歯周病治療のバージョンアップ

歯周病セミナー風景

以前、1年間をかけて受講をした歯周病治療セミナーに今年度は再度受講をすることにしました。
以前学んだ知識の復習と進化をした部分の新しい知識と技術の復習をするためです。
このセミナーでは講師の先生方や先輩の先生方と歯周病に関する深い知識についてディスカッションや意見交換をしたり、また勉強熱心な若手歯科医師や歯科衛生士たちともいろいろな意見交換ができます。
それにより自分自身のスキルアップにつなげられる非常に有益なセミナーなので、今年度は再度受講することにしました。

また、日本歯周病学会をはじめとする専門学会へ積極的に参加もし、そちらからも新しい知識と技術を吸収していきたいと思います。

さらに、海外の論文を読んで討論をする勉強会にも定期的に参加をしていましたが、これからもその勉強会には積極的に参加をして海外のトピックな話題も学び、グローバルな知識も吸収しつづけていきたいと考えています。

しかし、必ずしも最新の治療が絶対にいいとは限りませんので、昔から行われている安全で確実性の高い治療方法もしっかりと見据え、患者さんへより良い歯科医療を提供しつづけられるようにと考えています。
このような学会やセミナーに参加するため不定期に臨時休診となることがありますが、ご理解の程よろしくお願いいたします。

2014年4月14日
栃木県日光市 沼尾デンタルクリニック
院長 沼尾明弘

新しい総入れ歯で悩みが解消できました!

つらかった食事が楽しくなった!
ピーナッツを食べても痛くならない!
つぶがいを美味しく食べられた!
新しい入れ歯になってから食べられるようになり、少し体重が増えた!
歯医者が大嫌いだったけど、今は違う!
グラグラしていた歯では咬めなかったが、抜いて総入れ歯にしたほうが噛めるようになった!
新たなスタートラインに立って、人生が変わったようだ!

このすべてのコメントは新しい総入れ歯を作り変えた患者さんたちの生の声です。
今回の総入れ歯の勉強会には、患者さんたちが多数招かれており、その患者さんたちが直接お話になった生の声です。
今回の勉強会では招かれた患者さん一人一人にマイクを向けてインタビュー形式ではじまりました。

自分の歯が無くなって入れ歯を入れるようになってからは、みなさん、うまく食べられなかったり、会話がスムーズにできなかったり、精神的に負担が大きくなったり、痛い思いをしたりなどがあったとのことです。 このように従来の入れ歯を作る方法では十分に満足できる入れ歯にならない方も多数いらっしゃいます。

従来の方法は、型を取って入れ歯を完成させてから、その完成した入れ歯を調整をしていきます。この従来の方法でも十分に咬める入れ歯となる方もいらっしゃいますが、何回も調整を行ってもなかなかうまく合わずに苦労されている方もいらっしゃいます。
そのような方々に従来の方法とは違う方法で総入れ歯を作成して使い始めたことにより、入れ歯の不都合が解消され、最初に書いたような言葉を話されていました。

ここでいう従来と違う方法とは?
それは「治療用の入れ歯」を使う方法です。

最初に「治療用の入れ歯」を作成します。その治療用の入れ歯を使ってもらいながら、その入れ歯がぴったり合うまで調整を繰り返します。
調整箇所は入れ歯の形態や当たり具合、噛み合わせ、舌の感触、頬や唇の膨らみ具合など様々なところを調整していきます。
この時の調整はプラスチックの部分を削ったり、プラスチックをつけ足したり、柔らかいプラスチックを使用したり、咬み合わせを調整したりなど、じっくりと不都合な部位が無くなるまで調整を続けます。これを繰り返すと治療用の入れ歯が、自分の口に合うようにどんどん形が変わっていきます。

