市販のセルフメイドのマウスガードを使おうと思うのですが、作り方にコツはありますか?

Question 市販の安いセルフメイドのマウスガードを使おうと思うのですが、作り方にコツはありますか?

Answer  歯科医師による提供以外、正しいマウスガードを作るコツというのはありません。

市販のマウスガードには、一般的に常に噛んでいないと落ちてしまうようなストックタイプのものと、ご自身で成形し使用するマウスフォームドタイプがあります。成形できるタイプの中で、ボイル&バイトタイプは歯列(アーチ上に並んだ歯のこと)を覆うような馬蹄型をしています。

この馬蹄型のマウスガード材をまず温湯で軟化し、口腔内に挿入し噛み合わせて成形します。このタイプは安価で成形が容易なため、選手らの使用頻度は高いようです。しかし、このタイプのマウスガードは、選手自身が使用説明書を読みながら調整するため、息苦しくなるような形態に仕上がったり、口のなかとの適合性が十分得られないものとなり、結果として外傷予防効果などが期待できないマウスガードとなってしまいます。また、

専門知識を持たない方が調製することは難しく、たとえできあがったとしても、その使用感などは極めて悪いものとなります。

さらに、噛み合わせの位置や噛み込むときの力の入れ具合、そしてマウスガードと歯と噛み合う部分の細かい調製(非常に重要な調整部分)はできません。

このようなマウスガードを使用し続けていると、アゴの関節が痛くなったり、口が開かなくなったりして、いわゆる顎関節症になりかねません。また、パフォーマンスにも影響が及びます。

マウスガードを作るには、コツではなく、専門家に個人個人にあった正しいマウスガードを提供してもらうことです。

歯医者さんで作るマウスガードの良いところを教えてください。

Question  歯医者さんで作るマウスガードの良いところを教えてください。値段は高いのでしょうか?

Answer 個人の歯型を採り、調製するため適合性に優れています。市販品よりは高めになります。

歯医者さんに作ってもらうマウスガードをカスタムメイド・タイプといいます。このタイプは、選手個人の歯型を採って口腔内にぴったり合うように調製されるので、市販品のものと比べ適合性に優れ、違和感が少なく設計における製作時の自由度に応えることにも可能になります。なんといっても正しいあごの位置や噛み合わせを付与することができることが重要なポイントだと思います。

このカスタムメイド・タイプのマウスガードには、その制作方法によりバキュームタイプ、ラミネートタイプ及び埋没填入タイプの3種類があります。

バキュームタイプは、製作が簡便、そのうえ比較的安価であるため、低年齢層や普及型タイプとして有用と思われます。

ラミネートタイプは、マウスガード材を加熱・加圧により層状に張り合わせることで必要な部分の厚みを増やせます。また材料・材質を変化させることで、衝撃吸収能の高いマウスガードの製作が可能となります。このタイプは、バキュームタイプよりさらに優れており、多くのニーズに応えられます。

埋没填入タイプは、入れ歯を作るのとほぼ同じ製作過程をとります。このタイプは、形態・厚みなどを自由に設計できることから、外傷を受けやすい部位の厚みを十分確保することができます。また繊細な仕上がりが期待できます。しかし製作過程に多くの時間と労力を要し、材料自体の価格が比較的高価なため、他の2つのタイプに比べ経済的負担が大きくなる傾向にあります。

矯正中にスポーツをするときに気をつけるポイントを教えてください。

Question 矯正中にスポーツをするときに気をつけるポイントを教えてください。

Answer 口元にボールや打撃を受けて矯正装置が壊れないように気をつけてください。

 スポーツ選手にとっても歯ならびは重要です。世界の一流アスリートの多くは矯正治療をして歯並びを治しています。噛み合わせを治すことで、体のバランスがとれるうえ力が入るからです。テニスボールを打つときなど、力を入れるときは知らず知らず奥歯に力が入るもの。この噛み合わせが悪ければ歯に負担がかかり、歯の寿命を短くすることにもなりかねません。

陸上のカール・ルイス、ゴルフのタイガー・ウッズ、テニスの杉山愛、スケートの岡崎朋美などスポーツのジャンルを問わず矯正治療経験者はいっぱいです。矯正経験の有無は分かりませんが、テニスのシャラポワの歯ならびも取ってもきれい!「一流アスリート=歯並びがいい」という公式は世界共通のようです。残念ながら、日本においてはこの公式は当てはまらないようです。いまだ「歯並びの重要性」に気がついてくれないスポーツ関係者にがっかり。日本が「歯並び後進国」と呼ばれるゆえんでしょう。

