日本歯周病学会専門医(歯周病スペシャリスト)

 日本歯周病学会専門医とは、歯周病治療のスペシャリストのことです。当院院長の沼尾は、日本歯周病学会専門医です。
 歯周病専門医の制度は、日本歯周病学会が歯周病の専門知識と技術を持った歯科医師を養成するためのものです。歯周病治療について何年もの時間をかけて研鑽を積み、日本歯周病学会の試験を幾つもクリアして、取得できるものです。

歯周病の進行

 歯周病は歯を失う原因の第1位の病気です。そのために、歯周病の治療と専門知識を持った歯周病専門医が、歯周病を克服し、1本でも多く自分の歯を抜かずに温存していくための治療を行います。
 もちろん、専門医でもすべての歯を温存できるわけではありません。歯周病が重症化しすぎてしまった場合は、温存が困難なこともあり、そのような場合は、残念ながら抜歯となることもあります。手遅れにならないうちに早めに治療を開始すれば、自分の歯を抜かずに温存できる可能性は高くなります。歯周病専門医は、専門知識を駆使して、できる限り温存することを念頭におき、治療に当たります。


歯周病とは、どのような病気なのか?
歯周病治療とは、どのようにすすめていくのか?
歯周病治療の専門医(スペシャリスト)とは、どのようなスキルなのか?

歯科用3Dスキャナーの講演会に参加して

CEREC Omnicam
セレック オムニカム
口腔内スキャナー
CEREC Omnicam
セレック オムニカム
口腔内スキャナー

今までは銀歯や入れ歯を作るときに、粘土状のものを口の中に入れて、それを固まるまで待って、歯型をとってきました。

最近はテクノロジーの進歩によって、粘土状のものを使わずとも歯形が取れる方法が、今の歯科にはあります。それは、口の中に入る小さなカメラを使って、歯のスキャニングを行い、デジタルデータとして取り込むことができます。歯型や咬み合わせもスキャンしてデジタルデータ化できます。

それらのデータをもとにPCの中で、歯の形を設計します。

設計された歯のデータを、CAD/CAMに送信することによって、セラミックの歯を削りだしで作成することができます。

そのような技術がもう完成されて、実際の診療にも導入されています。

当院にも歯型をとるための口腔内スキャナーとCAD/CAMのシステムを導入し、治療を提供することができます。

粘土状のものを使わずに歯形が取れるので、患者さんの負担が大きく減少します。息苦しい思いをして粘土状のもので型を取らなくなるので楽です。また、お子様でも口の中にカメラを入れるだけなので、楽に取れます。「オエッ」となりやすい人も、小さなカメラなら、そうなることもありません。

今回はこれらのシステムを巧みに使いこなしている、著名な先生方の講演を聴講してきました。

口腔内カメラの使い方のコツや、PCに取り込んだデジタルデータの活用法など、このシステムに関するいろいろなことを学んできました。その中でもデジタルデータの使い方として有用と感じたものは、患者さんへの病状説明に使う方法です。

取り込んだデータ加工すると、歯並びや咬み合わせが3D画像としてモニターに映し出されます。PCのデータなので、画面上でその3D画像を回転させることもできます。その患者さんの咬み合わせや歯並びを360度上下左右どこからも見ることができます。患者さんが自分の咬み合わせをPC画面上で見られることは、自分の咬み合わせがどんな状況なのかがすごくよくわかります。

そのような画像データを患者さんと歯科医師が一緒に見ながら、病状の説明や、治療内容の解説などに使っています。

これからは当院でもこのような使い方をして、患者さんへわかりやすい情報を提供できるよう努めていきたいと思います。

歯を温存する学会に参加してきました

歯の根の治療をすることによって、歯を使える状態にして、歯を温存させることを研究している学会があります。その学会に参加してきました。
歯の根の治療とは、説明画像のような治療のことを言います。
いわゆる「神経を取る」という治療もこの範囲になります。

歯の中の治療、根管治療

今回の学会のテーマは「再治療」です。
歯の根の病気は、一度治療をしたところでも病気の再発をすることが良くあります。再発したときに行うことが、再治療ですが、それが今回のテーマでした。