そしてそのような調整を繰り返すことにより、最終的にご自身の口にぴったりと合った入れ歯になっていきます。
調整中の仮の入れ歯 
上の写真が調整を繰り返していった「治療用の入れ歯」です。
調整用入れ歯の奥歯は平らになっており自分の咬みやすいところで自由に咬むことができます。
自由に咬むことができるので、治療用の入れ歯を使い続けていくうちに自分の咬みやすい場所がすり減ってきます。
そのすり減ってきたところを目安に最終的な噛み合わせを決めていきます。
毎日使いながらできたすり減ったくぼみは、使っている本人が噛みやすい場所なので、その咬みやすい場所を参考にして完成品の新しい入れ歯の噛み合わせを作ります。

治療用の入れ歯のピンク色の部分もプラスチックを削ったりつけ足したりしてお口の中にピタリ合うように調整をしてあります。
ここには柔らかいプラスチックを部分的に使って、あたりが無くなるように調整を加えていきます。
柔らかいプラスチックのため使用していくうちに、だんだんとお口にぴったりと合ってきます。

調整完了した入れ歯を元に作った、完成品の入れ歯

しかし、治療用の入れ歯のプラスチックを削ったりつけ足したりしている部分は汚れがたまりやすく、不衛生なためそのまま使い続けることはできません。
そこで、そのぴったりとなったその治療用の入れ歯の型を取って、新しく最終的な入れ歯を作成します。
つまり、調整を繰り返してぴったりとなった入れ歯のレプリカから最終的な入れ歯とするのです。

調整をしてぴったりと合った治療用の入れ歯から、そのままの形で新しい最終的な入れ歯を作成したものが上の写真です。
すでに治療用の入れ歯でぴったりと合っているので、完成品の入れ歯もほぼぴったりと合います。

このような方法によって作成された最終的な入れ歯は非常に使い心地がいいものです。

この入れ歯を使うことによって、最初に記載したような感想が出てくるのです。

今回の写真の入れ歯は当院で治療を行った「治療用の入れ歯」と、それを元に作成した最終的な入れ歯です。
この方は、昔の入れ歯では食べることに困っていましたが、この入れ歯に変えてからは色々なものが食べられるようになったとおっしゃっていました。

時間と手間がかかる方法ではありますが、最終的な入れ歯の使用感を考えると、合わない入れ歯を我慢して使っている間に心地い入れ歯を作ることができます。

歯を残す治療のトレーニングを行っています

誰しも自分の歯を抜きたくはないと思います。
しかし、虫歯が進行してしまった場合、そのままにしておくと歯を抜くようになってしまいます。
そのようなときに虫歯が進行した歯を抜かずに、歯根の治療をしてまた歯を使えるようにする治療方法があります。
歯根の治療は、小さな歯の中をきれいにする治療のため非常に細かい処置となります。
そのため、最近では歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)というものを使って、その細かな根の中を顕微鏡でのぞきながら大きく拡大して見える状態で治療を行うこともあります。
そのような細かなところを治療していくために、日々トレーニングを積んでできる限り治療の成功率を上げる努力をしています。

歯の神経を取るトレーニングです。
上の写真は歯根の治療のトレーニングをするために開発された模型で、それを使って歯根の治療のトレーニングを行っています。
まず虫歯が進行してしまい、ばい菌に汚染されてしまった歯根の中の神経をとることから始まります。(実際には麻酔の注射をして痛みがない状態にしてから治療を行います)
「ファイル」という細い針金状のヤスリを歯根の中に挿入して内部を少しづつ削りながら、ばい菌に汚染された部分をきれいにしていきます。
上の写真に灰色のところに細い針金がついている器具は「ファイル」です。
写真をよく見ると下のほうに少しだけ「ファイル」の先端が飛び出しているのがわかりますか?
歯根の内部を貫通している神経の部分を、歯根の先まできれいにした結果、歯根の先まで「ファイル」が貫通した様子がわかります。
ちなみにこの練習用の歯の模型は下顎奥歯の実物大の模型で、その歯根の先から飛び出している「ファイル」の先端の直径は0.08mmという細さです。
歯を残すための治療とは、これだけ細かい治療を行っています。
実際に口の中ではここまで細かいものは肉眼では見えないため、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使い、できるだけ治療を成功へと導くようにしています。