 さて、矯正中にスポーツをしてもまったく問題ありません。でも、サッカー、バレー、野球などのボールが口元を直撃する可能性があるスポ-ツはご用心、衝撃で装置が壊れたり、まれに口の中が切れたりすることもありますのでマウスガードを装着しておくと怪我の予防には効果があります。ラグビーのように激しいスポーツにはマウスガードを必ず装着するとよいでしょう。

 もっとも注意が必要なスポーツはボクシングなどの格闘技。装置で口の中が切れてしまうのはマウスガードを装着しても避けられないかもしれません。

歯をぶつけてしまい、グラグラしています

Q 子供が歯をぶつけてしまい、グラグラしています。いつも通院している小児歯科医院と、一般歯科ではどちらがいいのでしょうか?

A 早急な処置が必要な場合もあるので、すぐ行ける歯科を受診してください。

 障害の程度によっては早急な処置が望まれますので、すぐに行ける歯科医院や大学病院が良いと思います。ただ定期的に通院されている歯科医院が近くにあるならば、そちらのほうが望ましいでしょう。

 ご質問のような場合や、転んだりして歯や歯ぐきが損傷した場合を「外傷」と呼びます。外傷はその程度や状況、年齢により、手当ての方法や治療の期間が異なります。

 外傷では、歯が抜けかけていたり、歯が折れていたりするケースもあります。この場合、その部分には触らないようにして、早急に歯科を受診してください。歯科ではその部分を固定します。この固定は骨折などと同じで、歯の位置を安定させるための処置で、固定期間はおおむね1~3週間です。

 その他に歯が欠けて感染が疑われる場合には、必要に応じてX線撮影をし、いわゆる「根の治療」が必要となります。また、歯肉に裂傷がある場合には縫うこともあります。

 乳歯の場合には、事故直後には何の症状がなくても、数日から数ヶ月の後に歯の色が褐色に変化することも珍しくはありません。この色の変化は歯の神経が壊死(死んでしまう状態)したためです。歯の変色があっても、歯ぐきが腫れるなどの症状がないときには、処置を行わないことも多くあります。

 また、乳歯ではぶつけた方向や強さによっては、乳歯の根の近くに存在している永久歯に何らかの影響がある可能性もあります。その場合には、永久歯が完全に生え終わるまでの管理が大切になります。

噛む力が弱いのですが、日常生活で鍛えることはできますか?

Questoin
噛む力が弱いのですが、日常生活で鍛えることはできますか?
Answer
咀嚼筋などを鍛える方法と、顔や頭を支えている頸や胸の筋肉を鍛える方法があります。
そのためには、食事のときに咀嚼回数を多くするように心がけることが一番大事です。また、食事の合間にチューインガムを噛むことで、咀嚼筋や頸の筋肉を鍛えることもできます。頸や胸の筋肉は、ダンベル体操などで刺激を与えてやるといいでしょう。

ケガを防ぐためにはマウスガードが効果的だそうですが、どれくらいの効果があるのですか?

Question
ケガを防ぐためにはマウスガードが効果的だそうですが、どれくらいの効果があるのですか?
Answer
ある年の高校ラグビー全国大会でマウスガードを義務化したところ、ケガが減ったそうです。
マウスガードには、スポーツの競技中などに起こる口の中や周りのケガ、アゴの骨折、頚部へのダメージ、脳震盪(のうしんとう)などを予防する効果があります。マウスガードがなぜケガやダメージを予防する効果があるのかというと、いわばショックアブソーバーのはたらきをするからです。すなわち、弾力あるマウスガードの素材がクッションとなり、衝撃を吸収するのです。さらに、マウスガードを装着し、グッと噛みしめると、噛みしめたところの面積が広がります。その結果、衝撃が広く分散されることになります。1か所に集中して衝撃が伝わると、その歯にダメージが及んだり、アゴが骨折する要因になりかねません。
では、実際にどれくらい効果があるのかを調べた調査によると、3つの高校のラグビー部(計205名)で、マウスガード未使用時には、6か月間で87件の口の中や周り、アゴの骨折、脳震盪などを含めた外傷例がありましたが、全員マウスガードを使ったら6か月間で26件にまで減少しました。同じような結果は、他の調査でも数多く報告されています。また、最近では科学的根拠に基づいたマウスガード有効性を報告した研究もあります。
もちろん、マウスガードの材料がもっている許容範囲を超えるような大きな力を受けた場合は、ケガをしてしまいます。しかし、その程度や範囲は間違いなく小さくなることはご理解いただけるのではないでしょうか。
スポーツは、安全に行ってこそ楽しいものであり、健康づくりにも役立つのです。そのためにも、マウスガードを使いましょう。