再治療時に重要なことは、病気が再発した原因を突き止めて対処することです。
しかし、歯の根の中という非常に小さなところから原因を見つけることは至難の業です。
それを見つけるのに必須の機械が、歯科用顕微鏡(マイクロスコ-プ)です。
歯科用顕微鏡とは歯の中の細かなところを、拡大してみることができます。肉眼では見ることのできない部分までよく見えます。その歯科用顕微鏡を使って、病気の再発した原因を探します。
原因を発見し、適切に処置を行えば症状がなくなります。
そうなれば抜かなければいけなかった歯を、もう一度使うことができます。
(歯科用顕微鏡とはこのような機械になります)
逆に、致命的な原因が見つかるときがあります。
その場合は、いくら治療を続けても、症状は良くなりません。

今回の学会でも、いろいろな症例を見てとても勉強になりました。、
学んだことを毎日の仕事にフィードバックして、
1本でも多くの歯を温存していきたいと思います。

2019年顎関節学会に参加して

2019年7月に開催された第32回日本顎関節学会に参加してきました。
今回はアジア顎関節学会も同時開催となっていたため、海外からの参加者も多数みられました。

顎関節学会は顎の関節に関連する病気などについて、研究発表があったり、検討や討議をしていく場です。
今回の学会では、顎関節に関連する病気だけではなく、顎関節に関連する病気に類似した病気との鑑別についての検討が多かったです。
医学の進歩とともに、たくさんの病気があることも分かってきていますが、症状が多彩な病気もあります。

今後も進化する医学に、研鑽を続けていこうかと思います。

若くても歯周病で歯が無くなる可能性があります

先日参加してきた歯周病学会にて、いろいろな歯周病の治療例の発表がありました。
その中の一つに20歳で重症な歯周病を発症し、それをどのように治療をしたのかを報告されていたものがありました。

初期症状は20歳という若さでも、歯肉が腫れて血が出たり、歯がぐらついたりしてきたようです。その病状の進行は早く、あっという間に症状が進んできたとのことです。

いくつかの歯科医療機関を受診しましたが、その病状の進行は止まらなかったために、歯周病専門医に紹介をされました。その歯周病専門医で治療をした経過の報告でした。

今回の報告では、通常では抜歯となってしまうような症状の歯を、的確な診断と治療を行い、それらの歯をすべて温存することに成功をしていました。

 

この報告をした歯周病専門医は私の友人であったので、治療や経過に関することをたくさん質問をして、いろいろなことを教えてもらうことができました。
今回の学びは日々の私の治療にフィードバックさせていこうかと思います。

 

口が開かない場合、その原因によっては外科処置の可能性もあります。

口が開きにくい、大きく開けない、などの症状のがあるときは、あごの病気の可能性があります。
口が開きにくくなる原因は、様々な病気があります。
まずは原因となっている病気の特定を行い、その病状に合わせた治療を行います。

まずは保存的療法を行うことによって、症状改善していくことが多いです。

しかし、まれに外科療法(手術)を必要とする原因の時もあります。例えば、顎に癌ができてしまい口が開きにくくなった場合です。

先日、日本顎関節学会第45回学術講演会に参加してきました。今回のテーマは「外科療法について」です。
講演内容では、近年研究が進み、口が開かないことに対する治療は保存的治療で改善することが多くなってきましたが、それでもまだ外科療法が必要な場合があります。

 

精密な歯科治療のトレーニング

歯の治療は非常に細かな部分を治療するので、その細かな部分を拡大をしてよく見えるようになれば治療の精度は格段に上がります。それを可能にしてくれるのが手術用顕微鏡という機械です。

テレビで行っている医療の手術シーンによく出てきますが、覗きながら手術を行っているものが顕微鏡です。

手術用顕微鏡を使って患部を見ると、通常肉眼では見られない細部までよく見えます。イメージとしては双眼鏡で覗いたときに、遠くのものが手に取るように見えているのと同じような感覚です。

良く見えるために痛みなどの原因も良く見えることが多々あります。見えれば治療の成功率も上がります。そのため手術用顕微鏡は非常に有用な機械なのです。

 