歯の神経を取った後に、薬を根の先までしっかりと詰めるトレーニングです。 
「ファイル」を使って、ばい菌に汚染された歯根の中がきれいになった後には、また底の部分にばい菌が入らないように専用の薬を充填します。
写真の模型の内部がピンク色になっていると思いますが、それが充填された薬です。
充填専用の機材を使って細い根の先まで密封するように薬を充填します。写真の歯の上にある器具の先端は約0.6mmという細さです。

image (1)
このような充填まで終わった歯の模型を、歯を残す治療の専門医にチェックをしてもらい、改善点を指摘してもらいます。
その場合、非常に小さな部分をチェックしていくため上の写真のような歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)でチェックをしていただきます。
透明な模型を、歯科用顕微鏡でチェックするため非常に細かなところまでチェックすることができます。
もうこのトレーニングは数回行いましたが、細かなところまで指導していただけるので、やるたびに治療の精度が上がっていきます。
虫歯が進行しすぎてしまった歯を、1本でも多く残す努力は怠ることなく継続していこうと思います。

できれば虫歯にならないようメンテナンスや予防を行っていれば、歯を抜くようなこともずっと少なくなるんですけどね。

日本顎関節学会で新たに学んできたこと

日本顎関節学会2013

 2013年7月20、21日は日本顎関節学会へ参加してきました。
 日本顎関節学会とは、国内外の顎関節に関する研究や診療を行っている専門家たちが集まって、研究成果の発表や情報の交換、討論などを行う場です。
 日本顎関節学会専門医である私(沼尾)も、学会へ参加をして新しい知識と技術を学んできました。

 トピックな話題としては顎関節症の診断基準について、ここ数年世界中でスタンダードになってきている診断基準についての議論がなされました。良い治療を行うためには適切な診断が絶対に必要です。そのため診断基準というのは良い治療を行うための第一歩となります。その診断基準をより良いものにしようと研究者や専門家たちがさまざまな意見を交換していました。このような議論が世界中で行われており、より良い診断基準作りが今後加速していくようです。

 顎や顔面の痛みの原因のひとつになっているだろうとされている食いしばりや歯軋りなどについても研究が進んでいます。そのような痛みの原因となる食いしばりや歯軋りは、無意識のときにやっていることも多いためなかなか気がつかないことが多く、いつになっても痛みの原因が解消されないことがあります。そんな無意識な食いしばりや歯軋りを辞めるような機械の研究も進んでおり、今後この研究は非常に楽しみなところだと感じました。

 通常、何もしていないときは上顎の歯と下顎の歯は離れていることが正常です。極端なことを言えば食事以外で歯と歯が当たることはほとんどありません。咬んだ状態だと話をすることが難しいと思いますが、咬んだ状態が通常は不自然な状態だからです。このように上顎と下顎の歯が接触している状態を最近ではTCHと呼ぶことがあります。このTCHはメディアでも取り上げられることも多くなってきました。

 顎に痛みがあったり、口が開きにくかったりとの症状が出る病気の一つに顎関節症というものがあります。そんな痛みや口の開きにくいときに対応する治療方法のひとつを少人数実習形式で教えていただけるセミナーが学会期間中に開催されたので、参加してきました。国内でもトップレベルの顎関節治療の専門家たちの直接指導を受けてきました。長年の治療経験と蓄積された技術を我々受講生たちに惜しみなく伝え教えてくれました。日頃の疑問をぶつけてみましたが非常に分かりやすい回答をいただき一気に解決いたしました。
 名医と呼ばれる方々の素晴らしい知識と技術に改めて驚かされ、そしてその教えをいただいたために彼らに一歩近づくことができました。この教えていただいたことは今後の毎日の診療に生かして、患者さんへ還元していきたいと思います。

 日本全国の知人の先生たちとも再会をしていろいろなお話をして、意見交換をすることができました。
 二日間という短い期間でしたが、非常に有意義な時間をすごすことができました。

