとしても、歯の根が折れてしまい、抜歯となるケースはたくさんあります。
できる限り神経を取らなくてもいいように、虫歯にならないために、歯医者さんや歯科衛生士さんと一緒に、あなたの歯を守る対策を相談して下さい。
痛くなってからは手遅れなのです。

歯科医療にはこんな繊細な技術もあります

歯医者に対するイメージは悪い方は多いかと思います。
キーンと音がするドリルで削ったり、注射をうたれたり・・・

しかし、そんな乱暴そうなイメージの歯科医療の中にもこのような繊細なことができる技術もあります。
生卵の薄皮を残して硬い殻だけをむくことができます。
薄皮の内側に黄身が見えるのがわかりますか?
玉子を動かしてみると、中で黄身が動くのがよくわかります。(動画でなくてすみません)

生玉子のうす皮を残してカラをむきました。

生卵の薄皮を残して殻を剥きました。

ここ数年で歯科医療へ臨床応用されるようになった技術ですが、そのトレーニングのために生卵を使ってこのようなことを行いました。

この技術を使うことによって、従来の方法に比べ患者さんの体への負担が格段に少なくすることができます。
いわゆる「低侵襲な治療」を実現することができます。
そしてこの技術はいろいろな治療方法に応用ができ、より負担を軽減した治療を提供することが可能となります。

それでも虫歯や歯周病を日頃からしっかりと予防をし、病気の進行を許さないようにして、このような技術のお世話にならないようにしておくことが最善です。
この技術を提供は可能ですが、虫歯や歯周病の進行を許さないようなことを理解して実践していただき、できるだけこの技術の提供機会は減らしていきたいものです。

自分の歯を長く使うために、皆さんに知ってほしいこと

自分の歯をだめにしないようにして少しでも長く使っていくためには、知ってほしいことがいくつかあります。
その中のひとつに 「人間の体の中で歯というものは、他の部分と違って非常に特殊な部分であること」 ということがあります。

それではどんなふうに特殊であるかを解説します。

例えば、手を怪我をして傷ができ血が出たりした時に適切な治療を受ければ、その傷はだんだん治っていき最終的には傷口は綺麗にふさがり治っていきます。
歯の場合、歯の表面に穴が開いてしまった時に適切な治療を受けたとしても、その穴は一生ふさがることは無く金属やプラスチックなどでその穴の部分を補修しなければなりません。

実はこの差は非常に大きなものがあります。

なぜなら、「傷が治る」とその傷は大きなものでない限り傷つく前とほとんど変わらない状態まで戻ります。そして何事も無かったように生活に支障がなくなります。
しかし歯の場合は一度傷ついたり穴があいてしまった場所は、もう元には絶対に戻ることはありませんので、一生治ることはありません。そのため金属やプラスチックなどの人工物で傷ついた穴を覆わないといけなくなり、覆った状態でその後一生を過ごしていかなければなりません。
これは傷に例えて言うなら、絶対に治らない傷に一生絆創膏を張っているようなものなのです。

それでは絶対に治らない傷に一生絆創膏を張ってあることは、日常生活の中でどこに支障が出てくるのでしょうか?

その理由は、絶対に治らない傷があることは、バイ菌が入りやすい状態が一生続いていることになるからです。
傷口にバイ菌が入ればその場所は、腫れたり、痛みが出たり、化膿したりしてそのうち腐ってきます。
つまり、非常にバイ菌が侵入しやすく腐りやすい状態であることが一生続いているため、後々の生活で支障が出てきやすいのです。

ここで皆さん思い出してもらえませんか?

「以前に虫歯を治したところが、また虫歯になってきた」

こんな経験をした覚えはありませんか?

その理由は上に説明したとおりなのです。
治療後の歯はばい菌が非常に入りやすいため、むし歯菌が入り込み、また虫歯になってしまうのです。
そのため歯は非常に特殊な部分ということなのです。
怪我をして病院へ通いその傷が治ったら「もう来なくていいですよ」といわれると思いますが、
歯に関しては治療をした後もバイ菌が入りやすい状態が続いているため、ずっとバイ菌が入らないようにしていくことが推奨されています。

歯の治療をして綺麗な歯になったとしても、それは傷が治ったことではないので、またばい菌が入り込んで汚染されないように更なるお手入れや定期健診が必要になってくるのです。

歯の治療をした覚えのある方はご注意ください。

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上記の内容は、知人から紹介してもらったこの本に記載されていたことを、患者さんにも分かりやすく私がアレンジをしてみました。

ちなみにこの本は「歯を残すための治療方法」の専門書です。