ただし、手術用顕微鏡を使いこなすためにはそのスキルが必要です。

手術用顕微鏡を導入してからスキルアップをはかってきましたが、今回さらなるレベルアップを目指すために顕微鏡歯科治療の研修を受けてきました。

顕微鏡を使いながら直接指導をいただき、新たな知見や使用方法などを学びました。

セルフトレーニングの方法も学んできたため、今後研鑚を積んで、顕微鏡歯科治療のレベルアップをはかっていきたいと思います。

 

 

歯を温存するための根の治療 -実習と講義に参加ー

歯科大学病院にて2日間にわたり、歯を温存するための治療の、実習と講義に参加してきました。
1日目は歯の治療の実習をします。実習をするために机が、一人1台与えられます。

ここでは歯を温存するための歯根の治療の専門医たちが多数おりました。
そして専門医たちから丁寧な指導を丸一日うけてきました。
専門医から診る、病状の把握、治療のコツ、難症例の対応の仕方など貴重な指導をしていただきました。

多種類の機材を駆使して難しい病状に挑みます。
少人数での実習だったために、細かなところまで指導をしていただきました。
今まで分からなかったことも、解決するようになりました。
少しでも専門医に近い治療ができるように、これからも精進し続けたいと思います。

2日目は午前中は講義、午後は治療例の発表会でした。
他の歯科医師の治療例は大変勉強になります。
今回得られた知見で、今まで温存できなかったケースも温存できるようにしていければと思います。

ただし、
むし歯が進行しすぎて重症化したものは、温存することができません。
それは専門医でも温存は不可能となり、抜歯せざるを得ません。
歯を温存するためには、やはりむし歯を進行させないことが大前提です。
むし歯を進行させないためには、むし歯予防が大切になります。
歯磨きだけでは十分な予防ができないので、詳しくは歯科医院にて相談してみてください。

お口の健康を守る歯科衛生士さんの勉強会に参加してきました。

お口の健康を守るには歯科衛生士さんが欠かせません。
なぜなら、口腔衛生管理がお口の健康を守るには必須であり、
口腔衛生管理のスペシャリストが歯科衛生士さんだからです。

 

この口腔衛生管理とは?
お口の中には歯周病菌や虫歯菌など数百種類の細菌が住みついています。そして常に増殖し続けて行くので、その結果お口の中にいろいろな病気を発症させます。
そうならないように細菌の増殖を抑えるようにしていくことが口腔衛生管理です。

 

お口の中のいろいろな病気から守ってくれる口腔衛生管理を、ご本人と二人三脚で行っていくのが歯科衛生士です。
その歯科衛生士さんの仕事ぶりの報告会がありました。
参加された歯科衛生士さんは患者さんと真摯に向き合っており、その結果患者さんのお口の健康を守り続けている方たちばかりでした。

学ぶべきことがたくさんあった勉強会だったので、それらの内容を当クリニックでもフィードバックしていきます。

インプラントは必ず一生もつのか?

インプラント周囲炎
タイトルの答えは 「否」 です。
スウェーデンから大学教授が来日し、インプラントに起こる問題について、講義を聴いてきました。
インプラントとは、自分の歯が無くなってしまった場合、金属製のボルトをあごの骨の中に埋め込みその上に歯を作る治療方法です。
世界中で行われているメジャーな治療方法で、適応がマッチすればとてもいい治療方法の一つです。
ただ、インプラント治療後にずっと使っていくためには
毎日、自分にきちんとお手入れをしていき、
定期的に、主治医のところでチェック&クリーニングを行う必要があります。
もし、それを怠るとインプラントの周りにも病気が発症します。
それは
歯肉が腫れたり、
歯肉から膿が出たり、
痛みが出るようになったり、
インプラントがグラグラするようになったり、
などの症状になってしまい、
最終的にあごの骨を削ってインプラントを取り外すようになってしまいます。
インプラント治療には限りませんが、治療にはリスクとメリットが必ずあります。
リスクとメリットをよく検討してみることを強くお勧めいたします。