日本顎関節学会2013講演中

看護の日にイベントがあります

5月12日は看護の日です。それにともなって日光市内でもいくつかのイベントが開催されているようです。

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5月18日はだいや川公園にて、健康チェック(体重・血圧・血中酸素飽和度・体脂肪・骨密度)や認知度チェック、栄養相談、リハビリ相談、介護相談、肩こり腰痛予防体操などができるそうです。

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5月22日では今市病院かましんスーパーの会場になるようです。
こちらでは血圧測定、血糖測定、体脂肪測定、骨密度測定、酸素飽和度測定、ニコチン測定、栄養相談、お薬相談、在宅療養相談、爪チェック、ハンドケアなどができるようです。
血中酸素飽和度とは血液(動脈)の中にどれくらい酸素が溶け込んでいるかというものを測定します。血液の中に酸素がないと窒息している状態になり苦しくなってきます。これを測定することによって、きちんと酸素が体に取り込まれていることの指標となります。おおよそ95%以上が正常値の目安となります。

日頃忙しくて病院へかかれない方や特に異常はないので病院に行くほどではないけど健康チェックはしてみたい、といった方などはお試しとしていいイベントだと思います。
万が一、異常が見つかれば早期に治療をして今までどおりの生活が継続できるようにしておくといいと思います。

病気になってしまいますと仕事ができなくなったり、学校に行けなくなったり、遊びに行けなくなったり、食べ物が制限されたり、お酒が飲めなくなったりと大きな不都合がたくさん出てきます。早期発見早期治療、そして再発予防が健康な生活をしていくためには必須なことになります。

何も問題がないうちに一度、健康チェックされてみてはいかがですか?

自分の歯を残せる時と抜かなければならない時

痛くもかゆくもない歯や、まったく自覚症状がない口の中で
「いやぁ、かなり進行していて重症ですよ」
「もう抜かないとダメかもしれませんね」
と、言われた経験はありませんか?

このような経験をされた方、このような経験をしたくない方へ解説をしていきたいと思います。

先日に参加してきたセミナーに関して内容を普通の方に分かるように噛み砕いて表現してみます。
このセミナーは海外の大学院を卒業者で組織されている団体が主催しています。これに参加している先生は留学経験者で歯周病の専門家・歯を作る専門家・インプラントの専門家・歯の根の治療の専門家などが多数集まって討論を行います。私は留学経験はありませんが、オブザーブ参加が認められているセミナーでした。

虫歯や歯周病などの歯の病気が進行してきた場合(ただし進行しても痛くなるときもあればほとんど痛みを感じないときもあります)
自分の歯が残せるのか?それとももう抜かなければならないのか?
患者さんも歯科医師も歯科衛生士もみんな歯は抜きたくはないものです。しかし、病気が進行してしまってはそうも言っていられません。
それを決めるのにはその歯の状態をさまざまな角度で見て、最終的に歯科医師が5段階に分類していきます。
その5段階をざっくりいうと「いいね」、「まあまぁ」、「微妙」、「厳しい」、「希望なし」のような感じになります。

「いいね」 ならここで治療をしておけばまだまだ使えるだろう
「まあまぁ」 程度なら歯を残しておいてもしばらく大きな問題は起こらないだろう
「微妙」 は今はいいけどそのうちだめになるかもしれない
「厳しい」 は歯を残しておくと問題が起こりそうなので抜かないとダメかもしれない。
「希望なし」 は残念ながら手遅れで手のほどこしようがないため抜歯になります。
といった感じですね。

さて、これはあくまでも医療サイドから診査をして判断した結果の分類です。
では患者さんからみるとどう感じるのでしょう?
実は「希望なし」の状態でも、痛いとか腫れたとかの自覚症状がまったくない場合も少なくはありません。
つまり痛くも痒くもない歯が実はもうダメになっているということも起こりえるということです。
そういった歯があると、一番最初に書いたような
「いやぁ、かなり進行していて重症ですよ」
「もう抜かないとダメかもしれませんね」
というような結果になってしまいます。

痛くも痒くもないのにいきなり「ダメ」出しをされてしまうのなら、皆さんはどうすればいいのでしょうか?

その答えは
歯科医院で定期的なチェックを行い、「希望なし」にならないように歯のメンテナンスを行っていくことが必要になってきます。
定期的なメンテナンスを行えば虫歯や歯周病の進行を抑制することができます。病気の進行が抑制されれば、それだけ長期間自分の歯の健康を保つことができ抜歯するような事態になりにくくなっていきます。
これはさまざまな研究がなされており、歯のメンテナンスを行うことにより自分の歯を長期間使っていけることは科学的に証明されています。

これ以外にも歯のメンテナンスを行う必要性を裏付けるものがまだあります。

例えば虫歯になって治療を行いました。そして治療した歯がしばらくたって、またむし歯が再発すれば再治療を行わないといけなくなります。
これは非常に悪いサイクルになっています。なぜなら再治療を行うことは上に出てきた5段階の分類が、最初の治療のときからさらに悪い方へと移動します。
例えれば、最初の治療で「いいね」の状態だったものが、再治療後は「微妙」に変わってきます。ひどい場合は「いいね」だったものが、再発の進行が急すぎて「希望なし」に変わることもあります。
これは「むし歯になったらまた治療すればいいや」と思っており、またむし歯になって再治療を繰り返すことは、どんどんと抜歯する状態へと近づいていってしまいます。
そのためむし歯の再発は防がないといけませんので、そのために歯のメンテナンスが必要になってきます。
理想は最初から虫歯を発生させないように、予防やメンテナンスを実践していくことです。

結論としては

「希望なし」まで進行してしまったら、痛みが出るのを待つか抜歯するしかない。
そうならないよう定期的な歯のメンテナンスをして、虫歯や歯周病の予防をすること
究極的な意見ですが、生まれたときから予防やメンテナンスを行って、理想的には虫歯や歯周病と無縁で一生過ごすことができれば素晴らしい!

皆さんはどう考えますか?

歯科医療にはこんな繊細な技術もあります

歯医者に対するイメージは悪い方は多いかと思います。
キーンと音がするドリルで削ったり、注射をうたれたり・・・

しかし、そんな乱暴そうなイメージの歯科医療の中にもこのような繊細なことができる技術もあります。
生卵の薄皮を残して硬い殻だけをむくことができます。
薄皮の内側に黄身が見えるのがわかりますか?
玉子を動かしてみると、中で黄身が動くのがよくわかります。(動画でなくてすみません)

生玉子のうす皮を残してカラをむきました。

生卵の薄皮を残して殻を剥きました。

ここ数年で歯科医療へ臨床応用されるようになった技術ですが、そのトレーニングのために生卵を使ってこのようなことを行いました。

この技術を使うことによって、従来の方法に比べ患者さんの体への負担が格段に少なくすることができます。
いわゆる「低侵襲な治療」を実現することができます。
そしてこの技術はいろいろな治療方法に応用ができ、より負担を軽減した治療を提供することが可能となります。

それでも虫歯や歯周病を日頃からしっかりと予防をし、病気の進行を許さないようにして、このような技術のお世話にならないようにしておくことが最善です。
この技術を提供は可能ですが、虫歯や歯周病の進行を許さないようなことを理解して実践していただき、できるだけこの技術の提供機会は減らしていきたいものです。

最近の海外で話題のインプラント事情について

歯周病とインプラントに関する勉強会へ所属していますが、先日そこで担当となった海外の論文に関する発表と検討会を行いました。
最近のインプラント事情も含めそのときの内容を記載します。

インプラント治療はかなり普及をしてきましたが、必ずしも一生モノのではありません。お手入れを怠ってしまうと「インプラント周囲炎」(詳細はこちら)という病気にかかってしまいます。
インプラントの先進国のスウェーデンでさえインプラントを入れた方の4人に1人がこの病気にかかっているとも言われています。

そこでここ最近、盛んに研究が行われているのがこのインプラント周囲炎という病気の治療方法についてです。
それらの研究の成果として数多くの論文が発表されておりますが、残念ながら決定的な治療方法はまだ見つかっていないことが現状です。
今回はそのようなインプラント周囲炎の治療方法の研究論文(英語・論文を書いたのはスウェーデンの研究者)を翻訳しながら、その内容を読み解いていき、勉強会メンバーの前で発表しながらディスカッションを行ってきました。

今回の研究論文の詳細はこちらのページの下段のほうにある「論文解説」というところにアップされています。

歯周病とインプラントの勉強会

今回はインプラント周囲炎によって炎症(腫れたり血が出たり膿が出たりする状態です)を起こしている歯肉に対する治療方法の検討です。
歯科用のレーザーを使った治療とエアーアブレーシブという特殊な洗浄剤を噴霧する洗浄機器を使った治療について研究された論文でした。
結果は炎症の少しの改善はあったものの完全治癒(完全に治った。完治した)とまではなかなか行きませんでした。
インプラント周囲炎は非常に難治性(治り難いという意味)の病気であることがうかがわれます。

ここでは、インプラント周囲炎にならないようにするためには、インプラント治療前に歯周病をしっかりと治しておくことと、インプラント治療後も日々のお手入れや定期的なメンテナンスクリーニングは絶対に必要だと、この論文では訴えていました。

インプラント治療は治療前の診査(検査)と治療計画をしっかりと行い、歯周病やむし歯などの治療をきちんと行い、治療後はしっかりとしたお手入れと定期的なメンテナンスクリーニングを行えば、自分の歯のようにしっかりと咬めて長く使っていくことができます。ただし,誰しもがインプラント治療の適応であるとは限らないので、可能か不可能かを見分けるためにしっかりとした検査と治療計画を行っていかなければなりません。

クリニックが取材を受けました

とはいっても、雑誌やテレビ・新聞の取材ではなく、小学生が職場見学を兼ねて取材に来てくれました。
日光市内の小学生ですが、学校の課題で好きな職場に行って取材をしてくるようにとの宿題が出たそうです。
そこでこの小学生は自分がメンテナンスで通っている沼尾デンタルクリニックを取材先に選んでくれました。

治療中の写真も撮りたいとのことだったので、このときにいらっしゃった患者さん全員に小学生の職場取材のため写真を撮影をさせていただく旨をお伝えしたところ、皆さん快諾していただきました。
念のため患者さんのお顔にはタオルを掛けさせていただき、個人が特定できないようにはさせていただきました。
お母さんと一緒に親子で楽しそうに写真撮影をしておりましたので、私も写真を取らさせていただきこのホームページでの使用許可もいただきました。

小学生の取材

このあと、この小学生はスタッフにいろいろな質問をして、一生懸命にメモを取っていました。
自分が興味を持ったことは子供は一生懸命になりますね。
興味を持ってもらえることはよかったと思います。
中学生になると職場体験などもあるようですが、歯科医院へ興味を持ってもらえるお子さんがたくさん増えてくれることを願います。
そんなときは可能な限り受け入れられるようにしていきたいと思います。

インプラント治療でより成功率を上げる方法

少し前から研究開発がされた方法で、従来のインプラント治療にプラスアルファをすることによって治療成績を上げる可能性がある方法があります。

それは「光機能化」といわれる方法です。
簡単に言えば、ある処理をインプラントやインプラントの土台などに施すことによって、インプラントが骨や歯肉と非常によくくっついてくれるというものです。
よくくっついてくれれば今まで以上にインプラントが長持ちしてくれる可能性が高くなります。

この「光機能化」は、アメリカのUCLA歯学部の小川教授(アメリカの大学で日本人の先生が開発しました)により研究開発された方法です。
多くの実験で好成績を収め、現在日本を中心に臨床応用が始まっています。
まだ臨床応用が始まって2年ほどですが、インプラントを長持ちさせることができそうな結果が出はじまってきているようです。

先日、小川教授の講演を聴講してきましたがインプラント(素材はチタン)と骨がくっつくこの技術は、骨の手術を行う整形外科の先生方からも期待をされているとのことです。

この分野のこれからの研究成果は注目していきたいと思います。